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2019年10月6日日曜日

総合音楽再生ソフトROONと音楽の海TIDAL

先日のことですが、オーディオ観賞用で暫く使っていたJRMCから、とうとうROONTIDALに鞍替えすることとしました。


理由としては”音楽鑑賞を続けるにあたって既存のコンテンツの消費の仕方は最早限界だった“というのが正直なところ。要するに自分にとってデータソースをCD(便宜上リッピングデータ)とした鑑賞スタイルは完全終了、という事です。

具体的には今までの聴き方として定着していた以下1~4が、現在主力のサブスクリプションストリーミングに圧倒的に劣るという状況を覆い隠せなくなったんですよね。
  1. 図書館CDレンタル:聴きたいものを借りて返す手間が大きい上に盤面品質が駄目。
  2. ショップでのCDレンタル:主力だったTSUTAYAがレンタルCD事業を縮小。
  3. 中古CDの購入:コストが膨らむので冒険的な聴き方が難しい。
  4. 新CDの購入:3よりもハードル高め。SACD等で余程気になるもののみに限定。
特に2については(ここ最近ですが、)2018年の11月に神保町のジャニスがCDレンタルを終了してしまったこと、及びクラシックやジャズに強かったTSUTAYA代官山店でのCDレンタルがほぼ終了してしまった点によるインパクトとして大きく、止めを刺された感じでした。。。

ジャニス1号店が2018年11月に閉店

CDレンタル業が2019年の5月でほぼ終了

ですが気に入った曲を掘ってゆくとやっぱり聴きたくなる作品なんてものは無尽蔵に出てきてしまうわけですよ。都度中古CDを調達するのですが、その度に1枚あたり2000円前後が飛んで行ってしまう。。。クラシックを聴き始めるとボックスセットの10000円前後の作品などはザラで、1年に1~2度であれば目をつぶれますが、残念ながら(?)そうは行かないんです。

そもそも極力出て行くお金をセーブする為の聴き方として今のスタイルを維持していたのに、正にその「今」を考える場合、それは本当に適切か?を考えると、もう「NO」という答えしか出てこないんですね。

すると自然に選択肢として出てくるのはサブスクリプション型のストリーミングサービスの導入、なのですが、今現在日本ではCD音質(16bit 44100Hz以上)を担保して自分の環境(DMR,DMC等)に適用可能なサービス自体が存在しません。周知のとおり展開されているのは非可逆圧縮のMP3やAACのストリーミングサービスのみ。

自分としてはオーディオ機器を時間と金を使って揃えているわけでして、そこで聴くデータが非可逆圧縮のMP3やAACなんてことはあって良い筈が無い訳です。状況を鑑みるに、コンテンツを売る既得利権者が新たな技術どころかスタイルを世に提示する力も無いのに20年以上も旧態依然の事業の形を頑なに変えようとしない姿勢の問題、怠慢として受け取れてしまうんですよね。本音としてはオーディオマニアなんて眼中にはなく、マスニーズにしか目が向いてないので“スマートフォン向けにコンテンツ提供出来ていれば良い”位にしか考えていないのでしょう。ですがもう少しハードウェア屋と仲良くしても良いんじゃないの?と個人的には思ってしまう。


実はこの様な事を数年前から考え続けていたこともあり、ネットワークオーディオの新しい潮流として登場していたROONとTIDALを使用したスタイルには非常に注目していました。

ROONの素晴らしいところはやはりサービス側が有している莫大なメタデータ。
自分が何かの曲を聴こうとして、その都度発生していたオーバーヘッド(CDのリッピング&タグ付けのライブラリ管理)を一括で提供し、それらの情報を渡り歩けるようにしてくれる点に集約されるでしょう。
例えば、アルバム作成に関わったメンバーの他の作品などへの横串を刺したデータ・サーフィンがシステムとして提供される点です。これまでのようにアーティストの名前をGOOGLEやAMAZONにコピペしてアルバムを探す、みたいなダサさがありません。大昔のスタイルとは一線を画すIT環境を正しく味方に付けたネットワークオーディオの真骨頂、という訳ですね。


このROONの思想に対し、CD音質(16bit 44100Hz以上)を最低限保証した上で数千万曲を提供してくれるTIDALは相性が非常に良く、新しい曲を求めてネットで探したり、ショップに出向いたり、リッピング、ライブラリ管理などの無駄な時間を完全にカットすることが可能になります。音楽視聴の効率化という観点では(現時点では)これ以上のものは無いと思います。


・・・
最終的な構成としては、先日調達していたデータをレンダリングしてくれるエンジンであるJPlayも(シングル構成ではありますが、)ROONにて普通に使用することが出来ていることから、以下の環境に落ち着きました。

ROON Core[Windows10]~(VC-231G)-(VC-231G)~ROON Bridge[Windows10&JPlay]~DDC(RUDD14)~AVC-A1HD~OPTICON8
※本当はROON BridgeにはMACminiを充てたかったのですが、JPlayがWindows専用であったことから断念…。

・・・
現段階ではこれ以上オーディオ環境を弄る気が無いので、数年は戦えそう、と思う…のですが、どうなんでしょう?もしこの辺に詳しい方がいらっしゃった場合、私に対してこう言われるわれるかもしれません。「どうせ1年経たない内にまた色々と買い足し始めるんじゃないの。MQAをフルデコードしたいでしょ?」と。

放っておいてください(笑)

昔、44.1kHzを176.4kHzにアップサンプリングして頑張っていた時代を遠い目で思い出します…。

2019年6月23日日曜日

遊べるハイエンドオーディオプレーヤー「JPlay Femto」


これまでメインの音出し環境では昔ながらのMACminiにAudirvanaというプレーヤーをインストールし、そこからタブレットでコントロールするというオーソドックスな構成で楽しんできました。筐体のデザインがAppleらしく秀逸で居間に置いても違和感が無くとても気に入ってたんですよね。

