2022年6月11日土曜日

丹沢・弘法山~鷹取山~大山(難易度:★★☆☆☆)

 梅雨入り前、ということもあり色々とプランを組もうとしていたのですが、この時期は上信越であっても雪が若干張り付いているため、大きく出ることに躊躇してしまうなんとも痒い感じの季節帯だったりします。

そんな折、以前東丹沢を歩いていた際に見た大山の秀麗さが思い起こされたためもう一度遊びにいってみることにしました。但し往路はバスを使用せず自分の足で歩く、という条件付きで。

今回は秦野駅から歩いて大山山頂を目指します。

雨上がりの気持ちの良い一日。今回は久しぶりに秦野駅スタートとなります。


この駅はヤビツ峠行きのバス目当てに多くのハイカーで(休みの日には特に)長蛇の列が生成されています。今回はそんな喧騒を横目に素通りし、まずは弘法山に向けて歩き出すのですが、これがちょっと気持ち良いのです(笑)


駅から少し離れて水無川沿いの閑静な住宅街を歩くと、目指す弘法山公園(丘ですね)が見えてきます。

7:56 弘法山公園入り口

「公園の入口」と謳って入るものの、見た目は道路脇にある小さな畑。裏道から道に入って行きます。


ですが10分ほど歩くと非常に気持ちの良い空間が現れます。「あ、やっぱり公園だったんだ」といった感じでしょうか。どうやらメインルートはもっと北側に有るようで、自分の歩いてきた道は公園出入り口の裏道だったようです。

8:30 弘法山公園

ここからは秦野市街を一望することができました。公園内には散歩している老人数名がいるのみで時間の進み方が幾分ゆったりしている印象。


更に奥に進むと小さな神社があったので本日の山歩きが無事フィニッシュできるように手を合わせます。

ですが・・・

9:40 念仏山

この念仏山周辺と高取山周辺にかけてのルートには丹沢名物のアイツが地面にのたうち回っていました。そう、「山蛭(ヤマビル)」です。

10:40 高取山

この山蛭は糸ミミズを少し太くしたような容姿なのですが、皮膚に憑かれてしまうと血を吸い上げられた挙げ句、出血箇所後が固まらない毒液(ヒルゲン)を挿し込んでくるため"気がついたら血だらけ”といった状況に陥ることになるとても厄介なヤツです。

ロックンロール

しかも数歩歩くごとに体に数匹ずつ付着する始末で、なんと靴下の中まで数匹潜り込まれて吸血されてしまっていました。これにはだいぶ手を焼いてしまいました。。。持参していたハッカ油スプレーで対処したのですが、結局吸われ尽くした後に使用したため効果があったのか無かったのかは良く解らず。

更には山蛭のお陰でザックを地面に置いての休憩が事実上「不可能」という事態に大分苦しめられました。首筋に気持ちの良い風があたっても山蛭に憑かれたような錯覚が何度も襲うため半狂乱状態(笑)

道は本当によく整えられておりこれさえなければ気持ちの良い歩きが堪能できた筈なのですが、今思い返すと丹沢、6月、雨上がり、通行者数があまり多くないルート等、山蛭発生には条件があまりに揃いすぎていた、という訳です。

11:00 アスファルト道出合い(超休憩)

そんなこともあり、アスファルトを見た際には思わず声を上げてしまいました。悪魔を寄せ付けない聖域でありますよ。これまでは「丹沢は蛭が出るぞ…」と散々脅されていたにも関わらず、大倉尾根や表尾根、西丹沢や東丹沢を歩いても蛭に憑かれたことはなかった(と思う)ので今回はかなり衝撃的でした。

で、そんな自分の横を(足と腕を露出した)綺麗なオネーサンが颯爽とトレランしてるんですよね。何故あの悪魔が私のような中年男の血を吸うのか解せない感じだったのですが、恐らく今回の件は「止まるんじゃねぇぞ」という天からの強いメッセージなんでしょう。停滞の許されない我が人生への教訓です。


ですが、山蛭の巣窟もここまででした。丹沢らしい整った木道が現れて一安心しつつ歩くことができました。

かごや道

ここから大山表参道の16丁目までは人が少なく整ったルート(かごや道)を自分のペースで歩けます。いい感じが戻ってきました。コレです。今回の丹沢に求めていたのはコレです。

12:45 16丁目

16丁目に到着。大山のメインルートである阿夫利神社からのルートと合流するためハイカーの数が多くなります。

ベンチでよもぎ大福(粒あん)2個入をモチャモチャ食べていると、外国人ハイカーが沢山遊びに来ていたのを見かけました。もうコロナの影響も町中でのマスク着用を除くと大分落ち着いてくれた感じです。このまま良い流れに進んでくれれば良いのですがどうなることやら。

13:45 大山山頂

山頂はガスで真っ白の虚無の世界

今日の大山は実に濃密な表参道ヒルズな一日だった・・・とボヤきつつわっぱ飯を食す。旨い。

その後は登山客が猛烈に多くなってきたので粛々と下山。

15:00 阿夫利神社下社

山頂はいまいちでしたが、少し下ると遠くまで見渡せる実に良い天気でした。

15:23 大山寺

帰りに大山寺のある女坂ルートを歩いたのですが、この日はタイミングよく御開帳の日だったらしく読経が周囲の山々に響き渡っていました。

夕暮れの斜陽とお経を聴きつつの山歩きには心を在るべき姿に戻してくれるような、ある意味至高の時間でした。こういう稀に訪れる自分にとって素晴らしい瞬間と邂逅できるのも山歩きの醍醐味だと考えています。

