2021年6月14日月曜日

箱根・外輪山(丸岳~三国山)(難易度:★★☆☆☆)

今回は箱根外輪山の西側を乙女峠から南下してみました。
このルートは登山道の一部が長い間崩落したままとなっていて通行ができない状態だったのですが、昨年あたりに迂回路が完成し通行が可能になったとの情報が流れていたことから歩いてみたいと思っていたルートの一つであります。

8:35 乙女峠

今回はバスタ新宿から登山口までバス1本でのアクセス。小田急はバスも鉄道も費用が抑えられていて、2時間足らずで到着するのですからハイカーにとっては有難い限りです。1800円ちょっと也。

8:45 BSから少しだけ車道沿いに歩き、左折すると登山口

ひと登りすると乙女峠に出ますので、そこからは稜線歩きが楽しめます。

9:10 乙女峠

ここから外輪山の東方面(金時山)と西方面(三国山)に分岐します。過去に数度金時山に遊びに行ったことがあるので、今回は三国山方面のルートで箱根港を目指します。

9:45 丸岳

ルート上では眺望の良いポイントが多いのですが、思い返すとここがベストだったかもしれません。麓のゴルフ場と芦ノ湖、大涌谷が一望できるなかなかの眺望。芦ノ湖の奥の方が今回のゴール地点ですが、大分距離が有り歩き応えが期待できそう。


10:00 富士見台(今回は真っ白)

今回歩いている箱根外輪の西ルートは富士山は殆ど見えないとの話だったのですが、条件が良ければここから見えるとのこと。
それにしても様々なポイントに存在するであろう「富士見~」という名が冠されたスポットからは御神体がなかなか拝めない…のは気のせいだろうか?うーむ。

トトロのトンネル

以降も雰囲気のあるルートを歩けるのですが、芦ノ湖スカイライン(車道)と並走するルートということで、車バイクのエンジン音が断続的に聞こえてしまうのはちょっとだけ惜しいな、と思わせてくれます。歩く前は外輪山ルートということで八丈富士みたいなイメージを持っていたのですが、寧ろ伊豆半島の金冠山への道に雰囲気が似ているかもしれません。

10:55 富士見ヶ丘公園

こちらは南方の沼津市街方面と伊豆半島方面が望めます。夜景はさぞや綺麗であろうと思わせてくれるなかなかの絶景。ルートの前後は両側が藪で覆われていたこともあり解放感が有ります。風が気持ち良い!

11:15 箱根芦ノ湖展望公園

大分歩いてきました。このルートは座って休めるポイントが多いしエスケープも簡単、景色を望めるポイントも多いのでハイカーを始める人には良いかもしれません。

11:30 湖尻峠(「別料金」とありますが勿論有料登山道という訳ではないです)

暫く歩くと前面に三国山を捉えるポイントに出てきます。ここから下げて上げる訳ですが、おそらく今回の一番の頑張りどころかもしれません。

12:20 三国山山頂

随分登った気がしていましたが、実は最初の丸岳より標高的にはちょっとだけ低いようです。ベンチも豊富だったのでここで昼食を取る。

13:00 崩落ポイント

進んでゆくと情報で掴んでいた崩落ポイントに出くわします。見事なくらい崩落しており、おそらくルートを刻んでもすぐに消えてしまうのでしょう、迂回路は3~40メートル下げて上げてというタイプになっていました。ステップも橋も基礎を入れることが出来ないので徐々に消えてゆく消耗品という印象。整備する側は大変だろうな、と思わずにはいられないです。

13:30 山伏峠

ここからは富士山が望めるようだったのですが、どうやら自粛期間に突入していたようでした。本日はタイミングが悪かったようで“また別の機会に”ということですかね。
ですが、ガスったモノクロームの世界、実は大好きなんです。。。

今回のルートはゴルフ場が多く見えます

そこから少し歩くと…


15:00 箱根峠(道の駅)

ここまで来るとゴールが近いです。箱根港までのバイパス道への入り方が少しわかりにくかったですが、車道横の歩道を少し歩いた先に左折すると大昔から残っている旧街道に入れます。


そこから30分程度歩くと今回のゴール地点である箱根港に到着。

15:40 箱根港(芦ノ湖)

今日はあの奥の方にある山の上から歩いてきましたが振り返るとなかなかの距離。充実のハイクだったと言って良いと思います。
箱根界隈も歩いていないのは中央の大涌谷~神山~箱根駒ケ岳を残すのみですが、大分長いこと通行止めが続いておりコロナとは関係なく暫くはお預けになっちゃいそう。