しかしながらAudirvanaを操作するために使用する「A+ Remote」というコントロールアプリがどうにも自分には合わなかったんです。


まぁ、ジャケット表示されたアルバムをタップし、中の曲を指定して再生…普通に使う分には至って問題はなかったのですが、アプリケーションを立ち上げた際に何も表示されず、自分が操作(検索条件の指定等)しない限りは画面上にジャケットが表示されないという点に対して至極面倒くさい印象を持ってしまったのですね。
操作上ではほんのひと手間であっても、それが毎回…となると少し考え込んでしまう。何故ならば自分が目指す環境とは逆方向のファクターだから。
(iTunesとのクロス再生(integratedモード再生)でAppleRemoteを…と少しだけ考えた時期もありましたが、不具合が放置されている状況には希望を抱けず)

とは言え十分に音が良いと感じて導入したこの環境、という背景もあり、それを暫く我慢して使い続けて早数年、ふと横を見て見ると全く別の思想で作られたプレーヤー(音に興じる兄貴達をほぼ例外なくご満悦そうな笑顔にさせるという魔法のようなソフトウェア)が着々とシェアを伸ばしてきておりました。


JPlay Femto:ポーランドのMarcin Ostapowicz氏が作成したWindowsアプリケーション

これ、高いんですよ。ほんと(泣)
プレーヤーの画面なんてこんなDOS窓みたいな奴ですし。一体何が良いのか最初は全く分からなかったんですけど。


それでもここまで大騒ぎされるくらいのソフトウェアです。理由はいたってシンプル。

「音が良い」

これだけです。

でも考えても見てください。簡単に納得できそうで、これ程納得できないこともそうそう無いなと。5秒考えれば判る筈です。こんな結論に収束するわけがない、と。
そもそも音なんて聴く人によって良し悪しなんてものは千差万別。人が良いと感じたものが別の人を感動させる保障なんて何処にも無いのです。更に言うと、個人がある時点で「良い」と感じた音を、別のタイミングで聴いた際に同様に「良い」と感じる保証すら無い訳です。

Ctrl+Cでクリップボードに音楽ファイルをコピーした状態でスペースキーを押して再生を始めた際の図

であるにも関わらずここまで騒がれるのだからきっと物凄いソフトウェアに違いないと。興味を持っちゃうんですね。ええ。そしてTrial版(フル機能で20日程度使用可能)に手を出してみたのですが。

・・・
結論から申し上げますとこれ、ガチで凄いソフトウェアでした。

良いです。本当に良いです。

曲の有するデジタルデータをDACに流し込んでいるだけなんだから、OSの制約等を払拭出来るようになれば後は出てくる音なんてどれも同じでしょ。”
...そう思っていた遥か昔を目を細めて見つめる。この様な状態になったのは恐らく自分だけではないんだろうな、と容易に想像できる音。プレイ中は終始無言になり、その後に「これは凄い…」と滴り落ちるようなコメントを引き出す音。

なお、自分のメイン環境は以下の通り2系統。
  • [Dynabook AZ87(Windows10)]-[DDC(RUDD14)]-[AVC-A1HD]-[OPTICON8]
  • [自作(Windows10)]-[DDC(RUDD14)]-[DAC1000]-[AT-HA5000]-[ATH-W5000]
いずれも直ぐに理解できるのは音像の鮮やかさ、及び低域の量感が物凄く上がった、という点です。具体的にはOPTICON8は単体で十二分に低域をカバーできる能力を持っているため、アンプ側でクロスオーバー周波数を低めに設定しウーファーをほぼ常時休眠状態にさせていた…のですが、曲によってはAudirvanaでは反応しなかったリレースイッチが入るようになってしまった点が挙げられるかと。いささか近所迷惑ではあるんですけどね...。

一方、W5000の方はそもそもの性格として低域を絞ったチューニングがなされていたのですが、JPlayによって大分運動量が増えてくれています。良い素材で組まれていて真面目系優等生(解像度の高さに妙にフォーカス)、運動が苦手ではあるものの、キャラクター性に万人向けの判り易さがなく、人から敬遠されるADHDの様な雰囲気を纏い、最後は理解されず捨てられるW5000(散々な言い様だ…)に痛く親近感を感じて愛用していたのだが(笑)、まぁ羽化する時期はあっても良いよね、みたいな感想を持ちました。

1曲目(オープニング曲)の地の底から響く龍声の様な低域は一聴の価値アリです。まさに”時代が動き出す”ような低域。

因みに過去に使ったことのあるプレーヤーと"音への満足度"で比較をするとこんな感じ。

JPlay Femto > Bughead > Audirvana > PlayPCM Win > JRMC > foobar > その他色々
  • 思想
人がソフトウェアを作るとき、そこには必ず目的が存在します。
目的があって、それを達成する手段としてソフトウェアを使う。音楽を聴きたいから音楽プレーヤーを使う。当たり前のことです。

でも、それがある一定の時間が経過した際はどうでしょう。
オーディオは趣味嗜好の極致。音を嗜む人間は一端のゴールにたどり着いた後も、欲求の揺らぎによって以下の様な衝動が大なり小なり生まれてくる訳です。

「ここをもっとこうしたらより良くなるのではないか。」

即ちユーザーによる「時間軸方向での”遊び”」への対応を思想の根底に持っているような気がする、そんな事を感じさせるソフトウェアなんですよ、これ。”目的や欲求の向き先がどんどん変化して行く人間を無視せずちゃんと理解して作っている”と言っても良いかも。遊びの範囲がソフトウェア単発で閉じてないんです。

例えば使い方一つとっても多くの活用方法があるのです。

  1. プレーヤー(白いDOS窓)を使ってシンプルに再生
     →シンプルさを音の良さに結び付ける人もいて、実は…
  2. 2台のPCにインストールし、役割(DMS、DMR)を分けて使用
     →DUAL再生モードです。機器を分けることで再生中の余計なプロセスや割り込みをカット出来る…という構成。ITのWEBシステムを構成する際も負荷分散の観点から(WEBサーバ,APサーバ,DBサーバ)等に分けますが、ちょっと似てるかもしれません。
  3. 他のプレーヤーのエンジンとして使用
     →使い勝手の良い別のプレーヤーの心臓部にJPlayを据える使い方。自分はコレ。JRMCに組み込んで使っています。
  4. DLNA機能を使用したプッシュ再生
     →巷にあふれるコントロールアプリから。タブレットやスマートフォンをDMCとして。
  5. 上記を組み合わせて使用
     →可能性の塊
  6. JPlay Femto Server機能を…云々
     →JPlay Femto Serverは内蔵されている機能の一つ。専用のサーバアプリケーションなので他社製品よりも有利なのだとか。

