2016年7月14日木曜日

自作電源ケーブル TUNAMI V2

ここ数週間、休日の空いた時間と天候の状態が上手くマッチングしてくれません。
このため、なかなか山行に出向けずちょっと時間を持て余し気味でありました。

なので半年前にヘッドフォンアンプ用の電源ケーブルをTUNAMI NIGO V2で自作しましたが、今回はDAC用にも電源ケーブルを自作してみることにしました。


今回はTUNAMIシリーズの3芯タイプのV2です。
前回のNIGOの様にシールドに仕込まれたドレインワイヤーを使用せず、3本のうちの1本をグランド線に割り当てることが可能。シースを剥く際に然程神経を使わずに済むので、楽に工作を進めることが出来るのがナイス。

プラグとインレットは前回と同様、IeGO社のTi2000-8055を使用しますが、手に入れるのに少し苦労しました。ネット上でも随分と探したのですが、出回ってる数がかなり減少しているみたい。


まずは3芯を3.5センチ程度表に出します。

カッターで切れ込みを入れた後は、ケーブルを手で左右に傾けつつ加工を進めます。

更に各芯を半分ほど剥いて捩じる様にカシメる。

銅線が非常に硬く、不用意に触って手に刺さる事数回。
プラグのケーブル差込口に・・・


接続&ネジ締め

ここの工程なんですが、ケーブル自体の芯が太く、簡単に差込口に入ってくれません。
銅線の一部が毛羽立ってしまう感じで非常に難儀しました。(ここの処理を適当に行うと通電時のショート及び火災で大事故になりますから神経を使います)
恐らく銅線をカシメた後、ハンダで固めたほうが工作としては楽に進めることが出来たかもしれません。
(ハンダを使用するとプラグ&インレットの無メッキ銅が意味を損ってしまう感じですが・・・)

通電チェックとショートしてないことを確認し、完成!

前回よりは手際よく作成出来た感じです。
そして今回の工作で機器ケーブルをオマケで付属してきたモノから一通りリファインすることが出来ました。

※因みにAMAZON等の通販で購入すると少々値段が張るようです。やはり実店舗にて掘り出し物を狙う方が良いかも。また、電子工作経験がない人は製品版を購入するべきかと思います(火事は怖いですからね・・・)

 
・・・

で、早速音出し・・・と行きたいところなのですが、せっかくなので機器とコンセントの電源極性をチェックし直すことにしました。(以前部屋のレイアウトを変更した際、機器の極性チェックを行えず仕舞いだった...)

ご存知でしょうか?
家庭用のコンセントにはホットコールドという極性がある、という事を。

極性合わせはオーディオを楽しむ上での重要なテクニックの一つ

(極性合わせの必要性を説く理屈は電子工学的にもちゃんとありますが、暇な時にでも解説しようと思いますので今回は割愛)

壁コンセントの施工状態、電源タップの作りによっては、必ずしも上記の様になっていないことが有ります。・・・という事で、検電ドライバーで判定する事にします。


600円也。コンセント口に差し込んで使うのです。テスターでも代用出来るんだけどね・・・

この検電ドライバーの中にはメガΩ相当の抵抗が仕込まれています。
これにより極微小電流に絞った上で、ホット側からの電圧をこいつが受け止めてくれるので、人間の体は電圧によるショックを(殆ど)受けることがありません。


It's a...Hot !! とかやってました

テスターで確認することも出来るっぽいですが、ネオン管の薄ぼんやりとしたオレンジ灯に魅かれるものがあります。これは自分の体を電気が通ってどこかに電流が逃げている証拠です。

これを見てると、人間の体って電気通すんだなぁって実感出来、更には、実は大なり小なり何かしらの回路の一部として生きている人間の体ってのを確認出来るのでちょっと楽しいんですよね。
オームの法則を人の体で証明しちゃう感じです。

★その他類似記事
自作電源ケーブル TUNAMI NIGO V2

2016年7月2日土曜日

秀麗富嶽十二景・本社ヶ丸・清八山~御坂・三ツ峠山 (難易度:★★★☆☆)

秀麗富嶽十二景とは、山頂からの景色において富士山の姿が良く映えると言われる山シリーズの呼称です。
昨年は扇山、百蔵山の2座に登っておりますが、その際は気象条件的に晴れてはいたものの肝心の富士山がほとんど見えずにちょっと残念でした。

“いつかは全部の山に登ってみよう”という野望を抱きつつ、今回はNo.12の1座である本社ヶ丸・清八山、そしてそこからアクセスが可能な三ツ峠山を縦走してきました。

果たして富士山は見えるのか?!そして一般的な山とはちょっと趣の異なる感満載の三つ峠山たるや如何に?!


