2022年5月7日土曜日

奥多摩・鷹ノ巣山~六ツ石山(難易度:★★☆☆☆)

今年のゴールデンウィークは当初、昨年一昨年とは違い、コロナ禍による行動制限が大幅に緩和されたことから大きく出歩いてみようと考えていました。ところが天気はちょくちょくと雨が予報されていたため、2泊3泊のようなプランは一旦控え、近場で数をこなす従来路線に落ち着かせることに。

奥多摩湖から鷹ノ巣山を経由し、奥多摩駅を目指します

今回登る鷹ノ巣山は昔何度か遊びに行ったことのある雲取山の東方に位置し、累積標高も1600mオーバーであったためミニマムなプランでありながらもそこそこ歩き応えが期待できます。帰りもバスを使用せずに済むため時間に追い立てられることもなく、新緑の中の歩きを堪能しつつフィニッシュ出来るところは魅力と言って良いでしょう。

8:20 倉戸口BS

スタートは奥多摩駅からバスで15分ほどの倉戸口BSになります。

 

ゴールデンウィーク中は観光地の人出や高速道路等の渋滞が凄いことになっていたようですが、私の歩く道はそれはそれは静かなものです。

奥多摩らしい杉の人造林

序盤は日頃溜まった雑念で頭の中が一杯になっているのですが、徐々に目に入ってくるものと状況踏まえた前進が1対1になり、自身の内側から雑念が消えて研ぎ澄まされてゆくのが解ります。インプットとアウトプットの間の無駄が無くなり目的に向けて大事なものだけが残った状態、「没入感」と表現すれば伝わりますでしょうか。

女の湯(倉戸山)

そう。雑念が…消えるのです。
きっと左に進むと断崖絶壁なんでしょう。人生そんなもんです。

ロープ柵地帯

事前に情報収集することで今回のルートは比較的初心者向けであると認識していたのですが、面積の広い雑木林且つ落葉によってルートが不鮮明になりがちなポイントが幾つか有ったため警戒しつつ暫く進む。すると結構長い距離のこのようなロープガイドを発見。どうやら道に迷うハイカーが続出した過去経緯があったようです。

それにしても歩く度に耳に入る落ち葉のサクサクという音にえらく癒やされます。。。

10:40 榧ノ木山

チェックポイント通過。標識がないと絶対に気付けない系の小さなお山。

11:20 石尾根との出合いポイント

ここからは目指すピークである鷹ノ巣山の御神体を一望することが出来ました。
ピーク前の視界の広がり方が雲取山の鴨沢ルートにそっくりです。

11:35 鷹ノ巣山山頂

他県のピークでは老朽化や落雷による交換を前提にした木製の山頂標を採用していることを考えると東京都は大分お金をかけているように思えます。御影石でしょうか。

この日は青空が本当に綺麗で、遠くの富士まで見渡すことが出来ました。

中身がちゅるんと飛び出してしまう危険性があり油断ならないサラダチキン

そういえばここ最近の山行ではランチにカップラーメンを食しているのですが、胸焼けで微妙に具合が悪くなるような気がするのは歳のせいか。


その後は奥多摩駅に向けて下山となりますが、途中でもう一つのピークが有るようなので一応踏んでゆくこととしました。



13:40 六ツ石山

雲取山には七ツ石小屋というものがあったので、きっと五ツ石や四ツ石という名前のポイントが存在するのかもしれません。目黒と目白みたいなものなのでしょう。

下山中にモノレール風味トロッコの線路を見かけました。登山道すら時間とともに消えてゆくのに運搬インフラを作られていることに少し驚いてしまった。ちゃんとメンテナンス可能なものなのだろうか?道なりに辿ってゆくと…

始発駅がありました。何を運ぶんだろう。

途中、御前山の御神体を拝むことが出来ました。つい先日大月界隈で同じ名前のピークを踏んだばかりでしたが、いつか遊びに行ってみようと思います。

16:00 下山完了

民家の脇裏が登山口になっているのですが、頻繁にハイカーが出入りするポイント近くで暮らすというのはどのような生活感なのだろう。自宅裏からビカール・サンがもりもり排出される家…。

16:40 奥多摩駅

・・・

ということで奥多摩界隈でのトレッキング記録でした。

5月は奥多摩や丹沢といった低山巡りが本当に気持ちの良い季節です。このブログを閲覧されている方で山登りにあまり経験がないものの少し興味が有るな、と思われる方はある意味「才能」の有る方です。奥多摩や丹沢界隈のトレッキングはメジャールートを歩く限りは危険性が低いですし、あまりお金や時間を必要としないにも関わらず健康やダイエットに役立つ非常に大きいメリットが有りますので是非ともオススメしたいところです。

実際に歩いてみてピンと来るようであれば後は「沼」に一直線!きっと目に見えるもの以外のすべてを満たしてくれる幸せな世界が待っています!