環境によっては、本当に多くのパラメータが存在します。
ソフトウェアのみならずハードウェアまでをスコープに加え、一つ一つの要素を手に取り、自身のそのタイミング、到達しているフェーズ毎に音や環境を他者のレビューや意見を交じ合わせつつ喧々諤々作り上げてゆく訳ですから、酔狂なオーディオマニアが熱を上げない訳がありません。


  • データ通信の頻度は接続機器性能と整合性が取れてるか?
  • ハードウェアはどのような構成?CPUは?メモリは?
  • 常駐しているソフトウェアは?プロセスの状態は?
  • 組み合わせるアプリケーションの設定は?
  • 使っているUSBポートは?
  • 外部に繋いでいる機器は何?
  • 電源は?
このアプリケーションを起点として遊びたくなるポイントが沢山有るんですよね。

現在は製品版で色々と試しているところなのですが、ミドルクラス以上の機器をインストールされている方にはとても遊べる仕様となっていると思います。(価格的に二の足を踏まれている方もいるかもしれませんが、)是非ともお勧めしたいです。

・・・
本当はこの他にもJPlay Femtoをきっかけとしてパソコン端末を大きく構成変更したことや、ライセンス問題に冷や汗をかいたこと、Dual構成にするかSingle構成にするかに随分長い間頭を抱えたこと、他にも書き切れない多くのエピソードがあったのですが、長くなるので一端ここまで。

機会があればまたちょっとずつ書きます。

2018年11月5日月曜日

インターコネクトケーブル制作メモ

オーディオで遊ぶ際、本命の機器の更新を行っている時期は自身の環境に対してそれなりに「手を入れている感」があるのですが、聴くこと以外にやることがなくなる時期というのが必ずやって来ます。
そこに待ち受けているのがケーブルの刷新という逃げ道(沼?)だったりするのですが、これもまた常に費用対効果に不確かさが付きまとうイマイチな分野だったりするんですよね。
ですが、逆に効果ばかりに目を奪われず、"愛着を高めるための遊びである"と大らかに構えることで少し楽しくなったりもする訳です。(実際に音が良くなったら”大儲け!”みたいな...)

今回はZONOTONEの6NSP-Granster 2200αを家電量販店にて千円ちょっとで手に入れることが出来たため久しぶりに短尺のインターコネクトケーブルを自作してみることにしました。
使ったプラグはいつも通りコレットチャック式(=差し込んだ後にハウジング自体のネジでロックできる構造のもの)。加えて従来使っていたコテも十年以上使用しているものだったので併せて新調。


使用したケーブルはそもそもスピーカー用のケーブルだったのですが、芯に2線、周囲にシールドが施されており、銅の純度も6Nと素材としては十分に上物。デジタル用の同軸ケーブルの様にインピーダンスマッチング等を気にする必要もないので柔軟な転用が可能です。
配線は芯の2線を各々信号線とグランド線とし、シールドはグランドに落とさず浮かせる方針で進めました。
工作自体は金メッキ上にハンダが上手く乗ってくれなかった事や、芯線ケーブルの剛性がかなり高かったため意外に難儀させられることに…。同様のケーブルで遊ばれる方は道具の準備としてケーブルストリッパーは勿論のこと、金属切断用のパワーを有するニッパーは必須と考えておいた方が良いかと。

作成の完了したブツ

ZONOTONEは類似の素材で作られているであろう完成品ケーブルを1万円~2万円の価格帯で販売していることを考慮すると大分お安く仕上がった感じです。ビジュアル的にもZONOTONE特有の青の透明皮膜がイカしておりますよ。うむ。

で、実際にHAとDACの間に接続して聴いてみました。やはりレコーディング条件の良いヴァイオリンとかを聴いちゃうんですが、残響音がものすごく綺麗に聴こえてくるから面白い。
実際はどうなのかは知りませんよ?でもコレで良いのだ。

2018年2月3日土曜日

XDP-300Rの購入及びこれまでのDAPに物思う

Apple製品を皮切りにスマートフォンが続々とリリースされた10年前、iPhoneやiPadを手にした際に「もう専用のデジタルオーディオプレーヤーを持ち歩くことはなくなるかもしれないなぁ」と感じたのを記憶しています。

iPhoneを使い始める直前のガラケーの一部においても、音楽ファイルを専用のフォーマット(MP3ですらない)にエンコードすることでオーディオプレーヤーのように使うことが可能な機種も存在していたようですが、もう見るからに「電話機の付加機能としてつけてやってんだ。ただのオマケなんだから文句は言いなさんな。」というメーカー側の態度が丸分かりの運用に耐えない代物でした。

こうやって電話機とその他の機器が住み分けされている時代であれば、2つの機器を別に持ち歩くことも「仕方がない」と割り切ることが出来たのですが、、、やはりスマートフォンのオールマイティーな多機能且つ高い運用性の前には前時代的なガジェットは一掃される運命にあったようです。そういう時代だったのですし仕方ない面もありましたよね。

但し。
多機能であるってことはその一つ一つ全てが一等賞になんてなり得ないという現実もあったかのように思えます。特に音が駄目。全然アカンかった。

なのでスマートフォンの外付けガジェットを色々買い漁り始めることに成るのですが、もうこうなると全然スマートじゃないんですよね。冷静に考えると。

まずはこの辺から拗らせ始めましたよ。。。

オーディオテクニカ製のAT-PHA31i
…小型のヘッドフォンアンプ。使い勝手自体は悪くなかったし、耐久性もそこそこ高かったのですが、スマートフォンをケースに入れたまま接続できないというトラップがありました。。。

