梅雨入り前、ということもあり色々とプランを組もうとしていたのですが、この時期は上信越であっても雪が若干張り付いているため、大きく出ることに躊躇してしまうなんとも痒い感じの季節帯だったりします。
そんな折、以前東丹沢を歩いていた際に見た大山の秀麗さが思い起こされたためもう一度遊びにいってみることにしました。但し往路はバスを使用せず自分の足で歩く、という条件付きで。
今回は秦野駅から歩いて大山山頂を目指します。
この駅はヤビツ峠行きのバス目当てに多くのハイカーで(休みの日には特に)長蛇の列が生成されています。今回はそんな喧騒を横目に素通りし、まずは弘法山に向けて歩き出すのですが、これがちょっと気持ち良いのです(笑)
駅から少し離れて水無川沿いの閑静な住宅街を歩くと、目指す弘法山公園(丘ですね)が見えてきます。
7:56 弘法山公園入り口
「公園の入口」と謳って入るものの、見た目は道路脇にある小さな畑。裏道から道に入って行きます。
8:30 弘法山公園
ここからは秦野市街を一望することができました。公園内には散歩している老人数名がいるのみで時間の進み方が幾分ゆったりしている印象。
更に奥に進むと小さな神社があったので本日の山歩きが無事フィニッシュできるように手を合わせます。
ですが・・・
9:40 念仏山
この念仏山周辺と高取山周辺にかけてのルートには丹沢名物のアイツが地面にのたうち回っていました。そう、「山蛭(ヤマビル)」です。
10:40 高取山
この山蛭は糸ミミズを少し太くしたような容姿なのですが、皮膚に憑かれてしまうと血を吸い上げられた挙げ句、出血箇所後が固まらない毒液(ヒルゲン)を挿し込んでくるため"気がついたら血だらけ”といった状況に陥ることになるとても厄介なヤツです。
ロックンロール
しかも数歩歩くごとに体に数匹ずつ付着する始末で、なんと靴下の中まで数匹潜り込まれて吸血されてしまっていました。これにはだいぶ手を焼いてしまいました。。。持参していたハッカ油スプレーで対処したのですが、結局吸われ尽くした後に使用したため効果があったのか無かったのかは良く解らず。
更には山蛭のお陰でザックを地面に置いての休憩が事実上「不可能」という事態に大分苦しめられました。首筋に気持ちの良い風があたっても山蛭に憑かれたような錯覚が何度も襲うため半狂乱状態(笑)
道は本当によく整えられておりこれさえなければ気持ちの良い歩きが堪能できた筈なのですが、今思い返すと丹沢、6月、雨上がり、通行者数があまり多くないルート等、山蛭発生には条件があまりに揃いすぎていた、という訳です。
11:00 アスファルト道出合い(超休憩)
そんなこともあり、アスファルトを見た際には思わず声を上げてしまいました。悪魔を寄せ付けない聖域でありますよ。これまでは「丹沢は蛭が出るぞ…」と散々脅されていたにも関わらず、大倉尾根や表尾根、西丹沢や東丹沢を歩いても蛭に憑かれたことはなかった(と思う)ので今回はかなり衝撃的でした。
で、そんな自分の横を(足と腕を露出した)綺麗なオネーサンが颯爽とトレランしてるんですよね。何故あの悪魔が私のような中年男の血を吸うのか解せない感じだったのですが、恐らく今回の件は「止まるんじゃねぇぞ」という天からの強いメッセージなんでしょう。停滞の許されない我が人生への教訓です。
ですが、山蛭の巣窟もここまででした。丹沢らしい整った木道が現れて一安心しつつ歩くことができました。
かごや道
ここから大山表参道の16丁目までは人が少なく整ったルート(かごや道)を自分のペースで歩けます。いい感じが戻ってきました。コレです。今回の丹沢に求めていたのはコレです。
12:45 16丁目
16丁目に到着。大山のメインルートである阿夫利神社からのルートと合流するためハイカーの数が多くなります。
ベンチでよもぎ大福(粒あん)2個入をモチャモチャ食べていると、外国人ハイカーが沢山遊びに来ていたのを見かけました。もうコロナの影響も町中でのマスク着用を除くと大分落ち着いてくれた感じです。このまま良い流れに進んでくれれば良いのですがどうなることやら。
13:45 大山山頂
山頂はガスで真っ白の虚無の世界
今日の大山は実に濃密な表参道ヒルズな一日だった・・・とボヤきつつわっぱ飯を食す。旨い。
その後は登山客が猛烈に多くなってきたので粛々と下山。
15:00 阿夫利神社下社
山頂はいまいちでしたが、少し下ると遠くまで見渡せる実に良い天気でした。
15:23 大山寺
帰りに大山寺のある女坂ルートを歩いたのですが、この日はタイミングよく御開帳の日だったらしく読経が周囲の山々に響き渡っていました。
夕暮れの斜陽とお経を聴きつつの山歩きには心を在るべき姿に戻してくれるような、ある意味至高の時間でした。こういう稀に訪れる自分にとって素晴らしい瞬間と邂逅できるのも山歩きの醍醐味だと考えています。
15:50 下山
登山口に有る豆腐屋とお土産屋さん、コロナ禍を乗り越えて以前と変わらず残ってくれていました。動かざること山の如し。
旨し
今日のご褒美!脱アルコールで帰りの電車内でも気分が悪くならない特殊なドリンクでこれまでとは違う自分をアピール。