「ここからだ」

正月はこの界隈は大分賑わってるんでしょうね。そろそろ私の山歩きも少しエンジンをかけて行きたいところです。

ロマンスカーの車内アナウンス前に流れるジングルが大好きオジサン

今回はあまりキツイ登りが無かったので体力に大分余裕を残しての帰還と相成りました。
昨年はコロナウイルスにより登山プランがまったく実行できず猛烈なモヤモヤを抱えての1年でしたが、今年は世の流れが大分正常な方向に向かいつつあるのである程度の身動きが取れ始めています。

・・・
歩けば歩くほど強く思うのは、登山は何度も何度も自分の中で正スパイラルを繰り返せる活動である、ということ。自分にとってシンプルであり且つ確かで、非常に重要な活動なんだという点でしょう。
目標を立ててそれに向かってプランを立てる。イメージがゴールまでスッと伸びた瞬間の、あの体がカッとアツくなる感じ。

やめられません。

2021年5月4日火曜日

奥多摩・雲取山(take2)(難易度:★★★☆☆)


以前雲取山を歩いたのはもう6年前になります。その際は鴨沢バス停からピストンしたものの山頂でガスってしまい景色が望めなかったこともあり、いつかは再チャレンジしてみようと考えていました。ですがここ最近は大人気アニメの舞台になっていたとのことで人が多そうであることが予想されたため機会を伺っていました。

9:15 クライムオン

理想的には8:00スタートなのですが、東京からのアクセスだと9:00スタートが最速となります。奥多摩・鴨沢バス停から登り上げるこのルートは往復20kmオーバーで累積標高も1800mを超えるロングコースということもあり、極力日が落ちる前に戻ってくるようにするためにはタイムマネジメントに少々気を使う必要があります。


鴨沢ルートの良いところはこの穏やかな斜度と殆どガレていない歩きやすい道だと思います。自分のペースを作りやすく息が上がるような無茶な登りが無いため、余計なことに気を取られずガッツリ歩けるのです。その分トレランされてる方が多い印象。

11:30 小屋分岐

前回歩いたときは小屋経由で昼食をとった記憶がありますが、今回はいったん山頂を踏んで下山に要する時間を見極めた後にします。鴨沢ルートは基本的には1泊2日なので日帰りピストンを行う場合は時間的なメリハリがとても大事。もしバスの最終便や日没等の要素で下山の時間を確保出来ないと考えた場合は山頂を踏まずに引き返すことも状況に応じて判断する必要があるからです。


道中、崩落したら一発でルートが遮断されそうだなー、と思わせてくれる木橋に遭遇。更にその先を歩いて行くと…

Oh...崩落している

結果的には問題なく通行できたのですが、雨や積雪雪崩などで道はどんどん消えてゆくというのを現在進行形で見れた感じでした。私達が当たり前のように歩く山道も誰かが整備を続けているから。過去に日光湯元から白根山への旧道を辿った時にも同じようなことを強く考えさせられた記憶があります。有難いことです。


鴨沢ルートのボーナスステージと言って良いと思うこの稜線歩き。後半はこのように周囲の視界が開けた感じに移り変わって行きます。風がとても気持ち良い。
この日は基本的に晴れていたのですが、ここを歩き始めた途端に雪がちらつき始めたのはちょっとしたサプライズでした。太陽光が強く差してる中での降雪はまるでダイヤモンドダストのような美しさがありました。

13:30 雲取山山頂


今回も無事頂を踏むことが出来ました。遠方の眺望もバッチリで満足度高し。

17:00 下山

一般的に下山後に使われるであろう鴨沢バス停からのバスは(2021年5月現在)16:03、16:33及び18:40発なので、17:00下山は中途半端なタイミングでした。前回も同じ様に感じたのですが、つくづく17時台のバスが無いことが惜しまれます。
但し今回は近くにいらっしゃった方から「3つ先のバス停(留浦BS)から18:05発がある」との情報を教えて頂いたため、そこから乗車し帰宅の途につきました。雲取山(鴨沢ルート)へのピストンで交通機関を使用される方は覚えておいて損はないと思います。

・・・
今回は至極シンプルな山行でした。本当は三峰側から登って鴨沢に下る等の変化を持たせたかったのですが、現在の世の中の流れ的にあまりリスクのある歩きをプラン出来なかった、という背景があります。来年辺りにはもう少しコロナ禍の状況が改善してると良いのですが。どうなんでしょうね。


2021年4月5日月曜日

奥武蔵・伊豆ヶ岳(鎖)~子ノ権現(難易度:★★★☆☆)

ここ最近「山なんてコロナウイルス関係ないでしょ。なんで登山しないの?ねぇなんで?」と刺されることが多く、流石に自分の中で燻り淀み感が酷かったんですよね。「そもそも公的責任を負わない私的行動範囲においては誰も自発的な自粛なんてしていないし、山なんて環境上大したリスクないじゃん(笑)」と。
言いたいことは判ります。
整理をすると。今オワコン状態となっているのは中規模~大規模プロジェクトでの山行。

