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2018年11月5日月曜日

インターコネクトケーブル制作メモ

オーディオで遊ぶ際、本命の機器の更新を行っている時期は自身の環境に対してそれなりに「手を入れている感」があるのですが、聴くこと以外にやることがなくなる時期というのが必ずやって来ます。
そこに待ち受けているのがケーブルの刷新という逃げ道(沼?)だったりするのですが、これもまた常に費用対効果に不確かさが付きまとうイマイチな分野だったりするんですよね。
ですが、逆に効果ばかりに目を奪われず、"愛着を高めるための遊びである"と大らかに構えることで少し楽しくなったりもする訳です。(実際に音が良くなったら”大儲け!”みたいな...)

今回はZONOTONEの6NSP-Granster 2200αを家電量販店にて千円ちょっとで手に入れることが出来たため久しぶりに短尺のインターコネクトケーブルを自作してみることにしました。
使ったプラグはいつも通りコレットチャック式(=差し込んだ後にハウジング自体のネジでロックできる構造のもの)。加えて従来使っていたコテも十年以上使用しているものだったので併せて新調。


使用したケーブルはそもそもスピーカー用のケーブルだったのですが、芯に2線、周囲にシールドが施されており、銅の純度も6Nと素材としては十分に上物。デジタル用の同軸ケーブルの様にインピーダンスマッチング等を気にする必要もないので柔軟な転用が可能です。
配線は芯の2線を各々信号線とグランド線とし、シールドはグランドに落とさず浮かせる方針で進めました。
工作自体は金メッキ上にハンダが上手く乗ってくれなかった事や、芯線ケーブルの剛性がかなり高かったため意外に難儀させられることに…。同様のケーブルで遊ばれる方は道具の準備としてケーブルストリッパーは勿論のこと、金属切断用のパワーを有するニッパーは必須と考えておいた方が良いかと。

作成の完了したブツ

ZONOTONEは類似の素材で作られているであろう完成品ケーブルを1万円~2万円の価格帯で販売していることを考慮すると大分お安く仕上がった感じです。ビジュアル的にもZONOTONE特有の青の透明皮膜がイカしておりますよ。うむ。

で、実際にHAとDACの間に接続して聴いてみました。やはりレコーディング条件の良いヴァイオリンとかを聴いちゃうんですが、残響音がものすごく綺麗に聴こえてくるから面白い。
実際はどうなのかは知りませんよ?でもコレで良いのだ。

2017年10月29日日曜日

オーディオノイズと試行錯誤

知らなきゃ幸せ。知ろうとしなければ何の問題もない。
しかし知ってしまうと求めずにはいられない。オーディオって常にそんな感じです。

今回は自分のヘッドフォン環境におけるノイズ対策のために色々やった際の記録です。


これまで色々とオーディオ機器を買い集めて満足できる音を作ってきたつもりだったんですが、ここ最近、使用頻度が少し下がっていたんですよね。
耳が蒸れやすい夏ならまだしも季節は秋。ある意味これからまさにシーズン真っ只中だというのにどういうことだろう。

単純に音を聴くだけなら何の問題もないんです。
そう思うんですが、数十分聴き続けると「なんか、もういいや…」とヘッドフォンを外してしまいたくなる音。曲がドラマチックに展開するところで本来であれば「感動」「満足感」を得られるはずなのに「煩さ」「うっとおしさ」が湧き上がる音。そんな感じ。

良い状況の音を3次元と表現するなら、音像・輪郭がボヤケて2次元的な表現しか出来ない…といったほうがより伝わる表現だったりしますでしょうか。

とにかく何かが違う。確実に言えるのは使用しているHA5000、W5000とDAC1000の本来の音ではないということ。


そんな違和感を感じながらも音を聴いていたんですが、パソコン画面上のウインドウスクロール操作を行った際、動作に合わせるようにノイズが出ちゃっていることに気づきました。

自分なりにコストを掛けたつもりのシステムなので「ノイズ」なんて初歩的なものに足を取られるなんて思っていなかった、というのが正直な所。しかし大した音量も出していないのにノイズが乗る、というのは環境が根本的にダメな箇所があることの証左です。

切り分けを進めると音を濁らせていた原因として判明したのは以下の点でした。
  • パソコン本体のマザーボードから発する電磁波ノイズをDACとアンプの間に使用していたインターコネクトケーブル(アンバランスケーブル)が拾っていた。
この問題は、インターコネクトケーブルの短尺化とパソコン本体からの距離を離すことで大幅に解消。パソコン画面上のウインドウをスクロールしてもヘッドフォン上にノイズが乗らなくなりました。

自作した短尺インターコネクトケーブル(mogami3368)

