2021年7月25日日曜日

会津・磐梯山(難易度:★★★☆☆)

表磐梯~裏磐梯

今回は会津若松駅からのスタートです。

6:20 会津若松駅(JR磐越西線)

東北方面への山旅を計画する際、費用を抑えるなら夜行バスにて宵の明けに現地入りし、そのまま登り上げて夕方辺りに帰京すると1万円以上セーブ出来て良い感じなのですが、高速バスでは早朝着が存在しなかったことから前日の夕方に現地入り。

このため宿で一泊してからスタートをきることとなりましたが、自分にとっては体への負担もこちらの方が断然軽いこともあり、プランの組み方としては正解なんだと思う。


7:06 猪苗代駅

観光スポット的なイメージのあった猪苗代湖の近辺ではありますが、意外にも駅近辺~登山口に至るまでにはコンビニのようなお店が1件もないので往かれるご注意を。

ゴールはあの山の向こう側

駅から進むとこれまで山頂にかかっていた雲が取れ磐梯山の御神体がその美しい雄姿を現してくれました。今回のゴールである裏磐梯の桧原湖に向けたなダイナミックな線を描きつつ歩を進めます。
目指すポイントが見えていて、そこに至るまでに何が必要なのかを理解し全力を尽くすことが出来る。自分にとってこんな幸せなことはありません。

8:00 猪苗代スキー場

長閑な田園を5キロ程度歩き徐々に身体が温まってきた所で登山口のスキー場に到着。登山届を提出してからスタートです。自分以外のハイカーは4組程度でした。他の皆は裏磐梯側から上げてゆくのだろうか??

9:10 リフト降車ポイントの獣道

スキー場を登り上げると最上部にリフトの降車ポイントが有りそこで休憩したのですが、ふと道の先を見ると獣道が藪の中に続いていました。進むためには藪漕ぎが必要なのだろうか、と少し思い中を覗いてみると若干の踏み跡があるものの更にその先には道がない。結論としてはNG。

改めてGPSで確認するとルートが大きく東に旋回していたのでそれに従い進みます。地図を見ずに踏み跡を辿る様な方は思い込みバイアスで突き進んでしまうかもしれないので(一漕ぎ目で判るとは思いますが)少し注意が必要かも。

9:58 赤埴山分岐

磐梯山の登頂ポイントは2つ有り、その内の一つである赤埴山への分岐点。今回のスケジュールには入っていないため巻き道を進みます。

10:25 沼ノ平

そしてここから磐梯山のスペシャルステージが始まります。
森林限界を超えて見通しが抜群に良くなり、岩清水が湧き、空が青く突き抜ける、東北の山らしいテンションの上がるルートに変貌。

夏だねぇ

この青、白、緑、土色の世界に抱かれる感。壮絶な暑さを忘れさせてくれます。

11:20 弘法清水小屋

冷えた岩清水を煽りつつ肩の小屋である弘法清水小屋に到着する頃には多数の登山者が見受けられました。私の様な交通機関を利用したプランを組む者にとってはピストンである必要がないため、スタート地点とゴール地点が異なっていても全く影響が有りません。但し移動手段がマイカーの方たちは駐車場等の事情で表磐梯側からはあまり登らないのかもしれませんね。

そしてここからは本日のゴール地点である裏磐梯の檜原湖が臨めます。暑さでキツい思いをした分、眺望の良さに救われた感じです。しかし、、、随分と遠い(笑)


そしてそこからひと登りで山頂。

11:58 磐梯山山頂

達成感と共に物凄い数の登山者とトンボのカオスっぷりに驚かされる正午。

本日ハ晴天ナリ

ラ…ランチは…

なんかこう、もっとあるだろう…!(笑)

個人的にはこの玉子がゆは夏山にピッタリ。暑さでグッタリしてても程よい塩味で食が進みます。オーバーヒート気味の身体に冷えたかゆでクールダウン、とは言い過ぎかもしれませんが食べ終わった後に小さくまとめられるのもポイントです。お勧め。

最近(というか全然)バーナーを使っていないな…。雪のない冬山にでも登って利用促進していかないとガス管が錆びてしまうかな?

12:20 下山開始

後は粛々と下げて行くだけです。毎度ながら個人的には登りよりもキツいと感じる下山ですが、精神が磨き上げられるのはこういう所なのだ、とも思う。

14:00 急場は此処まで

裏磐梯側の道で一番良かったのは銅沼から噴火によって山体崩壊した磐梯山が鏡写しで眺められたところでしょう。非常に美しい。白眉であります。

14:20 銅沼

今回はスケジュールの都合により五色沼までは歩かないのですが、昔会津磐梯方面に遊びに来た際にはこういう風景をいくつも見せてもらった様な記憶があります。が、その良さというのは自分の足で歩いてみて初めて理解できるものでありますな。正に温故知新。

