2022年7月25日月曜日

丹沢・塔ノ岳~丹沢山 (take3)(難易度:★★☆☆☆)

7月前には梅雨が明けていたのにも関わらずのこの戻り梅雨。更にはコロナ禍拡大。
折角の3連休だったのですが元々予定していた小屋泊プランがまたもNGとなったため、再び安近短のルートを選ばなくてはならず、体力維持の意味を込めて今回は丹沢をピストンすることとしました。


7月なのである意味高山エリアよりもキツい

丹沢の歩きにおいては少し前にあれ程山蛭で苦しめられたにもかかわらず、また雨上がりに歩こうというのだから我ながら呆れてしまう。そもそも悪天が続いているのだから暫く登山以外にリソースを使ってゆく方が建設的なのではないか?という思いもまぁ有るわけですが、今回は少し訳ありでして…。

My new gear...

これまで履いていた登山靴のソールがいよいよ崩壊してしまい一部が剥がれ落ちるまでに至ったため、新しくSCARPA ZG TREK GTXを調達しました。用品店で色々履き比べましたが、自分が判断軸にしていた「少し柔らか目で長時間の歩きでも疲労が蓄積しにくそうなやつ」という点、及び「自身の足の形(幅広)にフィットするやつ」という2点を最も良く満たしていたためこれを選びました。

であるならば!速やかに履いて歩くというのがハイカーとしての最低限の所作でありましょう。

7:40 雨の大倉

「戻り梅雨の中であっても、雨天の隙間を見計らって歩ければ良いのだけど…」と考えていましたが甘かったようです。雨の中歩き始めます。

11:20 塔ノ岳山頂での富士山チラリズム

山頂に到着した際には(一時的ではありましたが)青空を拝むことが出来ました。雨天スタートだったので日を浴びると体の底からエネルギーが噴き出てくるような感じです。振り返るとここが本日のハイライトでありました。

行動食でカロリーを取り入れた後は次の丹沢山に向けてスタートします。

丹沢稜線

過去に何度も歩いた丹沢稜線。スパッと晴れてくれた方が気分は良いのでしょうが、個人的にはガスっていて時々良い表情(道、景色、花)を自分なりにキャッチアップできる道の方が好きなのです。完璧でなくて良いのです。

12:30 丹沢山山頂

上信越方面などへのお金のかかる遠征でガスられると些か残念な気分になってしまうかもしれませんが、ここでの歩きは良い景色を望むことの優先度がもう、あまり高くないことを感じます。きっと自分なりに昇華しつつあるのだと思います。

遠くで雨が降ってる

この稜線を初めて歩いたのはもうだいぶ前になりますが、檜洞丸~蛭ヶ岳~丹沢山~塔ノ岳縦走の時だったと記憶しています。あの時もこんな曇り空でしたが随分と無茶してたよなぁ。

14:10 塔ノ岳2回目

この時間になってもたくさんの人に写真を撮られまくる超人気者。きっとGoogleフォトのビックデータをひっくり返すと、壮絶な枚数の過去写真が出てくるのではなかろうか。

16:45 下山

そういえば登山口の横の貯水ポンプ横に、新しく顔を洗える水場が設けられているのを発見。自動節水蛇口ではなかったのでやらかしてしまう人がいないか少々心配ですがとても有難いことです。

価値の最大化でありますよ。美味し。

・・・

今回は新しい登山靴の履き慣らしで歩いてみましたが、靴擦れ等も発生せず良好な結果が得られました。この先予定しているプランで使い倒していこうとは思うのですが、天候不良が続いているのでどうなることやら、といった感じです。ハイシーズン(7~9月)の1/3が雨天ばかりだと正直言って先が思いやられる。

そういえばスマートフォンを見ていたら本日の消費カロリーが表示されていました。チラリと見たところ体の基礎代謝を含めると4000キロカロリー消費した…らしい。食べ物に換算するとどんな感じなんだろうか?

2022年7月3日日曜日

奥多摩・御前山(難易度:★★☆☆☆)

以前遊びに行った鷹ノ巣山の帰りに見た御前山の立派な山容が記憶に残っていたのと、奥多摩三山(三頭山・大岳山・御前山)の内、御前山だけは何故かピークを踏めていなかったよな…ということで今回は奥多摩湖から登り上げて、(バスの乗車時刻を気にしなくて良い)奥多摩駅まで歩いてみることにしました。

本格シーズン直前の低山ハイク

まずは奥多摩駅からバスで15分程度で到着できる奥多摩湖に到着。今日は登山計画上始発電車に乗る必要がないことが分かっていたため、少々遅めのスタートとなります。

今回のピークが一目瞭然

天気はド・ピーカン。梅雨の時期とはいったい何なのか…と思わずにはいられない。
入念に準備体操をした後にまずはダムの堤を超えて登山口にアクセス。猛暑ではないものの、夏の入り口を感じさせる陽気で今年の低山ハイク前半戦は今回のハイクで一旦閉めになるのかな、といった感じです。