列車内でなんとなく具合が悪くなった今日の一杯

2022年3月22日火曜日

御坂・高川山~馬立山~御前山(難易度:★★★☆☆)

今年に入ってから秩父・丹沢と 歩いていたため、今度はもう少し南方を歩いてみようと思い立ち、今回は御坂方面に登りに行ってみました。

3つのピークを繋げます

御坂山塊というと山梨県まで足を伸ばした先にある大月駅界隈。過去には秀麗富嶽十二景シリーズをいくつか登ったことがありますが、そのいずれの山頂においてもガスにより富士山が望めずいささか消化不良感が残ったことを覚えています。

7:50 初狩駅

今回は大月駅から一駅先にある初狩駅がスタート地点になります。非常にノスタルジー感のある駅舎で、個人的には電車ではなく蒸気機関車の駅舎といったほうがイメージにマッチすると思われました。

序盤は看板に沿って歩いて登山口にアクセス。バスに乗らなくてよいので時間等の縛りがなく気ままに歩くことが出来ます。

8:13 登山口

自分の他には2~3組程度のハイカーが歩かれていました。丹沢や奥多摩とは趣の異なる静かな道です。


山頂まではオーソドックスな道が続いており、極端に危険な箇所やエグるような登りもないため歩きに集中できます。途中で男坂と女坂に分かれていましたが、今回は直ぐに上げて行けそうな男坂を進みました。何にでも言えることですが、最初険しく見える道は後半緩やかになり、逆に緩やかな道を選ぶと最後にキツい思いをするものです。

9:10 高川山山頂

暫く登ってゆくと山頂に到着。
本日は良く晴れていて富士山が綺麗に拝めました。まさに秀麗富嶽といった感じで見事。

秀麗富嶽

お昼にはまだ早いため、少し休憩してから次のピークに向けて歩き始めます…、がその際登山道が4つに分かれていて一瞬足を止めて進む先を見定めます。

10:40 リニア見学センター

一旦下山を完了すると目の前にはリニアの高架橋と見学センターの建屋が。今日はリニア車両の走行が予定されていないようであったため見学センターには立ち寄りませんでした。里山感溢れるこの村にも見学者で賑わっていたりするのかな。

早めに開花していたソメイヨシノ

春の陽気で少し暑いな・・・と思っていたら既に桜が開花しているではないですか。(東京ではこの翌日開花宣言がされていたので大分早咲きだったと思う)

11:00 田野倉駅

チェックポイントの田野倉駅…ですが、ルートマップを見返したらあまり立ち寄る必要のない場所だったことに気づく。あれ(ヤマケイオンライン)って高川山と御前山を繋ぐことを前提として書いておらず、田野倉駅起点で両座にアクセスできるように描いているのね。勉強コストは15分のロス。

微妙な道標

進もうとしている一座は馬立山及び御前山なのですが、道標は九鬼山のみが書かれておりルートマップを見直す。(稜線に上がった所の分岐先一方には確かに九鬼山も存在していたのですが…)

12:30 馬立山山頂

木々の間から周りを望めはするものの眺望はイマイチだったか。場所的に山頂というより偽ピーク的な雰囲気があり、どうにも区切り感が掴めなかったのでそのまま先に進むことにしました。

12:42 トラバース

馬立山から御前山へのルートには行き先を正確に見極めつつ進むべきトラバースがいくつか有りまして、(一応ロープなどで示されてはいたのですが)一つずつ丁寧に進まないと良くないな、と感じるポイントが山頂直下から散在しています。久しぶりのGermin(ちゃんとしたGPS)をザックの底から取り出し慎重に進む。バッド・キャンバーですな。

