遮る樹木のないとても美しい山という評判通り、いや評判以上の素晴らしい山容と豊富な花々に、大きな癒やしを感じる山行と相成りました。
8合目小屋を中心とした周回コース
現地へのアクセス概要としては、登山の前後に東京から秋田(田沢湖駅)までの夜行バスを使用する、というもの。ポイントとしては秋田新幹線を利用した場合に比べて半額になること、及び朝一での現地アクセスが可能であるということを踏まえたものです。
浜松町駅バスターミナルにてレイク&ポート号に乗車
今回のバスは3列シートということで、隣の人に然程気にかける必要もないことから、そこそこ寝やすい仕様となっていました。
7:30 田沢湖駅に到着
ここから駒ケ岳8合目までの直通バスが出ています
途中通過する田沢湖が空色を反射していて綺麗
バス車内にて、ふとアナウンスされる停車バス停と、全面の液晶画面(運賃表)に示される停車バス停が異なっていることに気づく。あれ、アルパこまくさまでの運賃って確か620円だったよね、なんで液晶の運賃表が1000円超えてるのかなー・・・と。
他の客もざわつき始め、もしかしたら間違ったバスに乗ってしまったか、と思い始めた矢先、運転手が「いっけねぇ」みたいな苦笑いとともに表示内容を手修正を始めたんですよね。この、牧歌的な感じと、自分のドキドキ感はどうすればよろしいのかな(笑)
アルパこまくさBS(資料館、お風呂、レストランが併設されています)
田沢湖駅からの移動ですが、8:15発直通バスの前に30分も早い7:45発の高原温泉・乳頭温泉行きのバスが出ています。今回はこのバスで途中のバス停(アルパこまくさBS)まで先に移動してみました。
が・・・、結論としては8:15の直通バスに乗ったほうが良かったかも。
(アルパこまくさBSから別途運転されている駒ケ岳8合目行きのバスに時刻的な接続が行われておらず、結局田沢湖駅を8:15に出発したバスに改めて乗ることとなり初乗り料金が上乗せされて到着する時間が変わらない…。バス運行をもう少し工夫してくれると良いんですけどねぇ)
9:15 駒ケ岳8合目BSに到着
8合目ということで大分高いところからのスタートになります。
なんだか過去に登った大菩薩嶺を思い出します・・・が、今回はそのグレード、スケールを大分アップさせたような感じと言って良いかもしれません。
バスを降りて直ぐに凄い展望
9:20 トレッキングスタート
(焼森方面から進むと少しコースタイムが短くなりますが、眺望の満足感が少し落ちるように感じましたので…)
空の青、雲の白と木々の緑のコントラストが見事です
なんといっても歩き初めて10分でこの絶景!西東京の山々ではあり得ない景色です…。
今後の登山道に対して不満しか抱かなくなってしまうのではないかと不安が過ります…
7月中旬というのに雪も少しだけ残っていました。
花を撮りつつ少しずつ進みます。
至る所に咲き誇っていた高山植物(左からハクサンチドリやマルバシモツケ、ミヤマダイコンソウ)
9:45 道中のチェックポイント(片倉岳展望台とその先に男女岳)
こんな登山道も有るんだなぁ(しみじみ…
10:25 しばらくすると阿弥陀池が見えてきます
阿弥陀池に向かって右に聳える男岳に登ってみます。
稜線まで登りきると、その奥には・・・
ムーミン谷の絶景
左が子岳で右が女岳とのこと。
今回は計画に入れていませんので進みませんでしたが、ムーミン谷には稜線上から降りることが可能です(当然、戻ってくるためには同じ登り返しが有るわけですが・・・)
ちなみに女岳には登山道がついていませんでした。
というのも女岳は1970年(自分の生まれる少し前)に噴火しており、現在も監視対象の山となっているようです。
親近感が湧きそうで湧かないこの微妙な感じ。
火山は富士山や男体山の山頂付近で軽石や細かな砂礫で大分歩き辛い思いをしましたが、自分が歩いたルートは特に問題ありませんでした。
その後も花を撮りつつ稜線を歩きます。
エゾツツジ(左)とコバイケイソウ(右)
穏やかな稜線の奥に山頂が見えます。
少しガスが出てきました
10:40 男岳山頂祠。田沢湖方面の眺望が見事でした。
男女岳とムーミン谷の真ん中の稜線