お次は・・・
SONY製のPHA-1
…こいつはDAC兼アンプでスマートフォン筐体をゴムバンドで巻きつけることで時限爆弾のような形相で運用するのですが、ポケットに入れるとおパンツがズレてしまうくらい重かった。。。そしてその無駄な物量から人目のあるところで取り出すのがとても恥ずかしい 兼 充電必須という面倒くささが満載。「スマート」の真逆を行く滑稽さが涙を誘います。お前は何がしたいのか、と。

・・・今になって振り返るとスマートフォンで何もかも"最高"の体験をするべく意地になっていただけのように思います。

さらにその次は・・・
Apple純正のLightning - 30ピンアダプタと、中華アンプiBasso A02
…使った外付けガジェットの中では運用製と程々の音質が両立できた良いコンビだったのですが、アダプタがポケットの中で外れてしまう運用トラブルが多発。

そもそも外付けガジェット云々以前に、iPhoneの下部にあるコネクタ端子から音を出力する場合、電波の切り替わりポイントで耳障りなノイズが出てしまうのもスマートフォンオーディオの萎えるポイント。現在はASUSのZENFONE3Deluxを使っていますが、似たようなものです。

・・・

ふと考えるわけですね。

スマートフォンで音楽を聴くのはやめようか、と。

iPhoneを使い始める前は何のDAPを使ってたっけ・・・、と思い物置をゴソゴソ漁っていると出てきましたよ・・・。

KENWOOD製 HD30GA9
…これ、パソコンがないと運用自体が出来ないんですが、ファイルを転送するのにエクスプローラー上からドラッグ&ドロップが許されないクソ仕様。2000年の日本製品ってなんでこんな使い勝手の悪いものばっかりだったんだろう・・・。ポケットの中で操作する分には使い勝手は良かったものの、ボタンを押すと”ペコペコ”とノスタルジーな音がします。デザインもどことなく当時のiPodを意識しているようで見ているととても切なくなります。勿論タッチ機能なんてものは実装されていません。

2005年製ですのでもう13年も前のブツですね…。音はそこそこ良かったのですが、付属の駄目仕様感満載の転送ソフト(KENWOOD Media Application)を使って暗号化&専用フォーマットへの書き換えをしつつ転送するという…これまたガラパゴスの申し子のような一品でした。

これ、今もまだ使えないかなー・・・と思ったらWindows10(anniversary update以降)ではこの転送ソフトがどうやっても動かないことが判明したため使うことを諦めることに。。。

そして新たなDAPを購入するにあたり、長く使うためのポイントとして取り敢えず以下の3つを必須としました。

  • FLAC,ALAC,WAVが認識出来て標準機能(エクスプローラー)によるドラッグ&ドロップでの運用が可能
  • メモリーカードが使える
  • ネットに繋げられる

一つ目はメーカー製のいい加減な仕様&サポートの転送ソフトを必須とするものである場合、OS等の変更により機器自体が使用できなくなるので必須。(言ってて悲しくなる…)
二つ目は機器の容量に天井を設けないようにするため絶対に必須。
三つ目は今後の音楽サービスがどのように変化してもなんとか食らいつける環境であって欲しいので必須。

その結果、以下を購入することと相成りました。


ほぼ同構成の兄弟機にあたるOnkyo製のONKYO DP-X1Aというのがあり、視聴するとこちらのほうが若干音的には上と感じたのですが、価格が5割増しであったこと、及び筐体&UIのデザインが(自分的には)イマイチであったことから購入対象から外しました。
(デザインという要素は長く使って行く上では結構重要な要素だったりする)

そして実際にXDP-300Rを使い始めてみました。すると酷くシャリシャリする音が出てきたのでビックリしてしまい「なにこれ?」という悪印象を初っ端に感じてしまったのですが、何故か最初からデジタルフィルター機能なるものでドンシャリサウンドが出力されるよう設定されていたんですよね。冗談キツいです…ホントにもう。

気を取り直し設定を一通り終えて改めて音を出してみたのですが、最終的には外出先で聴く分にはかなりレベルの高い音を出してくれるので納得感を得ることが出来ました。

なお、本機ではヘッドフォンをバランス接続することが出来るようです。どの程度のレベルアップが図れるのかは未知数ですが、機会が有れば遊んでみようと思います。

2017年12月10日日曜日

DALI OPTICON VOKAL

我が家に新しい機材(DALI OPTICON VOKAL)をインストールしたので記録を残しておきます。


メインシステムのフロントスピーカーにOPTICON8をインストールしたのはもう1年以上前になりますが、正直ここまで素晴らしい音を聴けるものなのか…、と良い買い物が出来たことの喜びを噛み締めておりました。しかしながら人間たるもの業の深いものでして、一つ手に入れるとまた一つ別のものが欲しくなる。時は冬のボーナスが振り込まれたタイミング。こうなると(よくあるパターンですが)別のものに手を出したくなっちゃうわけですよ。

これまで(基本的には映像用ということもあり)殆ど投資をしてこなかったセンタースピーカーをオーディオ用としてランクアップさせるとどんな音が聴けるんだろう?興味がある…みたいなことをボンヤリ考えていたある日の疲れ果てた帰り道、通勤電車の中で(ついうっかり手を滑らせてしまい)ポチってしまったというわけです。

実際に物が自宅に到着したので(ギックリ腰の痛みを我慢しながら…)開梱してみたのですが、もうサイズ、雰囲気からして従来の機器とはクラスが違う。


早速配線接続後に音を鳴らしてみましたが、まずは音の厚みが段違いに上がった点が強いインパクトとして刻まれることと相成りました。良い感じです!

