2012旅行記 - アメリカ

どこかに一人で海外旅行に行こうか、と思い立ったのは今年の1月でした。

最初は思い切って遠くヨーロッパ辺り、青い空と白い町並み、古い神殿遺跡の美しいギリシャでクルーザーに乗りつつ写真を撮りまくりたい、と考えておりました。

しかしながら「新婚旅行先に大人気」とのことでしたので、頑張ってたどり着いて些か残念な気持ちになるのも考えもの、ということで
”もう少し泥臭い旅行にしたい”
という思いからアリゾナの砂漠を車で走り抜けようではないか、と考えたのでした。

やはり考え方として「一人の海外旅行」ではなく、「一人じゃないと出来ない旅行」にするべきであろう、と。そんなところです。

自分は日本にいる限り殆どが鉄道で事足りてしまうために車にはほとんど興味がありません。
しかし海外で運転するためには最低日本でもある程度の運転は出来ていないとダメであろう、とのことから練習の意味を込めつつ今年の前半は房総半島、箱根にドライブをしていたのでした。

自分としては少し高めのハードルでしたが、およそ1800kmを走りぬいた今回の旅行は大成功でした。




1日目:成田~(ロサンゼルス経由)ラスベガス

成田空港にて単独渡航を前に胸キュン状態。いいねぇ。
暇つぶし用に準備していた文庫本を忘れてしまった事に気づいたので、本屋にて村上春樹のスプートニクの恋人を購入。搭乗前の手続きは特に問題なし。

日本人がアメリカに入国する際、VISAを免除する代わりに事前にネットにてESTAというシステムに自分で登録するようになったとの事で、飛行機を降りた際の手続きが簡略化されたのではないかと期待しておりました。登録するだけで14ドルも払いましたしね・・・。

しかしロサンゼルスにて入国する際、乗り継ぎの僅かな時間に以下の様なことをやらなければならず、結構大変でした。
  1. 国内線のチケット受け取り
  2. 税関審査カードの記入
  3. 入国審査カードの記入
  4. 入国審査
  5. 荷物の受取
  6. ターミナルの移動
  7. 荷物の預入
  8. ボディーチェック
                 :
国内線のチケット受け取りはなんと航空カウンターではなく、通路に突っ立ってるおっさんがその辺の手すりに客のチケットを直置きして持って行くようにガナりたてる、というやり方。
客が間違ってチケットを持って行ったらどうするつもりだったんだろう・・・。

まぁ必要な一連の手続きなのかもしれませんが、ロサンゼルス空港においてはどうにもシステマチックではなく(チケットが安かったからなのか?)人海戦術で乗り切ろうとしている点が今回の旅行において”アメリカ人らしさ”を感じた一発目でした。


2日目:ラスベガス~セントジョージ

ラスベガス(マッカレン)では飛行機から降りた後、荷物の受取場所に迷ってしまった(何故かターミナル3のバゲージクレームにたどり着いてしまった)。
しばし彷徨った後、ターミナル間のシャトルが走っていることを教えてもらいターミナル1に。
無事預けた荷物を受け取りレンターカーセンターへ。 レンタカーセンターへは空港から出ているシャトルバスにて移動。



レンタカーセンターにおいてコンフォメーションスリップと免許証を提示。その際色々と受け付けのオバちゃんがオプションを勧めてくれていた様なのですが、いまいち英語を理解出来ずキョドる。
その後今回の旅行の車(相棒)とご対面。もう少し野暮ったいファミリータイプの車だと思っていたのですが、今まで乗った車の中で最もスポーツカーっぽいタイプでした。
どうも男が一人で車をレンタルするのだから・・・ということで受付のオバちゃんが気を利かせてくれたみたい。(と、思い込むことにした。)






車種はシボレーのCRUZEというやつ。

ナビもオプションで付けておりましたが、使った機種はなんと日本語に対応しており、全くもって簡単に扱えました。
英語でのナビって理解できるかどうかは心配の種だったのですが、これで随分と見通しが良くなったなぁ、と救われた感じに。

その他運転に関しては左ハンドル&右側通行でしたが、意外にも2,3分程度で慣れてしまい、その後も特に違和感を感じなかった。

やってみるとなんとかなるもんだ。


・・・さー、出発。

最初はネバダ州からユタ州のセントジョージに移動。
Interstate 15のフリーウェイ(日本での高速道路相当)に乗ってソルトレイクシティ方面にひたすら北東に進む。
状況的には時差ボケと、ラスベガスを抜けるとひたすら同じような景色が続いていたこと、パーキングエリア的なものもなかったこともあり、少々苦しい運転でした。