これでまた満足行く音が聴けるだろう、と思ったんですがやはりまだ何かがおかしい。
満足を感じる音が出ていない。耳と脳は正直です。駄目な音は駄目。

特に使用しているHA5000、W5000は両者共に上流環境に大きく左右されるタイプの機器。ならば上流の機器の状態、または機器間のネットワーク部分を疑うべきだろう。
その後、改めて原因を一つ一つ切り分けて行き、音を出さない状態でアンプのボリュームを最大にした際、大分酷い電磁波ノイズが載っていることが判明しました。
HA5000は機器の優れた特性としてボリュームを最大にしてもホワイトノイズを始めとした雑音が一切出ないことが判っていましたので、またどこかでノイズを受信している、と言うことになります。やれやれ、と言った感じですね…。


インターコネクト部分は1つ目の問題で解決済みですので、別のケーブル…。
まさか電源ケーブルか…。

でも電源ってタップから機器に通電した際、本体内部で直流化される際に大部分のノイズはカットされる筈(…と思っていた)。・・・色々試行錯誤をした結果として、2つ目の原因は以下の通りでした。
  • 他の機器で使用していたACアダプタから発するノイズを、アンプとDACの電源プラグが拾っていた。(媒介したのが電磁波なのか、グランド線なのか、までは判らず)
今回の主犯であるアイコー電子のSTD-12020U、SW-1212S

他の機器のACアダプタ(RASTEME社のRUDD14、UDAC32R)と、HA5000及びDAC1000の電源プラグを隣接する形でタップに射していたのですが、これが良くなかったということです。

RASTEME社の機器は複数所有していてどれもかなり良い製品なんですが、ACアダプタにスイッチング電源を採用している点だけはテキトーですね。。。こいつの前ではケーブルやタップにどれ程良いものを使っていようが全てが台無しです。

・・・
早速ACアダプタの設置位置を見直すと、ヘッドフォンから奏でられる音がビックリするくらい改善されるじゃないですか。「うわ、何だこれ?(笑)」の世界。

薄っぺらかった音に血が通い始め、ピアノやギター、ヴァイオリンの胴鳴りが耳の奥を、それはそれは気持ち良く叩いてくれる様になったのでした。


話が判ってしまうと自分よりもっと詳しいオーディオ兄貴からは「なんでそんな適当なことやってたの?」と突っ込まれそうではあります。この手の話はノイズ対策としてはあまりに当たり前の話なので…。

ですが、どれ程当たり前の話であっても電源のとり方やケーブルの設置位置で音を良くしようと"手を動かすモチベーション"が湧いてこないんですよね。自分で気付く経験がないと。

しかし今回の一件で学びました。
電源は音に影響があること。そして音声関連のケーブルもシールド云々以前に内外の環境に拠ってはノイズで簡単に音が濁ってしまうこと。アナログ信号をやり取りしているケーブルなら尚更。パソコンは本当にオーディオ的にかなり厳しい環境であること。等々。

すると電源関連のオプションがまた欲しくなってくるんですよね。
電源ジェネレータとかダウントランス…。アレ、欲しいよなぁ。

駄目ですねホント(笑)

マイ電柱(特注のトランス)が欲しくなるのももうすぐです。

2016年7月14日木曜日

自作電源ケーブル TUNAMI V2

ここ数週間、休日の空いた時間と天候の状態が上手くマッチングしてくれません。
このため、なかなか山行に出向けずちょっと時間を持て余し気味でありました。

なので半年前にヘッドフォンアンプ用の電源ケーブルをTUNAMI NIGO V2で自作しましたが、今回はDAC用にも電源ケーブルを自作してみることにしました。


今回はTUNAMIシリーズの3芯タイプのV2です。
前回のNIGOの様にシールドに仕込まれたドレインワイヤーを使用せず、3本のうちの1本をグランド線に割り当てることが可能。シースを剥く際に然程神経を使わずに済むので、楽に工作を進めることが出来るのがナイス。

プラグとインレットは前回と同様、IeGO社のTi2000-8055を使用しますが、手に入れるのに少し苦労しました。ネット上でも随分と探したのですが、出回ってる数がかなり減少しているみたい。


まずは3芯を3.5センチ程度表に出します。

カッターで切れ込みを入れた後は、ケーブルを手で左右に傾けつつ加工を進めます。

更に各芯を半分ほど剥いて捩じる様にカシメる。

銅線が非常に硬く、不用意に触って手に刺さる事数回。
プラグのケーブル差込口に・・・


接続&ネジ締め

ここの工程なんですが、ケーブル自体の芯が太く、簡単に差込口に入ってくれません。
銅線の一部が毛羽立ってしまう感じで非常に難儀しました。(ここの処理を適当に行うと通電時のショート及び火災で大事故になりますから神経を使います)
恐らく銅線をカシメた後、ハンダで固めたほうが工作としては楽に進めることが出来たかもしれません。
(ハンダを使用するとプラグ&インレットの無メッキ銅が意味を損ってしまう感じですが・・・)

通電チェックとショートしてないことを確認し、完成!