ですが当然ながら素性は今段階では分かる筈もないので、音の変化は今後の楽しみということで。

これから長い付き合いになろうが、どうか良い声で歌っておくれ…。

2017年10月29日日曜日

オーディオノイズと試行錯誤

知らなきゃ幸せ。知ろうとしなければ何の問題もない。
しかし知ってしまうと求めずにはいられない。オーディオって常にそんな感じです。

今回は自分のヘッドフォン環境におけるノイズ対策のために色々やった際の記録です。


これまで色々とオーディオ機器を買い集めて満足できる音を作ってきたつもりだったんですが、ここ最近、使用頻度が少し下がっていたんですよね。
耳が蒸れやすい夏ならまだしも季節は秋。ある意味これからまさにシーズン真っ只中だというのにどういうことだろう。

単純に音を聴くだけなら何の問題もないんです。
そう思うんですが、数十分聴き続けると「なんか、もういいや…」とヘッドフォンを外してしまいたくなる音。曲がドラマチックに展開するところで本来であれば「感動」「満足感」を得られるはずなのに「煩さ」「うっとおしさ」が湧き上がる音。そんな感じ。

良い状況の音を3次元と表現するなら、音像・輪郭がボヤケて2次元的な表現しか出来ない…といったほうがより伝わる表現だったりしますでしょうか。

とにかく何かが違う。確実に言えるのは使用しているHA5000、W5000とDAC1000の本来の音ではないということ。


そんな違和感を感じながらも音を聴いていたんですが、パソコン画面上のウインドウスクロール操作を行った際、動作に合わせるようにノイズが出ちゃっていることに気づきました。

自分なりにコストを掛けたつもりのシステムなので「ノイズ」なんて初歩的なものに足を取られるなんて思っていなかった、というのが正直な所。しかし大した音量も出していないのにノイズが乗る、というのは環境が根本的にダメな箇所があることの証左です。

切り分けを進めると音を濁らせていた原因として判明したのは以下の点でした。
  • パソコン本体のマザーボードから発する電磁波ノイズをDACとアンプの間に使用していたインターコネクトケーブル(アンバランスケーブル)が拾っていた。
この問題は、インターコネクトケーブルの短尺化とパソコン本体からの距離を離すことで大幅に解消。パソコン画面上のウインドウをスクロールしてもヘッドフォン上にノイズが乗らなくなりました。

自作した短尺インターコネクトケーブル(mogami3368)

これでまた満足行く音が聴けるだろう、と思ったんですがやはりまだ何かがおかしい。
満足を感じる音が出ていない。耳と脳は正直です。駄目な音は駄目。

特に使用しているHA5000、W5000は両者共に上流環境に大きく左右されるタイプの機器。ならば上流の機器の状態、または機器間のネットワーク部分を疑うべきだろう。
その後、改めて原因を一つ一つ切り分けて行き、音を出さない状態でアンプのボリュームを最大にした際、大分酷い電磁波ノイズが載っていることが判明しました。
HA5000は機器の優れた特性としてボリュームを最大にしてもホワイトノイズを始めとした雑音が一切出ないことが判っていましたので、またどこかでノイズを受信している、と言うことになります。やれやれ、と言った感じですね…。


インターコネクト部分は1つ目の問題で解決済みですので、別のケーブル…。
まさか電源ケーブルか…。

でも電源ってタップから機器に通電した際、本体内部で直流化される際に大部分のノイズはカットされる筈(…と思っていた)。・・・色々試行錯誤をした結果として、2つ目の原因は以下の通りでした。
  • 他の機器で使用していたACアダプタから発するノイズを、アンプとDACの電源プラグが拾っていた。(媒介したのが電磁波なのか、グランド線なのか、までは判らず)
今回の主犯であるアイコー電子のSTD-12020U、SW-1212S

他の機器のACアダプタ(RASTEME社のRUDD14、UDAC32R)と、HA5000及びDAC1000の電源プラグを隣接する形でタップに射していたのですが、これが良くなかったということです。

RASTEME社の機器は複数所有していてどれもかなり良い製品なんですが、ACアダプタにスイッチング電源を採用している点だけはテキトーですね。。。こいつの前ではケーブルやタップにどれ程良いものを使っていようが全てが台無しです。

・・・
早速ACアダプタの設置位置を見直すと、ヘッドフォンから奏でられる音がビックリするくらい改善されるじゃないですか。「うわ、何だこれ?(笑)」の世界。

薄っぺらかった音に血が通い始め、ピアノやギター、ヴァイオリンの胴鳴りが耳の奥を、それはそれは気持ち良く叩いてくれる様になったのでした。


話が判ってしまうと自分よりもっと詳しいオーディオ兄貴からは「なんでそんな適当なことやってたの?」と突っ込まれそうではあります。この手の話はノイズ対策としてはあまりに当たり前の話なので…。

ですが、どれ程当たり前の話であっても電源のとり方やケーブルの設置位置で音を良くしようと"手を動かすモチベーション"が湧いてこないんですよね。自分で気付く経験がないと。

しかし今回の一件で学びました。
電源は音に影響があること。そして音声関連のケーブルもシールド云々以前に内外の環境に拠ってはノイズで簡単に音が濁ってしまうこと。アナログ信号をやり取りしているケーブルなら尚更。パソコンは本当にオーディオ的にかなり厳しい環境であること。等々。

すると電源関連のオプションがまた欲しくなってくるんですよね。
電源ジェネレータとかダウントランス…。アレ、欲しいよなぁ。

駄目ですねホント(笑)

マイ電柱(特注のトランス)が欲しくなるのももうすぐです。

2017年9月6日水曜日

寝室オーディオ環境の構築について

自分にとってのオーディオの楽しみというのは、機器等に傾倒した音質向上による(一過性の)営みよりも寧ろ、いつ、どこで、どのように、何を聴くかによって得られる「タイミング」による満足度の方がより大きな影響を受けるものだったりします。

特に寝室において眠りにつくまでの十数分程度の時間は一日の中でも一番気持ちの落ち着く時間帯。なので実は音楽を楽しむには恰好のタイミングだったりするわけですね。

布団の中に持ち込んでいるスマートフォンやタブレット(いわゆる寝モバ)で聴くのもよいのですが、やはり贔屓目に見ても音が良くなかったりします。
(音量を相当絞りますので、これで十分という考え方も勿論アリだと思います)

今年は幸い改めて夏休みを取ることが出来、一定の時間を確保することが出来たため…
「寝室に放置されていた使われていないオーディオ機器でシステムを構築してみようではないか。あまりお金をかけずに!」
…と思い立ったわけです。