真意も価値も本質も。大事なことは外から与えられたり求めたりするのではなく、常に自分の中を掘り進んだ先に有るものと。こう思います。

 14:40 裏磐梯スキー場

この頃には温泉とビールを求めた…飢えた眼で歩いていたと思う。大事な事とかそういうのはどうでも良いんだよ、といった具合。浅ましくも私も一介の人間をやっております故。

15:30 裏磐梯レイクリゾート

精魂尽きた先の一杯。
美味い酒とは、こうやって呷るのである。


・・・
当初は長く塩漬けになっていた2泊3日の山形方面の登山を計画していたのですが、この度は仕事の影響により急遽1泊2日の代替プランとして歩いてみたものです。が、お昼以降も天候が崩れず当初想定よりずっと良いトレッキングが出来たと思います。

もう少しアクティブにプランを立ててゆきたいのですが、コロナの影響(特に人の出)も鑑みて都度判断をしてゆかねばならない点、アンテナを高くしてプランを組んで行きたいところです。

2021年6月14日月曜日

箱根・外輪山(丸岳~三国山)(難易度:★★☆☆☆)

今回は箱根外輪山の西側を乙女峠から南下してみました。
このルートは登山道の一部が長い間崩落したままとなっていて通行ができない状態だったのですが、昨年あたりに迂回路が完成し通行が可能になったとの情報が流れていたことから歩いてみたいと思っていたルートの一つであります。

8:35 乙女峠

今回はバスタ新宿から登山口までバス1本でのアクセス。小田急はバスも鉄道も費用が抑えられていて、2時間足らずで到着するのですからハイカーにとっては有難い限りです。1800円ちょっと也。

8:45 BSから少しだけ車道沿いに歩き、左折すると登山口

ひと登りすると乙女峠に出ますので、そこからは稜線歩きが楽しめます。

9:10 乙女峠

ここから外輪山の東方面(金時山)と西方面(三国山)に分岐します。過去に数度金時山に遊びに行ったことがあるので、今回は三国山方面のルートで箱根港を目指します。

9:45 丸岳

ルート上では眺望の良いポイントが多いのですが、思い返すとここがベストだったかもしれません。麓のゴルフ場と芦ノ湖、大涌谷が一望できるなかなかの眺望。芦ノ湖の奥の方が今回のゴール地点ですが、大分距離が有り歩き応えが期待できそう。


10:00 富士見台(今回は真っ白)

今回歩いている箱根外輪の西ルートは富士山は殆ど見えないとの話だったのですが、条件が良ければここから見えるとのこと。
それにしても様々なポイントに存在するであろう「富士見~」という名が冠されたスポットからは御神体がなかなか拝めない…のは気のせいだろうか?うーむ。

トトロのトンネル

以降も雰囲気のあるルートを歩けるのですが、芦ノ湖スカイライン(車道)と並走するルートということで、車バイクのエンジン音が断続的に聞こえてしまうのはちょっとだけ惜しいな、と思わせてくれます。歩く前は外輪山ルートということで八丈富士みたいなイメージを持っていたのですが、寧ろ伊豆半島の金冠山への道に雰囲気が似ているかもしれません。

10:55 富士見ヶ丘公園

こちらは南方の沼津市街方面と伊豆半島方面が望めます。夜景はさぞや綺麗であろうと思わせてくれるなかなかの絶景。ルートの前後は両側が藪で覆われていたこともあり解放感が有ります。風が気持ち良い!

11:15 箱根芦ノ湖展望公園

大分歩いてきました。このルートは座って休めるポイントが多いしエスケープも簡単、景色を望めるポイントも多いのでハイカーを始める人には良いかもしれません。

11:30 湖尻峠(「別料金」とありますが勿論有料登山道という訳ではないです)

暫く歩くと前面に三国山を捉えるポイントに出てきます。ここから下げて上げる訳ですが、おそらく今回の一番の頑張りどころかもしれません。

12:20 三国山山頂

随分登った気がしていましたが、実は最初の丸岳より標高的にはちょっとだけ低いようです。ベンチも豊富だったのでここで昼食を取る。

13:00 崩落ポイント

進んでゆくと情報で掴んでいた崩落ポイントに出くわします。見事なくらい崩落しており、おそらくルートを刻んでもすぐに消えてしまうのでしょう、迂回路は3~40メートル下げて上げてというタイプになっていました。ステップも橋も基礎を入れることが出来ないので徐々に消えてゆく消耗品という印象。整備する側は大変だろうな、と思わずにはいられないです。

13:30 山伏峠

ここからは富士山が望めるようだったのですが、どうやら自粛期間に突入していたようでした。本日はタイミングが悪かったようで“また別の機会に”ということですかね。
ですが、ガスったモノクロームの世界、実は大好きなんです。。。

今回のルートはゴルフ場が多く見えます

そこから少し歩くと…


15:00 箱根峠(道の駅)

ここまで来るとゴールが近いです。箱根港までのバイパス道への入り方が少しわかりにくかったですが、車道横の歩道を少し歩いた先に左折すると大昔から残っている旧街道に入れます。