15:50 下山

登山口に有る豆腐屋とお土産屋さん、コロナ禍を乗り越えて以前と変わらず残ってくれていました。動かざること山の如し。

旨し

今日のご褒美!脱アルコールで帰りの電車内でも気分が悪くならない特殊なドリンクでこれまでとは違う自分をアピール。

2022年5月7日土曜日

奥多摩・鷹ノ巣山~六ツ石山(難易度:★★☆☆☆)

今年のゴールデンウィークは当初、昨年一昨年とは違い、コロナ禍による行動制限が大幅に緩和されたことから大きく出歩いてみようと考えていました。ところが天気はちょくちょくと雨が予報されていたため、2泊3泊のようなプランは一旦控え、近場で数をこなす従来路線に落ち着かせることに。

奥多摩湖から鷹ノ巣山を経由し、奥多摩駅を目指します

今回登る鷹ノ巣山は昔何度か遊びに行ったことのある雲取山の東方に位置し、累積標高も1600mオーバーであったためミニマムなプランでありながらもそこそこ歩き応えが期待できます。帰りもバスを使用せずに済むため時間に追い立てられることもなく、新緑の中の歩きを堪能しつつフィニッシュ出来るところは魅力と言って良いでしょう。

8:20 倉戸口BS

スタートは奥多摩駅からバスで15分ほどの倉戸口BSになります。

 

ゴールデンウィーク中は観光地の人出や高速道路等の渋滞が凄いことになっていたようですが、私の歩く道はそれはそれは静かなものです。

奥多摩らしい杉の人造林

序盤は日頃溜まった雑念で頭の中が一杯になっているのですが、徐々に目に入ってくるものと状況踏まえた前進が1対1になり、自身の内側から雑念が消えて研ぎ澄まされてゆくのが解ります。インプットとアウトプットの間の無駄が無くなり目的に向けて大事なものだけが残った状態、「没入感」と表現すれば伝わりますでしょうか。

女の湯(倉戸山)

そう。雑念が…消えるのです。
きっと左に進むと断崖絶壁なんでしょう。人生そんなもんです。

ロープ柵地帯

事前に情報収集することで今回のルートは比較的初心者向けであると認識していたのですが、面積の広い雑木林且つ落葉によってルートが不鮮明になりがちなポイントが幾つか有ったため警戒しつつ暫く進む。すると結構長い距離のこのようなロープガイドを発見。どうやら道に迷うハイカーが続出した過去経緯があったようです。

それにしても歩く度に耳に入る落ち葉のサクサクという音にえらく癒やされます。。。

10:40 榧ノ木山

チェックポイント通過。標識がないと絶対に気付けない系の小さなお山。

11:20 石尾根との出合いポイント

ここからは目指すピークである鷹ノ巣山の御神体を一望することが出来ました。
ピーク前の視界の広がり方が雲取山の鴨沢ルートにそっくりです。

11:35 鷹ノ巣山山頂

他県のピークでは老朽化や落雷による交換を前提にした木製の山頂標を採用していることを考えると東京都は大分お金をかけているように思えます。御影石でしょうか。

この日は青空が本当に綺麗で、遠くの富士まで見渡すことが出来ました。

中身がちゅるんと飛び出してしまう危険性があり油断ならないサラダチキン

そういえばここ最近の山行ではランチにカップラーメンを食しているのですが、胸焼けで微妙に具合が悪くなるような気がするのは歳のせいか。


その後は奥多摩駅に向けて下山となりますが、途中でもう一つのピークが有るようなので一応踏んでゆくこととしました。



13:40 六ツ石山

雲取山には七ツ石小屋というものがあったので、きっと五ツ石や四ツ石という名前のポイントが存在するのかもしれません。目黒と目白みたいなものなのでしょう。

下山中にモノレール風味トロッコの線路を見かけました。登山道すら時間とともに消えてゆくのに運搬インフラを作られていることに少し驚いてしまった。ちゃんとメンテナンス可能なものなのだろうか?道なりに辿ってゆくと…

始発駅がありました。何を運ぶんだろう。

途中、御前山の御神体を拝むことが出来ました。つい先日大月界隈で同じ名前のピークを踏んだばかりでしたが、いつか遊びに行ってみようと思います。

16:00 下山完了

民家の脇裏が登山口になっているのですが、頻繁にハイカーが出入りするポイント近くで暮らすというのはどのような生活感なのだろう。自宅裏からビカール・サンがもりもり排出される家…。

16:40 奥多摩駅

・・・

ということで奥多摩界隈でのトレッキング記録でした。

5月は奥多摩や丹沢といった低山巡りが本当に気持ちの良い季節です。このブログを閲覧されている方で山登りにあまり経験がないものの少し興味が有るな、と思われる方はある意味「才能」の有る方です。奥多摩や丹沢界隈のトレッキングはメジャールートを歩く限りは危険性が低いですし、あまりお金や時間を必要としないにも関わらず健康やダイエットに役立つ非常に大きいメリットが有りますので是非ともオススメしたいところです。

実際に歩いてみてピンと来るようであれば後は「沼」に一直線!きっと目に見えるもの以外のすべてを満たしてくれる幸せな世界が待っています!

列車内でなんとなく具合が悪くなった今日の一杯