9:00 登山口

登山口は光のコントラストが非常に美しかったです。
これは私だけの感覚なのかもしれませんが、この歩き始めの「掴み」って結構重要で、その後の歩きの良し悪し(テンション)を占う上で非常に示唆的な「何か」を感じるものがあります。

10:00 サス沢の頭

ひと登りするとスタート地点の奥多摩湖の全景を拝むことが出来るポイントに到着。そこからはゴールデンウイークに歩いた鷹ノ巣山登山のスタート地点である倉戸口(出っ張ってる所)も見えて、自分がどんな稜線伝いで歩いて行ったのかが手に取るように分かりました。


道自体は整備が行き届いており極端な危険ポイントもあまり無いので、奥多摩界隈の中でも歩きに集中できる優秀なルートの一つなのだと思います。

11:11 惣岳山

山頂の直前にある小ピーク兼チェックポイント。そう言えば惣岳山って同じ奥多摩エリアの高水三山にもあったような気がする。他にも「駒ヶ岳」なんかが有名ですが、もう少しこう、被らないように頑張って命名されると良いのですが・・・。

11:30 御前山山頂

以前どこかのWEBページで「御前山の山頂には景観がなくつまらない」的な紹介記事を見かけたような気がします。ですが現地に到着するとそのようなことはなく、十分な景観が広がっておりエリア面積が広くベンチも十分な数が有るため、到着したハイカーを受け入れるキャパシティとしては私は高いと感じました。もしかしたら山頂からの景観確保のために手が入ったのかもしれません。


奥多摩エリアも有名どころはボチボチ登り尽くした感じ(ホンマかいな…)があるな~、などと恐れ多いことを(卵粥を啜りながら)思い耽る。

12:17 クロノ尾山

そう言えば御前山は登りがキツいという前情報を持っていたのですが、鋸尾根から御前山を目指すと樹林帯の登り一辺倒と思われるところが確かにありましたので、そこそこの忍耐力は必要かもしれません。
今回は下りで使用したので全く支障はなかったのですが、景色の展開があまり無いということは、自分と、対峙している山との間に何も介入してこない、ということでも有りましょう。

このような道を歩いていると、自分が一体何を目的として何を喜びとして歩いているのか理解が深まってゆく気がします。

12:27 謎階段

道中、数十メートルの超整備された階段に遭遇しました。
経年劣化の激しい登山道の階段に対し、斜度と幅のいずれも難の無いこのポイントに何故全力投球で整備されているのかは判らず。ですが、いつもの「ハードル」の様な障害物状態となってしまっている階段とは比べ物にならないくらい歩きやすかったです。
うーむ。東京都のお金の使い方とは一体…。

13:11 鋸尾根との出合い

あとは大岳山から奥多摩駅に向けての縦走路と全く同じルートになります。鋸尾根は岩場とハシゴ場がちょくちょく出てくるので歩かれる方は最後まで気を引き締められたし。

15:14 下山完了

それにしてもゴールして感じるこの、「シーズンが始まる」感は一体何なのか!(笑)
今年は(完全ではないが)コロナの呪縛から解放された1年目。チャンスを掴んで素晴らしい歩きを重ねて行きたいものです。


Let's go !

2022年6月11日土曜日

丹沢・弘法山~鷹取山~大山(難易度:★★☆☆☆)

 梅雨入り前、ということもあり色々とプランを組もうとしていたのですが、この時期は上信越であっても雪が若干張り付いているため、大きく出ることに躊躇してしまうなんとも痒い感じの季節帯だったりします。

そんな折、以前東丹沢を歩いていた際に見た大山の秀麗さが思い起こされたためもう一度遊びにいってみることにしました。但し往路はバスを使用せず自分の足で歩く、という条件付きで。

今回は秦野駅から歩いて大山山頂を目指します。

雨上がりの気持ちの良い一日。今回は久しぶりに秦野駅スタートとなります。


この駅はヤビツ峠行きのバス目当てに多くのハイカーで(休みの日には特に)長蛇の列が生成されています。今回はそんな喧騒を横目に素通りし、まずは弘法山に向けて歩き出すのですが、これがちょっと気持ち良いのです(笑)


