ここ最近「山なんてコロナウイルス関係ないでしょ。なんで登山しないの?ねぇなんで?」と刺されることが多く、流石に自分の中で燻り淀み感が酷かったんですよね。「そもそも公的責任を負わない私的行動範囲においては誰も自発的な自粛なんてしていないし、山なんて環境上大したリスクないじゃん(笑)」と。
言いたいことは判ります。
整理をすると。今オワコン状態となっているのは中規模~大規模プロジェクトでの山行。
・海外という大目標の喪失(登山隊ツアー等の全滅)
・国内の夜行バス、小屋(寝具)の使用制限、又は値段の高騰
・数少ない使用可能な山インフラへのハイカーの密集リスク
・それを避けた場合の人の減少による万が一の事故時におけるリスクの上昇
勿論マイカーが使えれば状況は多少異なるのでしょうが、根本的な解決にはならない上に今の経済状況で支出(固定費)を道楽の為だけに大幅に増やすのはどう考えても誤った判断。だからどうしても移動時間の短い近場を歩くことを余儀なくされてしまう。こんな事は最初から解りきっていたんですけどね。
とは言え正直なところ大目標を毟られることによりここまでモチベーションが下がるとは思わなかったです。世の中が一体どこに向かっていて、皆が何を考えていて、この先をどのように見据えるべきなのか。そういった行動の土台が今は失われていますから。
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必死にテレワークをやって、土日も家に籠っていたからだと思うのですが、年明け辺りからしばらくの間メンタル面で不調が続いてしまいました。
そして季節は春。こんな状況でも桜は見事に咲いていて、街には「マスク」をした人が溢れていたんですよね。
普通に家族連れが公園で団欒しているのを見て思いました。
嗚呼、こう、節操ない感じに自分に心地よくやれれば良いのかな、と。きっと理屈じゃないんだろう。そして、自分は今までこうやって損してきたことが沢山あるんだろう。
だから、少しだけ歩いてみることにしたのです。
以前、芦ヶ久保駅から伊豆ヶ岳を経由してここまで歩いたことがあったので、その時の記憶を頼りに歩き始めます。今回は正丸峠を経由して伊豆ヶ岳に登り、子ノ権現を経由して吾野駅に至るというコース。
ここから左に折れると伊豆ヶ岳に直接アプローチできますが、前回歩いていたこともあり今回は右の道なりに進み正丸峠経由で登ってみます。
花盛りの道中
もう少し整っているかなぁと思いましたが、ルートが少しだけ不鮮明と思われる部分があったので、適宜ルートファインディングして辿ってゆきます。尾根に出るまでこういう感じなのでササっと進む。
奥武蔵らしい道
尾根まで登りきると正丸峠でしたが見どころがあまりなかったような。周りを散策しなかったですが、観光資源的なポイントでもないのかもしれないですな。うーむ。
9:00 正丸峠
但し以降は道が視認しやすいのでのんびりトレッキング出来ます。このルート、「関東ふれあいの道」を謳うのだから、尾根に這い上がるまでもこれくらいがスタンダードだと嬉しいんですけどねぇ。
ここまで来ると伊豆ヶ岳は目と鼻の先…、ですがその前にチャレンジしておきたかった鎖場があります。
手にグリップ、頭にメットを装備して進ム
ロープが張られているので普通のハイキングをされてる方は絶対に入らない方が良いでしょう。そこまで高度な装備や経験は必要ないかもしれませんが、最低限の準備が無いと滑落リスクが跳ね上がります。
40m弱の壁
10:30 伊豆ヶ岳山頂
そのあともいくつかのチェックポイントを超えて行きます。5つ目?
この手のピークはどれも木々に遮られて眺望良好とはいえないのですが、今回はどれもベンチがいい感じに整備されているのは有難いです。確か武甲山方面の馬蹄縦走コースにはあまり整備されていなかった様に記憶しています。
解せない…。猛烈に足場が不安定なところにあの重量級建造物。台風一発で土砂崩れ、となりはしないだろうか。
「うん知ってる」と言いたくなる謎の道標
どうやらトレッキングでは使用しない林業用の道を指示してる様に見受けられました。
ここを超えて少し進むとようやく今回の最終チェックポイントである子ノ権現に到着。登山の最終到着地に神社や寺などがあると(自分的に)ちょっと良い感じなのですよ…。
13:00 春真っ盛りの子ノ権現
最近、お線香の香りにやたらと癒されるのは気のせいだろうか。
14:30 吾野駅
そのあとは一番搾りをキメて池袋まで夢の中ですよ…。
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今回は季節を感じる良い山歩きでした。奥武蔵は若い人にはあまり人気のないエリアだと思っていましたが、歩いている人が多かったのは意外でした。
今後も皆が気兼ねすることなく歩けると良いのですが。
どうなるのでしょうね。この先。