2015年8月13日木曜日

秀麗富嶽十二景・扇山〜百蔵山 (難易度:★☆☆☆☆)

今年も有難いことに夏季休暇を取得させていただけたため、何処かにフラリと出向いてみたいと考えておりました。

しかしながら昨年海外であったこと、および他で随分と散財してしまっていたことから今年は国内、それもあまりコストのかからない近場で・・・ということに相成りました。

ここ最近は西東京を中心とした登山がマイブームになっていたので、そのシリーズの続きを、という感じで今回は山梨の大月市にほど近い鳥沢駅、猿橋駅近辺の山々を登ってみたのでした。

8:30に中央本線の鳥沢駅に到着

高尾駅から30〜40分程度ですが、随分遠くに来たような印象を持たせる駅舎です。

駅から登山口までは中央自動車道の下を潜ってゆきます。

ここから登山口まで徒歩で1時間ちょっと。登る前に体力が削られるようなアップダウンはありません。実はバスもあるようですが、歩いて問題のない距離でした。

こんな感じで分岐点には看板が必ず設置されており、迷うことがありません。

扇山の登山口

登山口の反対側

登山口というと鬱蒼とした杉林の奥、というイメージがありましたが、実は道の対岸には大月ゴルフカントリー倶楽部があったりします。


スタート地点の観音様。登山の無事を祈ります。

ここで前回の武甲山縦走路の反省として虫除けスプレーを体に吹きかけます。
スプレーは有識者から教えてもらった自作のハッカ油スプレー(ハッカ油:20滴、エタノール:10ml、水:90ml)ですが、これが道中物凄い効果を発揮することに。その後の虻が寄ってきても直ぐに退散してゆくのが分かりました。前回はまとわりつくゼロ戦のごとくなかなか離れてくれず、大分難儀したのでこれは嬉しいものがあります。これでじっくり登りに専念出来るってものです。

グッバイ、アブさん!

(前回は汗が目にしみて目が開けられず、トレッキングポールを時折振り回すという座頭市状態になっていましたからね・・・大違いです)

良い道が続きます

登り始めて気付くのですが、シゴきのような斜度が発生しないことや、所々に休憩ベンチが設置されていたり、キンキンに冷たい岩清水が湧き出ていたりと、非常に登り易い道中となっています。

奥武蔵の時のような鉈斧の様な鋭利な岩がゴロゴロ・・・這って登らねばならない岩や転んで頭を打ったら一大事、なんて事も少ないです。これなら大人数のハイキングもやり易いと思います。

道中の分岐点

1時間ほど登ると分岐点(山頂とつつじ群生地)があります。どうやらこの山、5月近辺に登ると花々で大層美しいそうです。今回はシーズンを過ぎているので山頂コースを選択。

稜線場の分岐点

更にしばらく登ると稜線に出ます。まずは扇山の山頂を目指します。

夏空

覆っていた木々がなくなり空が開けてきました。すぐそこが山頂の様です。

到着!

随分と気持ちの良い山頂で、ちょっとした公園の様相をていしております。もう少し涼しければ昼寝が出来てしまいそう。

まだ午前中だったのでランチタイムには少し早かったですが、ここで次の目的地に備えます。

左下のご褒美QRコードにアクセスしたら、綺麗な雪山画像が

「秀麗富嶽十二景」って名前が立派ですよね。ところが調べてみると平成に入ってから自治体側で後付けされたもののようで、比較的新しいもののようです。ですが何でしょう、このコンプリート魂をくすぐるネーミング。良いんじゃないですか〜?

若干樹木で遮られている眺望

実は目的の一つだった富士山の眺望は見えなくもない・・・のですが、ほぼ雲で覆われており、写真ではほとんど分かりませんね。

次の目的地を目指して出発

ここからは稜線伝いのアップダウンが少ない道で、登山、トレッキングというより寧ろ森林散策気分に近いものがあります。溢れ日と風が気持ち良い。

高低差があまりなく、面白いくらいズンズン進めます

トレッキングポールが邪魔になるくらいでしたので、先週の武甲山縦走の時と比較すると3倍くらいのスピードが出ていたと思います(笑)

続く稜線道

そう言えば今回はトレイルランの一行には出くわしませんでした。
自分がハァハァ言いながら登っている横で涼しい顔で駆け抜けるあの一行の体力たるや敬服するものがあります。