12:50 沢井沢の頭

ここも「菊花山」を道標に記載しておいた方が助かる人が多いかも?と思いました。


菊花山と御前山の分岐ポイント。プラン通り御前山に進む。

13:25 午後の御前山

道中些か油断ならないポイントが幾つかあったこともあり中々の達成感。


遅めのランチを取りつつ一息入れます。この山頂は片側が断崖で切れているため見晴らし良し。景色を拝みつつパンパンに膨らんだカップ麺を啜る。

その後は大月駅に向けて下山を開始。


幾つかあったこの手のトラバース。斜度がキツイこともあり登山道の劣化が早くメンテナンスが追いついていない印象でして、ロープがないとルートをロスる可能性があるレベルだと思われました。雪が張り付いているときに歩いたらそれはそれは大変なんだろう…。


14:00 厄王権現

仏様が鎮座していたので手を合わせ祈る。
己のこと、支えてくれる沢山の人のこと、世界のこと。

14:30 下山

下山後のポイントが大月駅と猿橋駅の中間点であったためどちらに進むべきか迷いましたが、列車内でより座れそうな大月駅に向けて進む。この頃には空が雲で覆われて小雨模様。午後から天気が崩れやすい暖かな季節に足が入ったということですな。

14:50 大月駅

ということで秀麗富嶽十二景の縦走でした。

感じたこととしては稜線が樹林帯となっている低めの里山であってもマイナーな縦走ルートに足を踏み入れるとそこそこの難易度が出てくる、といった「低山あるある」な点でしょう。自分は装備としてGPSを2機種使用しており、その上で紙媒体のマップといった準備ですべての山歩きを行っているため、基礎(不安を感じたら即引き返す、自分を疑う等)を見失わなければ問題なく進めるとは感じていますが、そうではないハイカーは気を引き締めて歩いたほうが良いと思えるルートでした。

菊花山を眺めつつ乾杯!


次はどの山に登ろうか。

2022年3月11日金曜日

丹沢・塔ノ岳~鍋割山(難易度:★★☆☆☆)(take2)

先週の秩父長瀞での歩きが思いの外気持ちの良いものであったため、体の元のリズムを再び掴むためにホームマウンテンを歩いてきました。

前年末の丹沢山行と同じ大倉~塔ノ岳~鍋割山~大倉

2月の丹沢は上の方に雪が少々張り付いているため、ベストシーズンは3月~5月の春であると考えていましたが、ここ最近は降雪もなかったため問題ないだろうと判断。現地に到着すると同じように考える人も多いようで、多くのハイカーで賑わっていました。

8:13 大倉尾根登山口

渋沢駅からバスで大倉に向かう際も道路工事が完了したらしく到着まで少々時間短縮されているようでしたが、登山口付近も新しく道にコンクリートが敷かれていたようです。何気なく歩いている道も保守管理されているんだな、と感じさせてくれます。


大倉尾根は階段が断続的に続く印象ではありますが、迷う要素が皆無でこの季節は歩きに集中でき、もりもり高度を上げて行ける感じがあり個人的には好きな部類です。
階段が厳しくなるのは稜線に上がった後の駒止茶屋以降だと思うのですが、この頃は体にエンジンが掛かっており上りに集中出来ているため不思議なくらい退屈さを感じないのであります。


花立山荘の手前だった筈ですが、眺望がひらけて毎回「登ってきたな」と思いつつ写真を撮ってしまうポイント。

11:15 塔ノ岳山頂

この日はアイゼンを持参し忘れていたため丹沢山方面には行けず、そのまま塔ノ岳山頂にてランチ。


時折雪煙が舞っていたように見えた富士山。今年は登れるようになるのかな?

その後は鍋割山経由で下山しましたが、稜線に多く残った融雪により少々難儀。

13:04 鍋割山山頂

丹沢方面は何度も歩いていることもあり、自分の中では余裕で下山と相成るかと思いがちですが、そこそこの累積標高があって結果的にはガッツリ歩いた感に満たされつつ大倉に帰還できるため、程良い疲れを感じられて満足感が高いです。

長く歩きたければどれだけでも山を繋げられるバリエーション豊かなルートが最高な丹沢。
いつか大山から鍋割山、宮ヶ瀬ダムから丹沢山、といったロングコースも楽しめたら良いな、と考えております。

自分の中でのチャレンジをどこまでも受け止めてくれる感のある丹沢山塊はホームマウンテンとしては最高でありますな。うむ。