前回よりは手際よく作成出来た感じです。
そして今回の工作で機器ケーブルをオマケで付属してきたモノから一通りリファインすることが出来ました。

※因みにAMAZON等の通販で購入すると少々値段が張るようです。やはり実店舗にて掘り出し物を狙う方が良いかも。また、電子工作経験がない人は製品版を購入するべきかと思います(火事は怖いですからね・・・)

 
・・・

で、早速音出し・・・と行きたいところなのですが、せっかくなので機器とコンセントの電源極性をチェックし直すことにしました。(以前部屋のレイアウトを変更した際、機器の極性チェックを行えず仕舞いだった...)

ご存知でしょうか?
家庭用のコンセントにはホットコールドという極性がある、という事を。

極性合わせはオーディオを楽しむ上での重要なテクニックの一つ

(極性合わせの必要性を説く理屈は電子工学的にもちゃんとありますが、暇な時にでも解説しようと思いますので今回は割愛)

壁コンセントの施工状態、電源タップの作りによっては、必ずしも上記の様になっていないことが有ります。・・・という事で、検電ドライバーで判定する事にします。


600円也。コンセント口に差し込んで使うのです。テスターでも代用出来るんだけどね・・・

この検電ドライバーの中にはメガΩ相当の抵抗が仕込まれています。
これにより極微小電流に絞った上で、ホット側からの電圧をこいつが受け止めてくれるので、人間の体は電圧によるショックを(殆ど)受けることがありません。


It's a...Hot !! とかやってました

テスターで確認することも出来るっぽいですが、ネオン管の薄ぼんやりとしたオレンジ灯に魅かれるものがあります。これは自分の体を電気が通ってどこかに電流が逃げている証拠です。

これを見てると、人間の体って電気通すんだなぁって実感出来、更には、実は大なり小なり何かしらの回路の一部として生きている人間の体ってのを確認出来るのでちょっと楽しいんですよね。
オームの法則を人の体で証明しちゃう感じです。

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自作電源ケーブル TUNAMI NIGO V2

2015年12月27日日曜日

自作電源ケーブル TUNAMI NIGO V2

ちょっと昔に購入したヘッドフォンアンプのHA5000(Audio-technica)に合う電源ケーブルって何か無いだろうか・・・、ということでいろいろ探していたのですが、どうにも費用対効果的に良い物がなかなか見つかりませんでした。この手の製品はアクセサリーですので「気分が大事」なんですが、一般庶民の自分が「気分」というアヤフヤなものに突っ込める金額なんてたかが知れています。

ところが先週末、少し秋葉原電気街を散歩する時間があったので線材屋さんに出向いた所、こんなものを見つけました。(正確には“見つけちゃった”)


オーディオケーブルは「自作することで費用を大幅に圧縮することが出来る」ようでしたので、この機会に自分もチャレンジしてみました。こいつは3000円ちょっと。
まぁ、何も買わずに悶々とするよりコレで手を打ったほうが精神衛生上良いよな・・・という感じです。1回でオシマイですから。

実は自分のメインシステムにTUNAMIシリーズの製品版を1本組み入れているのですが、一般的にイメージされるケーブルの値段のものではないため、さすがに「アクセサリー」として2つも3つも購入することは出来ません。ということで思わず飛びついた次第です。でもこういう衝動買いって良くないですよね・・・。ちょっと反省。

今回購入したNIGO V2ってケーブルに限らずTUNAMIシリーズは滅茶苦茶硬いケーブルなので、取り回しが最悪です。
それ故に機器の背面に接続した際の、のたうち回るケーブルの存在感たるや結構笑えるものが有ります。ゴームホース?否、大蛇じゃないですかね、と言いたくなっちゃうシロモノ。

まぁ、そのお陰で線剥きには非常に難儀することになったのですが。。。

(製作方法はココを参考にしました。どうやら同じケーブルを使った自作講習会なるものが過去にあったらしいですね。こいつはその余りかな。)

構造は2芯に加え、アースシールド部のドレインワイヤーで合計3本線構造(5.5sq/17mm径)

インレット・プラグにはIeGO Ti2000-8055という台湾メーカーの製品を使ってみました。
4N(純度99.99%)の純銅・無メッキということで素性は良いかな・・・と。

ちなみに自分以外のオーディオ兄貴どもはPanasonicのWF5018という医療用モノを好んで使っておるようです。

完成

ネジでケーブルを締めた後にテスターで導通チェックとショートが無いことを確認し、早速機器に接続し実際に音出ししてみましたが、頑張って作った事による愛着とプラシーボ効果で最高ってなもんです(笑)

ケーブルを交換した時にいつも感じてしまう、この、音量が大きくなったり、高音のヌケがよくなった印象(正直自信ない)はホント何なんでしょ?きっと「音が良くなるはずだ」という先入観があるため、普段よりも能動的な聴き方(=発見)をしちゃうんだろうね。


オーディオとは、実は、機器や音に傾倒した遊びではなく、“印象”という人間のあやふやな認識装置を逆手に使った、「満足感」を得ることを目的とした“遊び”なのであります。


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