そこから30分程度歩くと今回のゴール地点である箱根港に到着。

15:40 箱根港(芦ノ湖)

今日はあの奥の方にある山の上から歩いてきましたが振り返るとなかなかの距離。充実のハイクだったと言って良いと思います。
箱根界隈も歩いていないのは中央の大涌谷~神山~箱根駒ケ岳を残すのみですが、大分長いこと通行止めが続いておりコロナとは関係なく暫くはお預けになっちゃいそう。

「ここからだ」

正月はこの界隈は大分賑わってるんでしょうね。そろそろ私の山歩きも少しエンジンをかけて行きたいところです。

ロマンスカーの車内アナウンス前に流れるジングルが大好きオジサン

今回はあまりキツイ登りが無かったので体力に大分余裕を残しての帰還と相成りました。
昨年はコロナウイルスにより登山プランがまったく実行できず猛烈なモヤモヤを抱えての1年でしたが、今年は世の流れが大分正常な方向に向かいつつあるのである程度の身動きが取れ始めています。

・・・
歩けば歩くほど強く思うのは、登山は何度も何度も自分の中で正スパイラルを繰り返せる活動である、ということ。自分にとってシンプルであり且つ確かで、非常に重要な活動なんだという点でしょう。
目標を立ててそれに向かってプランを立てる。イメージがゴールまでスッと伸びた瞬間の、あの体がカッとアツくなる感じ。

やめられません。

2021年5月4日火曜日

奥多摩・雲取山(take2)(難易度:★★★☆☆)


以前雲取山を歩いたのはもう6年前になります。その際は鴨沢バス停からピストンしたものの山頂でガスってしまい景色が望めなかったこともあり、いつかは再チャレンジしてみようと考えていました。ですがここ最近は大人気アニメの舞台になっていたとのことで人が多そうであることが予想されたため機会を伺っていました。

9:15 クライムオン

理想的には8:00スタートなのですが、東京からのアクセスだと9:00スタートが最速となります。奥多摩・鴨沢バス停から登り上げるこのルートは往復20kmオーバーで累積標高も1800mを超えるロングコースということもあり、極力日が落ちる前に戻ってくるようにするためにはタイムマネジメントに少々気を使う必要があります。


鴨沢ルートの良いところはこの穏やかな斜度と殆どガレていない歩きやすい道だと思います。自分のペースを作りやすく息が上がるような無茶な登りが無いため、余計なことに気を取られずガッツリ歩けるのです。その分トレランされてる方が多い印象。

11:30 小屋分岐

前回歩いたときは小屋経由で昼食をとった記憶がありますが、今回はいったん山頂を踏んで下山に要する時間を見極めた後にします。鴨沢ルートは基本的には1泊2日なので日帰りピストンを行う場合は時間的なメリハリがとても大事。もしバスの最終便や日没等の要素で下山の時間を確保出来ないと考えた場合は山頂を踏まずに引き返すことも状況に応じて判断する必要があるからです。


道中、崩落したら一発でルートが遮断されそうだなー、と思わせてくれる木橋に遭遇。更にその先を歩いて行くと…

Oh...崩落している

結果的には問題なく通行できたのですが、雨や積雪雪崩などで道はどんどん消えてゆくというのを現在進行形で見れた感じでした。私達が当たり前のように歩く山道も誰かが整備を続けているから。過去に日光湯元から白根山への旧道を辿った時にも同じようなことを強く考えさせられた記憶があります。有難いことです。


鴨沢ルートのボーナスステージと言って良いと思うこの稜線歩き。後半はこのように周囲の視界が開けた感じに移り変わって行きます。風がとても気持ち良い。
この日は基本的に晴れていたのですが、ここを歩き始めた途端に雪がちらつき始めたのはちょっとしたサプライズでした。太陽光が強く差してる中での降雪はまるでダイヤモンドダストのような美しさがありました。

13:30 雲取山山頂


今回も無事頂を踏むことが出来ました。遠方の眺望もバッチリで満足度高し。

17:00 下山

一般的に下山後に使われるであろう鴨沢バス停からのバスは(2021年5月現在)16:03、16:33及び18:40発なので、17:00下山は中途半端なタイミングでした。前回も同じ様に感じたのですが、つくづく17時台のバスが無いことが惜しまれます。
但し今回は近くにいらっしゃった方から「3つ先のバス停(留浦BS)から18:05発がある」との情報を教えて頂いたため、そこから乗車し帰宅の途につきました。雲取山(鴨沢ルート)へのピストンで交通機関を使用される方は覚えておいて損はないと思います。

・・・
今回は至極シンプルな山行でした。本当は三峰側から登って鴨沢に下る等の変化を持たせたかったのですが、現在の世の中の流れ的にあまりリスクのある歩きをプラン出来なかった、という背景があります。来年辺りにはもう少しコロナ禍の状況が改善してると良いのですが。どうなんでしょうね。