かなりコンパクトですが、立派な稜線道。先に進むと更に道が延びていることを確認できます。
11:20 横岳分岐点
11:25 横岳
阿弥陀池方面に一旦降りて男女岳に登るか、このまま焼岳から湯森山方面に進むか。
結局、男女岳に立ち寄ると乳頭山までの縦走は時間的に厳しそう、ということで焼森方面に進みました。
11:44 焼森
皆、横岳から阿弥陀池方面に向かうようです。
なんだろう、この感じ。
焼岳から少し進むとスタート地点である駒ケ岳8合目BSと、湯森山方面の分岐があります。(駒ケ岳8合目へのエスケープルートに相当するのだろうか)
今回は湯森山に進みます。
稜線の先はアップダウンも然程なく、快適なトレッキングが出来そう。
ホイップクリームをすくい取ったような特徴的な山頂の乳頭山までは意外に距離が近く感じられる・・・と思ったのですが・・・
12:40 湯森山山頂
休憩しつつルートを考える。
このまま乳頭山まで進むと余裕を見て登山計画上5~6時間程度。バスの最終が18時であることを考えると微妙。だが13時前に駒ケ岳8合目BSに撤退ではかなりの不完全燃焼感が残ってしまう。。。しかしここをそのまま進むと、もうエスケープルート自体がなくなるので引き返すこともままならない。
それともいっそ来たルートを戻って男女岳を登りきるか?
最終的な結論としては駒ケ岳8合目BSに笹森山経由で進むこととなりました。
きっと、こういう時に大事なのは自分の執着心に負けず、余裕を確保することなのだろうと思いますよ。
(カッコイイこと言おうとしていますが、さっさと戻って乳頭温泉に入浴し、一杯やりたいというのが偽らざる本音w)
男女岳ってあんなに高かったっけ・・・と思いつつルートを進む
笹森山方面のルートには藪が無く、また歩きやすさが戻ってきました。
すると、自分にも余裕が出てきたからなのか、また花々が綺麗に見えてくるから不思議なものです。
ニッコウキスゲ(左)とチングルマ(右)
13:16 笹森山
その後は先程登っていた湯森山への稜線を横目に見つつ、駒ケ岳8合目BSを目指します。
ここから見ると物凄く歩きやすそうなんだけどね・・・うーん。
湯森山方面にアクセスするなら駒ケ岳8合目BS経由のほうが楽しいのではなかろうか…
その後、沢を一本超えると今回のトレッキングもお終いです。
13:50 駒ケ岳8合目BS
その後はアルパこまくさ経由で乳頭温泉に移動し、日帰り入浴からの一杯。
16:20 たまらん・・・。たまらんよ。
ということでレストランのメニューの写真(秋田牛)を指を加えて眺めつつ美味しくビールを頂きましたとさ。
17:30 田沢湖駅へのバス待ち
駅の近くの定食屋にて夕飯(きりたんぽ鍋)をとった後、東京への夜行バスにて帰還
田沢湖駅は新幹線を含めて車両が入線するたびにお囃子が流れるのが面白いですね。
もし東京で同じことやったらどのような曲が採用されるのだろう…
実は今回の旅程が決まるまでには色々と変更につぐ変更が入り、プランの練り込みが全くなっておらず、駄目駄目でした。
※最初は秋田ではなく、長野の北アルプス方面(表銀座縦走コースの2泊3日)で計画
→2日前になっても全ての日で天気予報が雨
→計画変更で以前から行きたかった秋田駒ケ岳行きを急遽策定
→北アルプス方面の旅程を全部キャンセルした前日になって、天気予報が突然晴れに変化
→悩んだ結果、天気予報がコロコロ変わる状況自体がまずかろう、ということで北アルプス方面を完全断念とし、秋田駒ケ岳行きを決定
なお、当日、長野の北アルプス方面は若干のガスは発生していたものの、雨は降っていなかったようでした。山の天気は難しいですが、ちゃんと天気図を読めるようになりたいものです。
で、(個人的に、ではありますが)もしこのブログを読んで秋田駒ケ岳に興味を持つような人がいたら、乳頭温泉での一泊を前提とし、以下のコースをお勧めします。登山経験的なものは殆どいらないレベルであるにも関わらず、とても美しい眺望が得られるので一押しです!
駒ケ岳8合目小屋~男女岳~男岳~ムーミン谷~男岳分岐~横岳~焼森~駒ケ岳8合目小屋
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