もともと予定していた別のターゲットは誠に残念ながら秋雨前線の影響によって決行できなかったため、天候の回復が見込める他の山へのチャレンジとなりました。
ですが、スケジュールのタイミングも手伝ったのでしょう、南アルプスを代表する秀峰を冠されるだけあり、めちゃくちゃ格好いい山容を堪能することが出来たのでした。
北沢峠から双児山、駒津峰を経由し本山にアプローチ
甲府駅前から登山口まではバスで約3時間
このバスは昨年も鳳凰三山(夜叉神峠)に遊びに行った際に使用しましたが、今回も大きながま口を首から下げた切符売りのオバちゃん添乗員に誘われつつ山に入っていきます。
6:20 広河原
ここは北岳や鳳凰三山への登山口となりますが、非常に綺麗なビジターセンターが建てられていました。おそらくここはこの先数回お世話になる場所かと思います。
そして甲斐駒ケ岳の登山口である北沢峠はここから数十分程度バスを乗り継いだ先になります。
7:15 北沢峠
北沢峠近辺には複数の小屋に加え、キャンプ場などもあり、甲斐駒ケ岳に加え、仙丈ヶ岳にアクセスするためのベースとなるポイントです。
9月中旬ではありましたが、既に結構な高度であったため冷えました。自分はダウンジャケットを持参していましたが、半袖Tシャツで凍えてる人が結構多かったです。10度を下回っていますから準備が肝要。
7:30 登山届を提出した後に出発
北沢峠から甲斐駒ケ岳にアクセスする際のルートは大きく分けて2つあります。
- 北沢峠~双児山~駒津峰~甲斐駒ケ岳
- 北沢峠~仙水峠~駒津峰~甲斐駒ケ岳
9:00 双児山
ひと登りすると稜線上の双児山に到着。ここで軽い朝食(2回目)をとりつつガスってる周囲に目を凝らします。この日の天気予報は降水確率が数日前から午前午後共に0%であったことから雨の心配は特に無く、その後の行程に関する心配は然程ありませんでした。それどころかダイナミックに晴れてゆく眺望への期待が沸々と湧いてきておりました。安全マージンのために悲観的に物事を考えがちな自分にしてはレアな心境だったと思います。
双児山から駒津峰まではガスられてしまいましたが、晴れていたら結構素晴らしいものが見れたのではないかと思われます。
9:50 駒津峰
暫くの間端っこの方で「青空まだかのぅ…」とか言いながらゼリー飲料をちゅーちゅーしておりましたよ。
一瞬キレットっぽく見えたので怯みましたが、全然普通に歩ける道でした。山道ってこういうの本当に多いよね。まぁ怖さが楽しさをスポイルするような道は避けたいところではありますから良いんですけど…。
そんな事を考えつつふと右手を見ると・・・
ガスの切れ目から一瞬ですが鳳凰三山のオベリスクが見えました!
そして物凄い突風が数秒間吹き付けたあと、嘘のような無風、無音状態。
前方を見ると覆っていた分厚く真っ白いガスのヴェールがみるみる払われて行きます。
甲斐駒ケ岳の勇姿
そのドラマチックな展開にその場に居合わせた登山者から「おぉ~!!」という歓声が上がりました。これには自分も結構アツくなりました。口をポカーンとさせるオジちゃんや、山ガールの「ヤッホー!」がとても印象的。
これだから山はやめられない。
皆、ニヤニヤしながら歩いています!まぁここ数日雨だった背景を踏まえての”大当たり”ですから、こうなりますわな。
巻道ルートと直登ルートの分岐
山頂直下にはテクニックのいる直登ルートと、若干時間はかかりますが普通に歩いていける巻道ルートの分岐があります。結論から言うと(少し悩みましたが)自分は往復ともに巻道ルートを選択。
ルートが一瞬で見極められなかった事や、これまでのルート上に(不要っちゃ不要なんですが)他の山ならありそうな場所に鎖や梯子がなかった事、自分の目の前に先行者がおらずトレースも不可である事を踏まえて直登ルートは見送りました。なんかね・・・ペンキが見難いんですよ。黄色か白を使って欲しいなぁ。
花崗岩の砂場地帯
鳳凰三山と同様、あの鬱蒼とした樹林帯や、ゴリゴリの岩場の先に砂浜の様な白い世界が広がっており、変化が目に楽しいです。
山頂を視界に捉えました
ここの砂場は最後の頑張りどころなんですが、槍ヶ岳山荘前と同様に少しバテ気味だったのでゆっくり進みました。
11:40 甲斐駒ケ岳山頂
奥には八ヶ岳連峰も望めました
欲を言えばもう少しガスを払いたい感じだったので暫く粘りましたが、これ以上は望めなさそうであったため、昼食後に下山開始。
(今回はタイムスケジュールの都合上、見所の一つであった摩利支天はスルー)
なお、駒津峰から仙水峠に下る際の1時間少々がなかなかシンドかったです。登りに使われる方はそこそこ頑張りが求められますので覚悟されたし。今回自分が使用した双児山経由のほうが登りは恐らく簡単かと思われます。
その後もボチボチ歩き、北沢峠にはオンスケよりちょっとだけ早く到着。
このあと甲府まで3時間のバス、更に新宿まで3時間。往路を考慮するとこの日は10時間近くバスに乗ったことになる…。足も痛いが尻も痛いわけだ。
・・・
というわけで甲斐駒ケ岳登山記でした。
今回は当日、翌日が晴れ予報となっていましたが、秋雨前線の影響で天気がフラフラしており、黒戸尾根経由でのチャレンジや、プラスアルファでの仙丈ヶ岳登山といった2日行程の選択肢を取ることが出来ず、本命の代替プランとしては色々とギリギリでした。行けただけでも感謝しなければならないかもしれません。
今年はシーズンアウトとなることを踏まえて3000m峰にはまた来年チャレンジしたいと思います。
去年は8月が駄目で9月が当たりだったのですが、今年は逆でしたね。5月にチャレンジしたマレーシアのキナバル登山でもつくづく感じましたが、プランの規模が大きいほど駄目だったときのダメージが大きいので事前タイミングでのプラン確立の難しさを感じます。自分はソロで登っていますが、人を伴う場合なら尚更でしょう。