セントジョージには日が落ちる前に到着。





3日目:セントジョージ~ザイオン国立公園~グレンキャニオン・レイクパウエル~ペイジ





この日はリムトレイル(登山)がメイン。
場所はザイオン国立公園。ビジター・センターから出ているシャトルバスにてGrottoという停留所に移動。
ここから山頂のAngels landingという目的地を目指してWest Rim Trailを登ってゆく。





鮮やかな色彩と、切り立った力強い岩肌がとても印象的。








山頂(Angels landing)の手前には道が無く、鎖が張られているだけの岩場斜面です。
当然柵もなく命綱もありません。落ちたら奈落の底に落ちて死ぬだけです。全ては自己責任。

自分は手でしっかり鎖を握っていたため死にませんでしたが、足を滑らしてしまいあの世が垣間見えるちょっとしたハプニングもあったりしました・・・。










山頂のAngels landingからの景色はとても素晴らしいものでした。感動。
自分が死んだ際にはここに立ち寄ってからあの世に行こうではないか・・・。


エンジェル発見ですよ。うむ。

野生のリスもペットショップで見るものと然程変わりません。が、実際に必死になって見るソレには感動が伴います。幸せを掴むってこういうことなんだろうか。



ペイジに移動する際に立ち寄ったチェッカーボードメサ。
岩肌に自然が片づくったチェス盤の様な模様が・・・という事らしい。不思議だねぇ。



宿の一歩手前。レイクパウエルとそれを作っているグレンキャニオンのダムをビジター・センター付近より望む。
ここがグランドサークルの中心地とのこと。







4日目:ペイジ~ホースシューベンド~アンテロープキャニオン~モニュメントバレー~ツサヤン

一旦ガソリンスタンドで給油した後に、ペイジの街からほど近いホースシューベンドを見学。





駐車場から十分ほど砂漠を歩くとコロラド川が描く物凄いヘアピンカーブが。「馬の蹄鉄」ってわけですな。
ここは後ほど訪れるグランドキャニオンのコロラド川上流に位置します。



アンテロープキャニオン。ここはナバホ族に現地ツアーを依頼して見て回ります。
ペイジの街で予約してくれるツアーも有るようですが、自分は直接現地に出向いてツアーを依頼してしまいました。


ジープにて砂漠を移動して行くと・・・





撮る写真全てが芸術的になります。






現地ではツアーガイドさんが色々と解説してくれます。
面白かったのはカメラの撮り方を妙に詳しく説明してくれるところでしょうか。
iPhone、iPad、Galaxyでの写真はこう撮ると良い!とか、逆光にならないように気をつけろ!とか。

極めつけは「この、砂がサラサラッと落ちる所が良いんだ!」みたいなパフォーマンス。
自分もノリノリでシャッターを切りました。







次にモニュメントバレーへの移動。移動距離的に今回の旅で最も困難でした。
ここでこれまで問題がなかった車のナビが随分とおかしな所に導いてくれた。
道がグラベルになり明らかに怪しいことに気づいた時には遅く、1時間程度の時間と燃料が消えてしまった・・・。
しかしながら道を誤ったなら目的地を再度設定して進み続けるしかないわけです。


モニュメントバレー現地に到着。

ここにもビジター・センターが。ナバホ族のアクセサリーが売られていたものの水(ミネラルウォーター)と油(ガソリン)が売っておらず少々テンパる。



苦労の末辿り着いた聖地の天候はソレはソレは荒れておりまして。砂塵と雨と風。
フォレストガンプロードもこの有り様。



しかし帰り際急激に天候が回復し、通ってきた道を振り返るとメサに虹がかかっていた。これには流石に涙が出てきた・・・。


随分遠くに来たものです。

・・・

帰り際、カエンタという街で水と油をゲットし本日の最終目的地であるツサヤンへGO。もう夕方。
これから東京~浜松間級の距離を走らなければならない。ちょっとヤバイかな。


何百キロも移動し日が沈んで暗く寒くなった山道を辿ってツサヤンに到着。


この日は運転に少し無理があったのか腰痛酷くなり本当に疲れました・・・。
まさしく一人じゃないと出来ない旅です。


5日目:ツサヤン~グランドキャニオン~ロックスライドステイト公園~エアポートメサ~セドナ

この日のメインはグランドキャニオンの見学。



現地は観光客が溢れており、まったくもって小奇麗に整えられておりました。
幾つかビューポイントがあったようですが風景も然程変わらないように思われるので1つ2つ見学できれば十分かな?