当初はAppleTV中心で組もうと思っていましたが…

寝室にて音を出すにあたり、寝落ちすること及び自動ON,自動OFFの実現を前提とし、無駄な電気代をかけないのシステムを組み上げるのが目標です。具体的には下記に示す連動プロセスの実現を目指すことになります。

■開始プロセス (操作者は曲を再生するだけ)
 手動操作(タブレットにてアプリケーションを操作)
 →連動して自動起動(音楽プレーヤー(DAP))
  →連動して自動起動(DAC、アンプ)

■終了プロセス (基本的に操作者はなにもしなくて良い)
 プレイリストの終了、または手動操作による停止
 →連動して自動シャットダウン(音楽プレーヤー(DAP))
  →連動して自動シャットダウン(DAC、アンプ)

家電に詳しい方が読まれていたらHDMI CEC」っぽいことをシステムで組みたいんだね、と気づいてくれるかもしれません。要するにここ数年で発売されているAV機器には広く浸透している機器連動機能(メーカー毎に"~リンク"等の名前で呼ばれているもの)なのですが、およそ二十年前の古いAVアンプにそんな便利機能は当然実装されている筈もなく。

ちなみに手元にある機器は以下になります。
  • タブレット(ASUS NEXUS7)
  • AppleTV(第2世代)
  • 電源連動TAP(サンワサプライ TAP-RE37MN)
  • USB連動TAP(サンワサプライ TAP-RE8UN)
  • AVアンプ(YAMAHA DSP-AX2400)
  • スピーカー(DENON SC-T555SA)
  • テレビ(東芝 REGZA)
…どれもかなりの古参ばかりですが、頑張ればなんとかなりそうな気がしませんか?!


というわけで試行錯誤してみました。

連動実験1
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →AppleTVをスリープから自動起動
 →電源連動TAPにてAppleTVの使用電流量上昇を検知
 →AVアンプが自動起動
 →音が出る

 ★結果:失敗
  …原因はAppleTVの消費電力量があまりにも小さすぎて、電源連動TAPにて検知できませんでした。というか音楽再生や動画再生で2W~3Wってありえないでしょ!(汗)
もはやAppleTVがスリープモードを搭載している意味が判らない・・・。

次に、AppleTVの本体に存在していた謎のUSBポートにて連動を試みました。

連動実験2
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →AppleTVをスリープから自動起動
 →USB連動TAPにてAppleTVのUSBポートにおける使用電流量上昇を検知
 →AVアンプが自動起動
 →音が出る

 ★結果:失敗
  …原因はAppleTVのUSBポートはホストではなくクライアント側であったため、USB連動TAPに検知させるための電流を流してくれませんでした…。昔、AppleTVをハックしてUSBポートに外付けディスクやキーボード等を接続していたギークがいたと記憶していたんですけどね。アレは何だったんだろう…。

これらの失敗から、要するに(手動でも自動でも良いから)連動TAPに検知させることが出来るだけの電力を使う機器が立ち上がらないと駄目という点に立ち返る必要がありましたので、今度は手元にあったREGZAの消費電力差を活用し、連動TAPを制御することにしました。

連動実験3
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →AppleTVをスリープから自動起動
 REGZAを手動で起動
 →電源連動TAPにてREGZAの使用電流量上昇を検知
 →AVアンプが自動起動
 →音が出る

 ★結果:微妙
  …まぁ、目指していたシステムの30%程度が実現できた感じでしょうか。
   ですが、微妙な点が満載です。
   ・テレビを手動でONにするという面倒臭さ
   ・再生が終了してから30分もAVアンプが起動しっぱなし
    (AppleTVのスリープ(曲終了の15分後)をトリガーとした、REGZA側での連動スリープ(無信号状態の15分後)で合計30分)
   ・テレビ画面のバックライトが明るすぎて非常に煩わしい(寝室オーディオとしてはどうなのよ…と)

もうこれならAVアンプを手動で起動してからスリープタイマーでもかけておいたほうが、余程実用的ではないか?という本末転倒感がありましたので、こいつもボツです。

…もう少し発展させるとどうなるだろう。また色々考えます。
要するにテレビを手動でONにするのではなく、HDMIから映像信号を流したときに自動起動してくれる機器があれば良いわけだ。そのような機器と言えば・・・。
おお、PCモニターがあるではないか!

連動実験4
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →AppleTVをスリープから自動起動
 →PCモニターが反応して点灯
 →電源連動TAPにてPCモニターの使用電流量上昇を検知
 →AVアンプが自動起動
 →音が出る

 ★結果:微妙
  …やはりこれから寝るためのリラックス状態を作り出すためにオーディオを利用しようとしているのに、目的を阻害するような煌々と照らしてくれるPCモニターは連動云々の前にナンセンスとしか言いようがないものでした。そもそも寝るときくらいはモニターの傍から離れたいってものです。なのでこれもボツ。

さて、ここまで来るとちょっと意地になってきます(笑)

最終的には連動TAPの制御をテレビやPCモニターではなく、(居間のメインオーディオシステムと同様に)MACminiの消費電力で行おうではないか、ということにしました。

2台目となるMACmini2011を購入

購入したセコハンのMACminiですが、本来はメモリが2GBしか搭載されていなかったはず。・・・だったのですが、送られてきたものには何故か8GBが搭載されていました。おそらく前オーナーによるものなのでしょう。これを考慮すると実質2万円台でMACが購入出来た計算になります。随分安くなったもんだね。
(これにより当初のコンセプトであった「お金をかけずに…」という趣旨から大分逸脱してしまいました…)

連動実験5
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →MACminiをスリープから自動起動
 →電源連動TAPにてMACminiの使用電流量上昇を検知
 →AVアンプが自動起動
 →音が出る

 ★結果:成功
  …結果的には成功しました。但し一工夫する必要がありました。というもMACminiをスリープから復帰させる際、タブレットからネットワークを介したWake On Lanの機能を色々と試したのですが、そのままでは復帰後のプレーヤー(JRMC)が正常に起動してくれません。少し調べるとどうやらMACがスリープから解除された際には以下の2種があるとのことでした。