・海外という大目標の喪失(登山隊ツアー等の全滅)
・国内の夜行バス、小屋(寝具)の使用制限、又は値段の高騰
・数少ない使用可能な山インフラへのハイカーの密集リスク
・それを避けた場合の人の減少による万が一の事故時におけるリスクの上昇

勿論マイカーが使えれば状況は多少異なるのでしょうが、根本的な解決にはならない上に今の経済状況で支出(固定費)を道楽の為だけに大幅に増やすのはどう考えても誤った判断。だからどうしても移動時間の短い近場を歩くことを余儀なくされてしまう。こんな事は最初から解りきっていたんですけどね。

とは言え正直なところ大目標を毟られることによりここまでモチベーションが下がるとは思わなかったです。世の中が一体どこに向かっていて、皆が何を考えていて、この先をどのように見据えるべきなのか。そういった行動の土台が今は失われていますから。

・・・
必死にテレワークをやって、土日も家に籠っていたからだと思うのですが、年明け辺りからしばらくの間メンタル面で不調が続いてしまいました。
そして季節は春。こんな状況でも桜は見事に咲いていて、街には「マスク」をした人が溢れていたんですよね。

普通に家族連れが公園で団欒しているのを見て思いました。
嗚呼、こう、節操ない感じに自分に心地よくやれれば良いのかな、と。きっと理屈じゃないんだろう。そして、自分は今までこうやって損してきたことが沢山あるんだろう。


だから、少しだけ歩いてみることにしたのです。

8:00 正丸駅

以前、芦ヶ久保駅から伊豆ヶ岳を経由してここまで歩いたことがあったので、その時の記憶を頼りに歩き始めます。今回は正丸峠を経由して伊豆ヶ岳に登り、子ノ権現を経由して吾野駅に至るというコース。

8:25 登山口分岐

ここから左に折れると伊豆ヶ岳に直接アプローチできますが、前回歩いていたこともあり今回は右の道なりに進み正丸峠経由で登ってみます。

花盛りの道中

もう少し整っているかなぁと思いましたが、ルートが少しだけ不鮮明と思われる部分があったので、適宜ルートファインディングして辿ってゆきます。尾根に出るまでこういう感じなのでササっと進む。

奥武蔵らしい道

尾根まで登りきると正丸峠でしたが見どころがあまりなかったような。周りを散策しなかったですが、観光資源的なポイントでもないのかもしれないですな。うーむ。

9:00 正丸峠

但し以降は道が視認しやすいのでのんびりトレッキング出来ます。このルート、「関東ふれあいの道」を謳うのだから、尾根に這い上がるまでもこれくらいがスタンダードだと嬉しいんですけどねぇ。


ボチボチ進むと2つのチェックポイント。予定より大分早め。


ここまで来ると伊豆ヶ岳は目と鼻の先…、ですがその前にチャレンジしておきたかった鎖場があります。

手にグリップ、頭にメットを装備して進ム

ロープが張られているので普通のハイキングをされてる方は絶対に入らない方が良いでしょう。そこまで高度な装備や経験は必要ないかもしれませんが、最低限の準備が無いと滑落リスクが跳ね上がります。

40m弱の壁

鎖を掴んでる最中はさすがに写真撮影出来なかったので登り切ってからの一枚。とてもスリルのある午前中になりました。


鎖場出口の看板にもあるように、わざわざ壁をよじ登らなくても普通に歩けるルートが別に用意されています。なので基本的には入るべきではありません。

10:30 伊豆ヶ岳山頂

そのあともいくつかのチェックポイントを超えて行きます。5つ目?


この手のピークはどれも木々に遮られて眺望良好とはいえないのですが、今回はどれもベンチがいい感じに整備されているのは有難いです。確か武甲山方面の馬蹄縦走コースにはあまり整備されていなかった様に記憶しています。


解せない…。猛烈に足場が不安定なところにあの重量級建造物。台風一発で土砂崩れ、となりはしないだろうか。

「うん知ってる」と言いたくなる謎の道標

どうやらトレッキングでは使用しない林業用の道を指示してる様に見受けられました。


チェックポイントの天目指峠。「あまめざすとうげ」と読むことが判明。
ここを超えて少し進むとようやく今回の最終チェックポイントである子ノ権現に到着。登山の最終到着地に神社や寺などがあると(自分的に)ちょっと良い感じなのですよ…。

13:00 春真っ盛りの子ノ権現

最近、お線香の香りにやたらと癒されるのは気のせいだろうか。

14:30 吾野駅

そのあとは一番搾りをキメて池袋まで夢の中ですよ…。


・・・
今回は季節を感じる良い山歩きでした。奥武蔵は若い人にはあまり人気のないエリアだと思っていましたが、歩いている人が多かったのは意外でした。
今後も皆が気兼ねすることなく歩けると良いのですが。
どうなるのでしょうね。この先。