木のアーチを潜るとゴールが見えます

2つ目の山に到着

ここも先ほどの山頂と同様そこそこ開けており、更には休憩用のベンチ、テーブルが完備されておりました。

眺望

晴れてはいるものの、雲の量がもう少し少なければ、と欲張りなことを考えちゃいます。1000メートルちょっとの山だからでしょうか、麓の喧騒が若干聞こえたりします。


この山は花の季節に出向いてみると楽しいかもしれません。ただしこの登り易い道を合わせて考えると他の登山客も相当に多いと思われますが・・・。

下山開始

下山は猿橋駅に向けて進んで行きます。これまた下り易い道です。以前に大倉尾根の地獄階段を経験していたからでしょうか、負担はあまり大きく感じませんでした。

見晴台

このように途中に妙に絵になるベンチが。そのまま降りても良かったのですが、まだ14時前だったので暫し休憩。

杉の平行線と、金色の斜陽線が時折神々しい風景を作っていたりします

麓までもう少し

下山完了

山道の終わりは民家の側です。駅までは30分〜40分前後といったところでしょうか。

駅に到着

事前に調べていたら、この縦走コースは7時間程度を要する!と書かれていたため、そこそこ歯ごたえがあるだろうと踏んでいたのですが、実際はストレートに下山すると14時過ぎには到着できそうなライトコース(実質4〜5時間コース)でした。
トレッキングの入門コースとして良いかな、と感じていた奥多摩の高水三山のミニ縦走路と難易度は変わらないと思われます。


ホームからは扇山(右)と百蔵山(左)

正直ちょっと消化不良だったし水も大分余っていたので、そのままオマケで高尾山にでも登ろうかと思いましたが、時間が中途半端だったので止めておきました。


・・・

今年の夏旅行は随分と小さくまとまってしまったのですが、本当は秋田駒ヶ岳尾瀬を狙っておりました。しかし、予約時期が遅すぎてバスがどこも満席だったんですよね。まぁお盆の時期直前に予約を入れるという事自体がそもそもの誤りだったんですけどね・・・。
新幹線等を使用すればいけないこともなかったのですが、旅費も膨れ上がるし天候も微妙だったようなので機会を改めることとしました。

次回のまとまった休みであるシルバーウィークの時期で遠出を狙うなら今のうちに仕込んでおかないとダメですね。事前に計画した以上、最悪雨天での登山を覚悟しなければならない「博打」となるのは仕方がないことなのかもしれません。
”台風であっても、道を外さない程度の雨であれば…まぁそれはそれで良いか”、という自分のマゾっ気がちょっと顔をのぞかせたりもしますけれど・・・。うーん。

2015年8月4日火曜日

奥武蔵・大持山~小持山~武甲山 (難易度:★★★☆☆)

今週末の前半は実家の近くで花火大会があるということでコレに出向いておりましたが、翌日奥武蔵からの縦走登山を控えていたので、お酒もそこそこ(にしたつもり・・・)に抑えて帰宅の途。

翌日は登山の朝ということで以前の通り5:00起床。
(最近、朝起きがあまり辛くないのです)

8:00前に飯能駅へ到着

通勤で乗っている有楽町線(西武線)の行き先に飯能が掲げられていることがあり、その語感と言いますか、個人的に気になっていた駅の一つ。西東京の人が我孫子とか北千住という名称を気にしてしまうのと少し似ている(?)
といっても、まぁ普通の郊外の町の駅ではあるのですが、都心からも意外に近いもので、池袋から50分程度。

飯能市の町おこしアニメことヤマノススメ

バスにて飯能駅から名郷バス停まで乗ってゆくのですが、これが1時間弱(ただし運賃800円程度で良心的)を要する結構な距離。
なんか内装、外装共にアニメキャラでラッピングされており、随分と華やか飾られていました。更にはアナウンスまで女性声優を起用したものとなっており、痛バスここに極まる、といった感じでしょうか。

名郷バス停に到着し、行き先を確認

川沿いに登山道を目指します

 一つ目の分岐を右折し、暫し直進

登山道入口に到着

1時間程度アスファルトを歩いたところで登山道の入口に到着。特に迷ったわけでもなかったのですが、飯能駅到着から登山道まで2時間弱を要しました。

写真の小さな鉄橋を渡った先左方向から登山道が始まります。
まずは妻坂峠を目指して登ってゆくのですが、道はひたすら荒れ放題のガレ場です。とがった岩や石がそこらじゅう転がっており、一部道筋の把握がしにくかったりします。