今回も20キロ弱程度なので距離はそこそこあります

まずは、新宿から高尾を経由し、中央本線の笹子駅にアクセスします。

今回は新宿駅から京王線を使用したのですが、乗り換えに4,5分の猶予しかないことを頭に入れておらず、目の前で発車するのを見送らざるを得なかったこともあり、予定の1時間遅れで到着しました。


8:28 笹子駅


ニュースで度々報道されているように、最近の熊は少々荒ぶってるらしいので要注意

駅から歩き始め、まずはこの熊の看板を左折し、東名高速を左手に見つつ、船橋沢コースの登山道を目指します。

ハイカーもそこそこの人数がいましたが、歩き出し始めると自分と同じコースをとっている人はいませんでした。というのも、熊の看板を右折した先にある登山口から登り始めることで、本社ヶ丸までのチェックポイントとなる角研山へ少しばかりショートカット出来るコースがあるためのようです。事前に調べてみたところ、コースタイムの差は20分程度あるものの、コース的な面白さは船橋沢コースに軍配が上がるようでした。というのも・・・


沢沿いの登山道を歩けるのです!

沢の左右に伸びる道を何度かスイッチングしながら進んでゆくコースは、棒ノ嶺の白谷沢っぽい感じでなかなか楽しいです。

しかしこの沢沿いの道は30分程度で終了。その後は稜線道に向けた急坂が待ち構えています。


9:39 鉄塔下

一瞬トラバースか?と思いましたが、全然そんなことはなく、木々が大きく伐採された後にそびえ立つ鉄塔場でした。かなりの大きさに見上げざるを得ない。

(後で調べて分かったことですが、この下辺りの地下にリニア実験線が走っているらしい)


9:47 車道とのクロスポイント

車道から登山道の続きが無いように見えて一瞬焦りましたが、目の前の鉄梯子の先に伸びていました。ペンキで良いから「登山道」と示してくれると有り難いかな・・・。


10:15 稜線道とのクロスポイント

車道から高度を少し上げると、鶴ヶ鳥山と本社ヶ丸の間にある鞍部に出るので、そこから気持ちの良い稜線道を歩くこととなります。

しかし、今来た道を振り返ろうとすると・・・


藪で隠れていて道が見えない・・・

うーん。逆方向に縦走し、笹子駅に向かう人は少し戸惑いそうですね。まぁ標識板がしっかりしてるので藪をかき分けることで道は見い出せないことはない・・・か。


標識板がなく、少し焦ることとなる謎の分岐道

結論としましてはどちらのルートでもその先で合流しているようでしたので問題はなさそうです。


10:36 チェックポイントの角研山山頂

コースタイム的にも予定通りであり、順調にルートを辿れていることに満足しつつ、そのまま本社ヶ丸を目指します。


自分の好きなブナ林の道

登山口前後では刺さるような杉林が出迎えてくれましたが、高度を上げて行くとこのような山が自然な姿を現し始めます。素晴らしいと思います。


10:54 2つ目の鉄塔場

別に鉄塔マニアってわけではないんですが、山で見る人為的な構造物はやはり目を引き付けるものがあります。どうやら笹子から都留市まで伸びているラインらしいですが、よくもまぁケーブルを張ったものですね。


そこから少しばかり登っていくと・・・


11:40 本社ヶ丸山頂

おおっ!なんか絵になる標識板だなぁ、と思いましたが、さすがに3つは要らないか(笑)
山頂には自分以外の人も数人休憩していました。人気のない山なのかなぁ、と思っていたのでちょっとホッとします。

で、山頂からの富士山眺望ですが、残念ながら雲に(富士山だけ)覆われておりその姿を見ることが出来ませんでした。天気自体は晴れていたんですけどねぇ。

6月~7月の湿度の高い時期における晴れって、こういう感じなんですよね。空気の乾燥した冬に一度登ってみたいよな・・・と、思わず余計なことを考えて今います。


今回のゴール地点である三ツ峠山。近いような、遠いような・・・

少しばかり休憩を挟んだ後は、まずは清八山を目指します。


小さな木梯子を有り難く使わせていただく

こういう親切を見ると、ちょっと嬉しい気持ちになっちゃいます。
「考えていることが同じだ」という感覚です。

高々1メートル程度の岩なんで無くても何とかなるんです。ただ、足場がないと意外とやり難いんですよ。ええ。


道の先が岩場で切れている・・・?