駅から少し離れて水無川沿いの閑静な住宅街を歩くと、目指す弘法山公園(丘ですね)が見えてきます。

7:56 弘法山公園入り口

「公園の入口」と謳って入るものの、見た目は道路脇にある小さな畑。裏道から道に入って行きます。


ですが10分ほど歩くと非常に気持ちの良い空間が現れます。「あ、やっぱり公園だったんだ」といった感じでしょうか。どうやらメインルートはもっと北側に有るようで、自分の歩いてきた道は公園出入り口の裏道だったようです。

8:30 弘法山公園

ここからは秦野市街を一望することができました。公園内には散歩している老人数名がいるのみで時間の進み方が幾分ゆったりしている印象。


更に奥に進むと小さな神社があったので本日の山歩きが無事フィニッシュできるように手を合わせます。

ですが・・・

9:40 念仏山

この念仏山周辺と高取山周辺にかけてのルートには丹沢名物のアイツが地面にのたうち回っていました。そう、「山蛭(ヤマビル)」です。

10:40 高取山

この山蛭は糸ミミズを少し太くしたような容姿なのですが、皮膚に憑かれてしまうと血を吸い上げられた挙げ句、出血箇所後が固まらない毒液(ヒルゲン)を挿し込んでくるため"気がついたら血だらけ”といった状況に陥ることになるとても厄介なヤツです。

ロックンロール

しかも数歩歩くごとに体に数匹ずつ付着する始末で、なんと靴下の中まで数匹潜り込まれて吸血されてしまっていました。これにはだいぶ手を焼いてしまいました。。。持参していたハッカ油スプレーで対処したのですが、結局吸われ尽くした後に使用したため効果があったのか無かったのかは良く解らず。

更には山蛭のお陰でザックを地面に置いての休憩が事実上「不可能」という事態に大分苦しめられました。首筋に気持ちの良い風があたっても山蛭に憑かれたような錯覚が何度も襲うため半狂乱状態(笑)

道は本当によく整えられておりこれさえなければ気持ちの良い歩きが堪能できた筈なのですが、今思い返すと丹沢、6月、雨上がり、通行者数があまり多くないルート等、山蛭発生には条件があまりに揃いすぎていた、という訳です。

11:00 アスファルト道出合い(超休憩)

そんなこともあり、アスファルトを見た際には思わず声を上げてしまいました。悪魔を寄せ付けない聖域でありますよ。これまでは「丹沢は蛭が出るぞ…」と散々脅されていたにも関わらず、大倉尾根や表尾根、西丹沢や東丹沢を歩いても蛭に憑かれたことはなかった(と思う)ので今回はかなり衝撃的でした。

で、そんな自分の横を(足と腕を露出した)綺麗なオネーサンが颯爽とトレランしてるんですよね。何故あの悪魔が私のような中年男の血を吸うのか解せない感じだったのですが、恐らく今回の件は「止まるんじゃねぇぞ」という天からの強いメッセージなんでしょう。停滞の許されない我が人生への教訓です。


ですが、山蛭の巣窟もここまででした。丹沢らしい整った木道が現れて一安心しつつ歩くことができました。

かごや道

ここから大山表参道の16丁目までは人が少なく整ったルート(かごや道)を自分のペースで歩けます。いい感じが戻ってきました。コレです。今回の丹沢に求めていたのはコレです。

12:45 16丁目

16丁目に到着。大山のメインルートである阿夫利神社からのルートと合流するためハイカーの数が多くなります。

ベンチでよもぎ大福(粒あん)2個入をモチャモチャ食べていると、外国人ハイカーが沢山遊びに来ていたのを見かけました。もうコロナの影響も町中でのマスク着用を除くと大分落ち着いてくれた感じです。このまま良い流れに進んでくれれば良いのですがどうなることやら。

13:45 大山山頂

山頂はガスで真っ白の虚無の世界

今日の大山は実に濃密な表参道ヒルズな一日だった・・・とボヤきつつわっぱ飯を食す。旨い。

その後は登山客が猛烈に多くなってきたので粛々と下山。

15:00 阿夫利神社下社

山頂はいまいちでしたが、少し下ると遠くまで見渡せる実に良い天気でした。

15:23 大山寺

帰りに大山寺のある女坂ルートを歩いたのですが、この日はタイミングよく御開帳の日だったらしく読経が周囲の山々に響き渡っていました。

夕暮れの斜陽とお経を聴きつつの山歩きには心を在るべき姿に戻してくれるような、ある意味至高の時間でした。こういう稀に訪れる自分にとって素晴らしい瞬間と邂逅できるのも山歩きの醍醐味だと考えています。

15:50 下山

登山口に有る豆腐屋とお土産屋さん、コロナ禍を乗り越えて以前と変わらず残ってくれていました。動かざること山の如し。

旨し

今日のご褒美!脱アルコールで帰りの電車内でも気分が悪くならない特殊なドリンクでこれまでとは違う自分をアピール。