  • 一般的なWake : フル起動状態(キーボードやマウスを触った際のWake。画面(ディスプレイ)が点灯してくれる)
  • DarkWake : バックグラウンド起動状態(WakeOnLanによるWake。画面(ディスプレイ)は点灯してくれない)

どうやらJRMCではDarkWakeによるバックグラウンド起動状態では曲を流すことが出来ない模様。従ってWakeOnLanの為のマジックパケットをネットワークに流した際に一般的なWakeを実行できるよう設定変更をする必要がありました。

答えとしては、MACの起動設定を変更してあげることで、WakeOnLanでも一般的なWakeが可能になります。(どうやらOS(Lion)にて実装されたリモート起動向けの機能らしいです)
具体的には以下のファイルを編集する必要があります。

/Library/Preferences/SystemConfiguration/com.apple.Boot.plist

ただし、上記のファイルは普通にSUDOしても編集後に保存させてくれません。どうやらSystem Integrity Protecton (SIP)という機能により、重要なファイルの書き換えをガードしているようです。(OS(El Capitan)にて実装されたプロテクション機能らしい)
従って、一時的にSystem Integrity Protecton (SIP)を切る必要がありました。

手順をまとめると下記の通り。
  1. リカバリーモードで起動 → MACを「Commandキー + R」を押しながら再起動
  2. リカバリーモードでターミナルの起動 → 画面上部のメニュー「ユーティリティ」から「ターミナル」を選択
  3. SIPの解除コマンドを投入 → 「csrutil disable
  4. 通常モードで再起動
  5. MACの起動設定をviにて編集・保存 → 「sudo vi /Library/Preferences/SystemConfiguration/com.apple.Boot.plist
    (※)編集内容は後述の通り。
  6. リカバリーモードで起動 → MACを「Commandキー + R」を押しながら再起動
  7. リカバリーモードでターミナルの起動 → 画面上部のメニュー「ユーティリティ」から「ターミナル」を選択
  8. SIPの解除コマンドを投入 → 「csrutil enable
  9. 通常モードで再起動

(※)「com.apple.Boot.plist」の編集内容(赤字部分を追記)

【編集前】
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
<key>Kernel Flags</key>
<string></string>
</dict>
</plist>

【編集後】
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
<key>Kernel Flags</key>
<string>darkwake=0</string>
</dict>
</plist>

上記の設定を踏まえた、最終的な構成は以下になります。


こんな感じになりましたとさ。

・・・

さて、色々有りましたがこれでほぼ理想環境を実現出来ました。
実際に使用してみても各機器が小気味よく連動するので、寝室用のオーディオとしてはかなり使えそうなシステムに仕上がったように思います。

今回の構築における特筆すべき「核」となった点は、MACのスリープ状態~スリープ復帰による消費電力差が電源連動TAPでギリギリ拾えるものであったため、曲の終了、及び停止してから1分後には全機器の電源OFFが実現出来た点でしょう。

スリープ設定が1分刻みで設定可能(AppleTVは最短でも15分なのでこの点もアドバンテージ)

とは言え全く問題がないわけではありません。
例えばMACの仕様による挙動として1時間47分毎に実行されるメンテナンススクリプトによる勝手なスリープ解除などです。このメンテナンススクリプトはどうやら他のノードに対して自身の存在を知らしめるために実行されるものらしく、ネットワーク設定によるWakeOnLan機能を有効にすると、一瞬ではありますがDarkWakeが実行(=アンプと連動タップのリレースイッチがカチカチ煩い)されてしまうんですよね。

なお、MACのスリープは以下がよくまとまっていましたので同様のことに悩まれている方は参考にされるとよいかと思います。
http://d.hatena.ne.jp/zariganitosh/20110706/about_sleep

・・・

ちなみに冒頭で話したHDMI CEC機能をフル活用出来た場合の理想環境ですが、起動もシャットダウンもAppleTVのスリープ機能で全て制御できるため、以下のように実にシンプルになります。今回のようにテレビも連動TAPも不要ですが、第4世代以降のAppleTVと、HDMI CECに対応した比較的新しいAVアンプ(レシーバー)が必要になります。



理想環境
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →AppleTV(第4世代以降)をスリープから自動起動
 →HDMI CEC連動によりAVアンプをスリープから自動起動
 →音が出る

お金が潤沢な方は是非試してみると良いと思います。

それにしても、システム家電って本当に面倒くさい楽しいですねぇ。

2017年5月14日日曜日

DDC(RUDD14)の導入について

サブシステム側のオーディオ環境構成を少し変更したのでメモ。

これまではパソコンからUSB2本をそれぞれのDACに接続し、ヘッドフォン、スピーカーを駆動していました。


旧システム構成

しかし、この構成の場合、以下3つの問題が有ります。
  1. DAC1000に88.2kHz、176.4kHzの信号を送れない(※)
  2. USB電源線に乗るPCノイズ対策(アイソレーション)が施されていない
  3. ヘッドフォン、スピーカーの駆動先切り替え操作が面倒(プレーヤー側の設定変更が必要)

特に1についてはWindows7時代はhiFace twoというDDCを使用して対応出来ていましたが、Windows10になってからはドライバが上手く対応出来ていないようで、COAXIAL接続での再生(88.2kHz、176.4kHz)が行えていませんでした。
(少し前のWindows10に対するCreatorsUpdateでUSB AudioClass2.0規格に少しだけ対応してくれましたが、これによるhiFace twoのドライバレス駆動が期待されたものの結果はNGだった)

自分の場合、CDからリッピングした音源(44.1kHz)をプレーヤー側(JRMC)で2倍、または4倍の周波数にアップサンプリングしたものを聴き比べて遊ぶこともあり、対応してもらえないといまいち楽しめなかったりします。(そもそもアップサンプリングによる音質的なメリットは本当はあまり無いんですけどね・・・)

「COAXIAL接続でDACに接続できれば良い」ということであるため、試みの一つとして下のようなアタッチメントをPC側に仕込み、マザーボード上のS/PDIFピンから信号を引っ張って来たりもしました。が、思うような結果を得ることが出来ませんでした。