今回もそうですが、見た感じがヤバそうでも、その場に行き、立つと意外と怖さは消えて何とかなるもんです。振り返ると急な岩場に見えたりしますが、実際は横にしっかりしたルートがあるのです。


危険なのだそうな。おぉぉ・・・この強烈な引力は何ですか?!

時として、こういうテキトーな標識板に出会ったりします。
「行くなよ?絶・対・行くなよ?!」と言われているので、僕は空気を読まずに行かないんですけどね。
どうなんですかね、コレ。


11:27 清八山山頂


三ツ峠山を見つつランチタイム。

ちなみに秀麗富嶽十二景からの富士山眺望は全敗中。
・・・なのですが、それでもそこそこの景色が見れたのは良かったかな。空が高かったです。

休憩後に三ツ峠山に向けて出発。

そして・・・事前に調べていた通りであれば、この先の三ツ峠山に向かうルートにトラップがあるらしい。大幡八丁峠のすぐ先にある階段。


清八山~三ツ峠山ルートのトラップ(階段を下りきらずに左折せよ)

ここなんですが、階段を降り切ると三ツ峠山に向かうルートから外れてしまうようです。
というかですね、このような重要なルート標識板を地面に直置きしてるってどうなんでしょう?
落ち葉や雪で隠されると危ないよなぁ…コレ。

そんなこんなで正規ルートを捉えつつその先を進んでいきます。


3度目の鉄塔場の下を潜りつつ稜線沿いに進む


13:01 チェックポイントの大幡山山頂


稜線を進んでいくと、何か・・・かつてないものが見えてきます・・・


14:04 御巣鷹山山頂

なんと、電波中継所・・・の様です!
御巣鷹山山頂はこの建物にほぼ完全に占領されており、山頂標識どころかベンチ一つも無く、三つ峠山の1つでありながら、ちょっと寂しい感じかも。


三つ峠山のメインとなる開運山までの道はとてもよく整備されています


山頂目前のこのNTTの文字がアチョー!な感じです。ここは本当に山の上なのか(笑)


10分ほど歩くと電波反射板が・・・。何なんだこの山は(笑)


ちょっとわかりにくいですが、このNHKの右脇にある階段の先に・・・


14:26 三つ峠山山頂

峠なのに山とはコレ如何に!?
自分の中では三つ峠山は謎が謎を呼ぶ山と相成りました。


富士山は相変わらずそのお姿を隠し続けておりました(自分の中ではもはや通常運転)


山頂から少し降りたところにある四季楽園という茶屋

ここから結構衝撃的なものが見れました。


一瞬目を疑いましたが、本物のロッククライミング。初めて見ました・・・。

下山時により間近で見ることが出来たのですが、どうやらここは屏風岩というロッククライミングの世界ではそこそこメジャーなゲレンデらしいです。


手足のかけ方等、監督らしき方から結構厳しい言葉が飛び交ってました

腰から沢山のカナビラと繋がったザイル、特徴的なその登攀は一見の価値アリです。

なんか本当に色んな意味で面白い山です。三つ峠山。


15:26 トラバースっていうか、雨のたびに土砂が崩れてるようですね、コレ。


15:31 八十八大師の地蔵群(日が暮れてから本気出す的な)

更に頑張って下ってゆくと・・・


16:37 降り切った・・・!

と思ったら


おかわりの様です!最後の最後まで抜かりが無く胸が熱くなりますw


16:40 達磨岩

梵字でアーク(大日如来)。
無事下山できたことに感謝し手を合わせます。有難うございます、と。


後は駅まで1時間ちょっと歩きます


今回は本当に面白い山行でした

登山口から三ツ峠駅まではそこそこ距離が有り、昨年の武甲山から浦山口駅までの歩きを思い出しました。アレもしんどかったけど良かったなぁ。


17:40 三つ峠駅


これまた随分と昭和レトロ感漂う懐かしい車両が来ましたよ?

富士急行は京王線やJRの古い車両を使いまわしているローカル線のイメージが強かったので驚いてしまいましたが、普通の快速でした。有り難いことに富士急行線からJRに直通している中央本線快速で乗り換えなしに新宿へ帰ることが出来ました。

・・・

ということでかなり楽しい山行でした。

水は3リットルちょっと消費しましたので、夏場にこのルートで縦走する場合は多めに持って行ったほうが良いかも。

電波施設、ロッククライミング鑑賞、富士山を眺めつつ登山をしたい方にとっては三つ峠はグッドな山であると言わざるを得ません。縦走をせずともピストンでも十分に楽しめそうだと思いました。