2015年4月27日月曜日

JRiver Media Center

Windows上でのPCオーディオにおいて、音源、DAC、アンプ、スピーカー、ヘッドフォン、アクセサリ各種には一定のコストをかけていますが、振り返ってみるとプレーヤーとしてのソフトウェアには直接的な対価を払ったことがありません。

これはiTunesやWindowsMediaPlayerなどのOS付属の標準機能で然程問題が無いと感じられていた事と、更なる拡張性を求める場合であっても、foobar2000PlayPCMWinBugheadEmperorなどのプレーヤーがフリーで配布されているからです。

しかし相対的に管理性、カスタマイズ性、音質、デザイン、対応フォーマット等の観点からどれも一長一短。決定打がないんですよね。
どの要素も両立できないものではなかろうに・・・。と思ってはいましたが、だからと言ってお金を払ったところで大きなメリットを感じられるソフトウェアもなさそうでした。

・・・やはりプレーヤーなんてデジタルデータをDACに流し込んでるだけじゃん、とどこかで考えていたんですよね。

ところが先日の千住真理子、諏訪内晶子のヴァイオリンをJRiver Media Center(通称JRMC)というプレーヤーソフトを使用して聴いてみたところ、(ある程度の思い込みや印象が入っているのでしょうが)そのあまりの素晴らしさに180度考え方を改めざるを得ませんでした。

この情報量!

このソフトウェアはWindows向けだけではなく、MAC、Linuxなどの複数のプラットフォームにリリースされています。自分は当初Windows向けとして考えていましたが、MACでも使用してみたいと思い立ち、結局マスターライセンスを購入しました。

結論としてはかなりの満足感です。オススメ

再生面の充実度は特筆に値し、対応フォーマットは(ソフトウェアによっては排他関係になりがちな)ロスレス形式であるFLAC、ALAC、更にはイメージインデックスのCUE、極め付けとしてDSFファイルの再生も全て標準で対応。

アップサンプリング、ダウンサンプリング面においては、周波数毎の設定が可能です。
DAC1000(USB接続時)の様に特定周波数(88.2kHz,176.4kHzがダメ)を受け付けない機器には非常に有り難い。


音質向上を狙った機能に関しては、Windows向けとしてASIOやWASAPIといったカーネルミキサー回避の機能が搭載されており、同様にMAC向けにもintegerモードというCoreAudioのAudioUnit回避機能が標準で搭載されております。
更に、オンメモリ再生機能という、音質向上に向けて絶対に欠かせない機能が備わっており、一連の機能群からは、iTunesのQuickTimeを使った「取りあえずそれっぽく鳴れば良い」的な中途半端さは全く感じられません。

iTunesがアップデートする度に動作が重くなり、そして誰も望んでいないと思われる謎のインターフェースに変容してゆくという・・・、あの、バージョンアップによる使い勝手の向上という「建前」と、プロダクトライフサイクルを短くしたいだけの「本音」が逆転した残念な感じと、ようやくオサラバ出来る、という訳です。

動作の軽快さもかなりのもので、ライブラリのデータ量が数百GB~1TBのヘビー級用途でも動作がもたつくようなことは有りませんでした
(別途購入していたPowerDVD14はここが全くダメだった(nasne連携のDTCP-IP目当てではありましたがライブラリ用途で活用できないのは残念だった))


そしてソフトウェアをコントロールするタブレット向けアプリケーションを探してみたところ、JRemoteというこれまた素晴らしい逸品を発見。

ジャケット表示が超早、かつスクロールが気持ちい位にヌルヌル。
自分が求めていたのはまさにコレ。コレだよ!
AppleRemoteは一体何だったんだ???

右端からのスワイプで各曲情報。左下部のスイッチで音の再生先(PC or タブレット)を選択可能。
Appleの標準Remoteアプリだとこれが出来ず、別途標準Musicアプリからホームシェアリング機能を立ち上げる必要があったんですよね。

タグ情報も。

アーティスト情報も。

指定した曲を基に、似た傾向の曲から自動的にプレイリストを生成する「PlayDoctor」という機能も。

AppleのiTunesでは「Genius」という名前で似た機能が実装されていましたが、選曲数が25曲と少な目で、しかも所持しているローカルデータ情報(再生履歴等)をAppleに差し出す必要がありました。
こちらはその様なことは無いようで、しかも100曲以上を選んでくれる優れものです。

・・・

これは触れば触るほど、「ユーザが何を望んでいるのか、制作側がきちんと解って創られている」ということが伝わってくる素晴らしいアプリケーションですよ。

(あまり雑誌等に取り上げられないのが不思議です)

2015年4月5日日曜日

ヘッドフォンとヴァイオリンの音とその相性について

K701というヘッドフォンを保有しております。

確か購入した場所は中野のブロードウェイ3FのFUJIYAエービックだったんですが、あのオーストリアのメーカーAKGのハイエンド機種ということもあって、“手頃な価格で掘り出し物を見つけた”という上々な気分で帰宅したことを記憶しています。

当時(というか今もですが)基本的にJAZZ、フュージョンを中心としたピアノやギターの音と、10年~20年前の邦楽などがメインで、ゲームやアニメのサントラを少々・・・というスコープで聴いていました。

「ハイエンド機なら取りあえずジャンルに関係なく不満を感じることはなかろう」みたいな感じですよ。


そして帰宅後にUSBDACに接続するわけですね。
まぁヘッドフォンなんで当然ながら機器に接続すれば音は出るんですよ。
出るし無難に綺麗(中~高音域)だなと思うんですが、低音域が妙に抑えられていることもマイナスに働いて特別な感動が湧き上がらんのです。

この特別な感動がない(=プラス方向のインパクトがない)っていうのはかなり致命的
購入当初は支払った金額分だけ聴き込もうとするインセンティブが幾分存在するんですが、しばらくするとこれが底を突いちゃうんですよね。で、使用機会が格段に減るという流れに陥ります。

それがK701やUSBDAC(RASTEME製UDAC32R)だったという訳です。

・・・

今週は家に籠って翌々週の試験のために参考書と格闘していたのですが、このまま休日が終わってしまうのは週明けからの勤務を迎えるにあたって納得感、精神衛生の面からあまり良くないと思い、散歩がてら(残念ながら桜は散ってしまったので)代わりになるものを・・・と、レンタルCD屋でヴァイオリニストの諏訪内晶子千住真理子を数枚借りて自宅で久々に上記の機器で聴いてみることにしました。

ウジェーヌ・イザイ

「」

正直、大して期待していなかったんですけど、(大げさでもなんでもなく)言葉を失うくらいの衝撃でした。(ポエムは書きませんよ・・・)

“まさかK701がヴァイオリンをここまで・・・鳴らし切ることが出来るものなのかと。

この感覚、久々です!


Youtubeを貼ったところで1ミリも感動は伝わらない

ネット上の話題でクラシックに向いているという話は耳にしていましたが、ヘッドフォンというものがここまで極端に楽器単位で向き不向きが出るものだとは・・・。
というか、もうこれヴァイオリンと言い張って良いレベルでしょ。