そんなことを考えながらネットで情報を漁っているとRUDD14というDDCの情報に行き着きました。こいつはRASTEME社という(大変惜しいことに)今は存在しない日本のガレージメーカーの製品。自分もUDAC32Rを所有しており、動作の安定性と音質面においては満足感の高い製品であったことからとても良い印象をもっています。

RUDD14の良いところは、自分が問題と考えていた上述の1~3を全てクリアすることが出来る、というグッドな仕様であったところです。特に3に関連し、AES/EBUとCOAXIALへの同時デジタル出力が可能という点が素晴らしい。設定の切り替え自体が不要。

そして今回、運良く手に入れることが出来たため、以下のような構成と相成りました。

新システム構成

AES/EBUのバランスケーブルにはYAMAHAのYBC03を選択しました。
バランスケーブルは位相反転による信号ノイズのキャンセリングが可能な優れものです。マイクとかでも使用されているケーブルですね。


それにしても(大昔は色々とお世話になったが)YAMAHAの製品なんて購入したのは本当に久しぶり。オーディオ界では中堅以降の製品シェアが著しく低いメーカーですしね。
(15年くらい前にエントリー型のAVアンプを買ったのが最後だったと思う)

・・・

ただ音が聴ければ良い、ということであればPCにヘッドフォンを挿すだけなんですが、難儀な趣味を持ってしまったものだ…とつくづく思うのでありました。

<追記>
RUDD14もUDAC32RもWindows10の標準ドライバ(USB Audio Class2.0)でなんとか動作はします。ただし(5分に一度程度の頻度ですが)ノイズが一瞬乗ったりすることも有り、都度不快感が際立ってしまいますので添付のドライバをWindows7互換モードでのインストールを強くお勧めします。こちらは(当たり前ですが)ノイズが乗ったりすることは無く精神的に安定します。

2017年3月12日日曜日

Cassandra Wilsonのススメ

最近、あまり書きたいトピックもないため、数多いる女性シンガーの中でも自分が最も好きな歌い手さんの事でも書きましょうか。

音楽業界が大幅に縮小し、レコードを手に取ることが減った一方、相反する形で様々なサービスにより"いつでも""好きなだけ"聴けるという環境が整ってしまった今日、知ってる方にはお馴染みですが、知らない人は全く知らない。そんな歌い手さんかもしれません。

 

アメリカ・ミシシッピ州出身のJAZZシンガーで、特徴としては何と言ってもその魂の底から湧き上がっているのではないかと思わせてくれるあの声の低さでしょう。日々の生活で押し殺されて死んでいった想いや言葉が、彼女の声で一瞬鈍く光るような感覚すら得られます。

その歌から生み出される包容感、凄みは何と言いますか、他のどの歌い手とも比較されうるものではなく、寧ろそのような柵を突き抜けている感があるからでしょうか、聴いていてとても安らぎます。

これまでの人生を、子供の頃から一本線で描けなかった人。
思うように事を運ぶことが出来ない、翻弄され続ける不器用な人。
それが自分なんだと前向きに挫折を繰り返しながら前進する人。
そんな方に是非聴いて欲しいと思います。

もし興味を持たれたら、まずはNew Moon Daughter、BLUE LIGHT 'TIL DAWNあたりをオススメします。

 

暗さと明るさと力強さを兼ね備えた、時代を超える多くの曲に虜になること間違いなしです。

2016年10月8日土曜日

2016東京インターナショナルオーディオショウ

これまでに数回ほど訪れたことがありましたが、今年も有楽町にて開催されていたオーディオショウに行ってきました。


東京国際フォーラムのB1F入口

夕方で閉館まであまり時間が無かったので、適当にいくつかのブースを渡り歩いてきました。


DENONブース

昨年はOPTICON8でしたが、今年はEPICON6でした。
やっぱりDALIはイイです。うむ。


ESOTERICブース

アヴァンギャルドを後ろに追いやるキングダムロイヤルが圧巻。


Accuphaseブース

B&W800シリーズとのコンビネーションがなかなか良かった。
しかし部屋のお葬式の様なセットアップは何とかならなかったのだろうか・・・。


LUXMANブース

安定の人気を誇ってました。機器との相性を少しでも見極めようとしてるのだろうか。
みんなお金持ちなんだろうな・・・。


FOCALブース

このビビッド過ぎるカラーがインパクト有り過ぎて落ち着かない(笑)
メーカーのイメージが微妙にズレたかも・・・。


YAMAHAブース

あれ?スタッフが自分よりずっと若い・・・(白目)。
台本を見ながらマイクを握りしめていたのが印象的 (そこ?)

・・・

それにしても昨年以前と方向性が微塵も変わらず各社共にハードウェアの一方通行なアピールばかりだったのは(残念な方向で)とても印象的でしたね。

特に最近のPCオーディオ方面のトレンドを何一つ紹介しないのは“不思議”の一言。

PCオーディオにおいてはROONの出現で環境構築からライブラリの在り方まで一変しそうなインパクトが目の前に迫ってきているというのに、です。

ぶっちゃけると"こっち方面では何も試行錯誤してないよね"、という感じ。
(ソフトウェアベンダー等が参加出来ない制限でもかけられているのだろうか?)

普段あまりお目にかかれない高額なディスクプレーヤー、アンプ、スピーカーの紹介も勿論良いのですが、人間の耳・脳に音楽が入ってくる迄の過程において、もっと様々な環境の作り込み方、楽しみ方があるんだよ的な、プロの視点からのコメントを是非とも聞いてみたいんだよねぇ。

それなりのアンテナを持ってる人であれば、客を惹きつけるトピックなんて星の数ほど列挙できると思うんだけど。

「ハードウェアを売りたいからハードウェア以外は紹介しない!」

ではなくて、各人のオーディオを通じた満足・喜びに至るまでのソリューションをもう少しバリエーション豊かに紹介した方が市場も活性化するだろうし、最終的にはメーカーに還元されると思うんだけどね。

ニッチ戦略的な拘りなのかな。

どうなんだろうね、コレ。