自分はAngel Rim Trailでの谷下り(勿論途中で引き返しました)と、崖の淵に伸びているRim Trail(Bright Angel Trailhead ~ Mather point)を歩きました。















グランドキャニオン鉄道ってのもついでに撮影。







その後、予定であればグランドキャニオンを離れた後にアリゾナ大隕石孔を目指そうと思いましたが、フラッグスタッフの街にて時間的、天候的に厳しそうであったため、そのままセドナ方面を目指すことに。






ロックスライドステイト公園。

公園に入ると水着を着た美しい女性がぞろぞろと歩いてくるじゃないですか。どうも川遊びのできるポイントらしいです。

きっと家族連れだと水遊びが出来て楽しいんだろうな。


下りの山道をしばらく走ってゆくと今回の最終目的地、セドナの街に到着。アメリカの軽井沢。


街は赤い岩肌に囲まれた独特な雰囲気に囲まれておりました。成る程。スピリチュアル。
宿にチェックインした後、夕日を見る時間が十分有りましたのでエアポート・メサ(セスナの飛行場です)という高台を訪ねました。



街が一望出来て夕日も綺麗なとても素敵なポイントです。


6日目:セドナ~ホーリークロスチャペル~ベルロック~レッドロッククロッシング~セドナ

この日は一日セドナ観光。
・・・ですが、少し体がヘタってきていたのと翌日の大移動を控えていたのでポイントを絞り見て回りました。


ホーリークロスチャペル。

宿から少し走ったところに位置しています。
観光客一般にも開放されており、しばし協会の中でボーっとしておりました。





お次はベルロック。
協会から更に南に走ったところにあるベルのような形をした岩山です。







ベルロックは男性性エネルギーを放出しているボルテックスであるとの事だったのですが、この岩山、見方によっては巨大な女性の乳房のように見えなくもない。他のボルテックスは逆に女性性があるとの事で、切り立った岩山に妙な抱擁感を感じます。成る程なぁ、と一人納得。
お次はセドナの西に位置するロッククロッシング公園。カセドラルロックというメサの麓にあり景色が綺麗。んー。癒される。






老夫婦がとても仲良さそうに川をいつまでも眺めてました。男女関係の究極型。


7日目:セドナ~ウィリアムズ~ルート66(セリグマン~キングマン)~レイクミード・フーバーダム~ラスベガス

この日はラスベガスまでの移動日。
途中幾つか観光できそうなところがありましたので休憩を兼ねつつ見て回りました。

ウィリアムズはグランドキャニオンまで鉄道が延びており、駅及び車両基地があります。
グランドキャニオン現地で見た鉄道はディーゼルタイプでしたが、ウィリアムズには立派な蒸気機関車が。






その昔アメリカ横断ウルトラクイズで見たような記憶が・・・。




アメリカの貨物車編成はとにかく長い!編成の全長は数キロという規模。




セリグマンからキングマンまではルート66に。


Get your kicks on route sixty-six...



レイクミードとフーバーダム。砂漠の真ん中にある湖はやはり癒されます。

ちょうどここからアリゾナ州から再びネバダ州に入ります。ラスベガスまでもうちょっと。



ラスベガスはこのダム建設によってその賑やかさが加速したそうです。


山を超えると車窓にラスベガスの街がブワーッと広がり感動!帰ってきた!


ホテルにチェックインした後、夜は時間が許す限りラスベガスの町中を観光。
もう車を運転する必要がないことから地味に一人ハメを外しておりました。初見のラスベガスはそれだけ魅力に溢れておりました。







今回はストリップというメインストリートを中心に見て回り、ストラトスフィアタワーを目指しました。しかし既に体力が底を尽きかけておりました。。。






この景色は人間が作り上げたんだな・・・、みたいな。


今年の夏は東京ではスカイツリー、アメリカではストラトスフィアタワーを見ましたが、どちらもその夜景は甲乙付けがたく素晴らしい景色でした。

旅に出て本当に良かった・・・。



8日目:ラスベガス~(ロサンゼルス経由)成田

朝5時起き。昨晩寝たのが2時前だったので流石に辛い・・・。

しかし飛行機に乗る際に手続きに手間取ってアウト!ということだけは避けたかったので頑張って起きる。
ホテルをチェックアウトした後空港に到着しましたが、流石に往路で慣れていたため手続きは一瞬で完了。

1,2時間近く余裕が有りましたので日本で買った文庫本(スプートニクの恋人)を読み切りました。
村上春樹の本は相変わらずスピリチュアル(?)で言っていることが良く判らない。

その後ロサンゼルスから10時間も飛行機に乗り成田に到着。
流石に疲れた・・・。


というわけで、今年の夏休みはアメリカ・グランドサークルを一人旅してきました。
充実していてとても素晴らしい経験ができましたのでお勧めです。

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