2018年7月8日日曜日

谷川連峰・谷川岳(西黒尾根)(take3)(難易度:★★★★☆)・撤退記

登山靴のソールが傷んだために新たな靴を導入したこともあり、履き慣らしの意味を込めて谷川岳を歩いてきました・・・が、今回は途中で撤退することとなりましたので、原因を記しておきます。歩かれる方に何かの参考になればと思います。

谷川連峰主脈縦走

想定では1日目に西黒尾根から山頂を経由して一ノ倉岳まで歩き、肩の小屋で開山を祝いつつの一泊、翌朝からは平標山方面に縦走の計画でした。
かつて数回登った谷川岳と、平標山を経由して仙ノ倉山まで歩いたコースを繋げるという、自分にとっては憧れのコースの一つ。

8:50 土合駅出発

良い天気です。昨年の5月にも歩いていましたが、その頃と比べると少し暑いかな、という程度で出発当初は特に問題ありませんでした。

9:09 谷川岳ベースプラザ

慰霊碑の横に開山祭の翌日の横断幕が掲げられておりました。翌日の夜明け前に到着する登山者はここで何かしらのイベントにて饗されるとの情報を事前にキャッチしていましたが、自分は土日の2日で新潟方面まで抜ける計画であったため、こちらには参加せず。

9:20 西黒尾根登山口

いつものことですが、体が回り始めていない登り始めは少々キツイ感じです。

9:37 鉄塔

通常であればここの鉄塔を超えた辺りからエンジンが掛かる感じなのですが、どうにも調子が出ません。この後も暫く樹林帯が続くのですが、異様に高い湿度、温度、そして、極めつけが「無風」であった点です。発汗量が尋常ではなかったので無理せず都度休みを入れ、水、ミネラル、カロリーを取りながら進むのですが、ペースも以前と比べると大分遅めで標準タイムすら割り始めてしまいました。

11:40 天神平が見える一発目

今回は歩く距離が長いということもあり、荷物も少々嵩んでいたこともあるのでしょう、この時点でかなり体力が削られてしまっており、翌日の縦走計画については中止することを視野に入れつつ、なんとか歩いている状態。

とにかく尋常ではないほど「暑い」のです。
7月の低山歩きは暑いに決まっていると思い込んでいたこともあり、水分等を入れることが出来るのであれば汗が出ること自体は特に問題としていませんでしたが、結局この体からの警告を無視したことが一番の敗因でした。熱を体の外にベント出来ていなかったのですね。

12:15 第一鎖後に御神体に手を合わせてから歩くのを止める

本来であればここからが西黒尾根の楽しさが凝縮された道が始まる筈なのですが、明確な異変に気付いたのはこの第1鎖のポイント。全く登れないという状態ではないのですが、明らかに「楽しくない」のですよ。耐えてるだけ。

そして第二鎖を見た際、僅かな吐き気と共に明らかに体が拒否っていたのを確認して、今回は残念ながらここで撤退することにしました。

数度登って道を知っていることも判断のポイントとなったのですが、この先の道はそこそこ厳しい感じの岩場。それ故集中力がない状態で岩場へ張り付くと危険。下手に踏み込んでフラフラの状態になってからエスケープ判断を行うとタマが幾つあっても足りない感じがします。ちゃんと保険をかけているとは言え、無理に登ってヘリのお世話になる、なんてことは絶対に避けたいですからね。

残念ではあったのですが、途中で正しい判断を行えたこと自体はある意味「成功」であることを認識しつつ下山を開始。

13:22 L字木

いつもであれば登っている途中にコレほど特徴のある木を見逃す筈はないのですが、下ばかり見て歩いていたことが分かります…。

13:49 西黒尾根登山口に下山完了

このあと谷川岳ベースプラザで真っ白に燃え尽きたような感じになっていました。

・・・
振り返ると撤退の真の原因は以下の2点。
  • レイヤリングの失敗
   ミドルレイヤーに適当なシャツを着込んでいたこと。
   ベースレイヤーとアウターは専用のものを装備しており、熱や蒸気は外に逃がしてくれる仕様でした…が、この綿100%がガッチリと保水してしまい、それらの機能が無効化されて熱中症を引き起こしてしまいました。

綿100%…
   
   排熱問題ということで単純に脱げば良さそうですが、下手にアウターを脱ぐと濡れたシャツが外気に晒されて一気に体が冷えるのでそれはそれで調子を崩しちゃうんですよね。知識不足というのは本当に怖いものです。
   翌日、早速ちゃんとした素材(ウィックロン)のシャツを購入しました。外見と裏腹に結構なお値段でして、こういう痛い経験がないと本当の価値が理解出来なかったというのも少し悲しい…。
  • パッキングの問題
   一泊二日の縦走ということで、それなりに水、食料を詰め込んだのですが、コレも無駄に体力を削る要因になってしまいました。水は小屋でも調達できる可能性があること、及びそんなに水を必要としない秋季に計画を実行する等、やりようはあった筈。以前の成功体験がこの時期、このルートの難易度を見定める足かせになっていましたね。

・・・
今回は撤退と相成りましたが、翌日以降、自身が驚くほど淡々と原因究明→対策に動いていたのは(なんと言いますか)笑いました。格好をつけたい相手が一緒だったらちょっと違っていただろうか。だがしかし。この年になると「失敗」なんて次への糧となる「学び」の別の見え方でしかなく、悔しい云々は2の次3の次になりますね。職業病じゃないのコレwとか思ってしまいました。
PDCAぐーるぐる。みたいな。

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