難易度は這って登るようなシーンもなく、程々といったところ。

妻坂峠に到着。ここでようやく僅かな眺望を拝むことができます。

妻坂峠は武川岳と大持山の間に位置するようですが、今回は大持山方面に向かいます。


縦走ということで、見晴らしの良い稜線を歩けるだろう、と考えていたのですが甘かったです。
視界は樹木に常時おおわれており、眺望はほぼなし。そしてこのあたりから本登山の終盤まで虻の大群に襲われ続けることと相成ります・・・。これが本当にキツかった。岩場を登る時に集中力をごっそり奪っていってくれるんですよね。ちょっとした地獄です。

虫対策も登山には重要であろう、ということで後で調べたのですが、どうもハッカ油を体にスプレーしておくと宜しいそうで。今度試してみよう・・・。

道の先に光

本登山では数少ない開けた場所でした。

なんといいますか、雲がかかってたりするわけではないのですが、眺望を遮る微妙な霞が・・・。

大持山の山頂に到着

この山頂はスペースが狭く、広がる景色も無いため、少し休んで小持山を目指すこととしました。

道中は眺望、休憩スペースらしきものもほとんどありません

歩いて気持ち良い道、などというものはなく、あまり手の入れられていないのであろう、ひたすらハードな登り、下りと岩場の連続です。先ほどの山頂であまり休めていないこともあり正直シンドイ。前々回の丹沢(塔ノ岳)縦走路が如何に楽しく優れていた道だったかを思い知りました。

奥武蔵の山々が一望

ネットで見聞きして気になっていた大持山と小持山の間にあるこの展望スポットを無事発見。雨乞岩というパワースポットだそうです。

足元の岩の下は崖であるため、足を滑らすと大事に至ってしまうのでおっかなびっくりな状態で写真を撮りました。 

 暑さと湿度とアブさんの3重奏

道すがら本登山のラスボスこと武甲山が姿を現します。あそこのてっぺんまで行くのかぁぁ~(笑)

なんとか・・・

第2の山、小持山に到着

ここも十分な眺望、休憩スペースがありません。うーむ。

登り返しがキツいので、高度はあまり下がりませんように・・・

こうなっては最後の武甲山を登り切ってしまうしかないですよね、ということで、ある程度高度を下げつつ道なりに進んで行きます。

小持山と武甲山の中間地点らしい、シラジクボというポイントに到着

武甲山に上りつつ背後を確かめると、先ほどの大持山と小持山が確認できます。結構な距離です。

山頂の入口に到着

看板を見ると、山体から石灰岩を採掘するので、ダイナマイトで爆破するとの警告が。
ここまででも大分しんどかったですが、この先命の心配をしたほうが良いのか?

マスコットキャラクターのブコーさん

山頂の御嶽神社

山頂の展望スポット・・・って、これまた随分小さいですよ?

色々ありましたが、今回の最終目的地点、武甲山山頂に到着

そこから見える秩父市街の景色はなかなかの絶景。頑張ったご褒美ですね。

足場の下に石灰岩の採掘場が。ここが噂のダイナマイト発破地帯?

しばらく佇んだ後に下山開始。帰りは浦山口駅方面を目指します。


尾根伝いの道で景色もよく、風もよく通る素晴らしい道が暫し続いてくれます。
そうそう、登山道ってこういうご褒美がなければダメよね。

下山を続けて行くと靄がとれてきました

クマ注意

尾根伝いの眺望のよい道も終わり、杉林の中を進む・・・って、気が付いたらクマが出てくる危険地帯を進んでいたらしい。そそくさとその場を切り抜けてゆきます。

更に高度を下げると・・・水の流れる音が!

ここの清流が本当に気持ちよかった!

水がただただ冷たく、削られた体力が戻ってくるようでした。これは最高!というか救われました。そしてこの川は荒川の源流らしく、いずれは自宅の前を流れて行くのだな、と暫し呆ける。

長かった登山道の終わりが見えてきた。出口が光り輝いている・・・!

土津園

登山道出口から浦山口駅まで1時間以上を要するのが地味に苦痛でしたが、徐々に民家も見え始め、自販機を見つけた時には思わず呻き声が漏れました・・・。

一気に飲みつくした炭酸飲料が体に染入るようです。
昔、水を満足に飲ませてもらえないまま夏の武道場で汗をかき続けていた剣道部時代を思い出しました。

橋立という集落らしく、鍾乳洞の観光スポットだったらしい。体力を使い果たしていたので勿論パス。

秩父鉄道の浦山口駅に到着

浦山口駅~(秩父鉄道)~御花畑駅~(徒歩)~西武秩父駅~(西武秩父線)飯能駅~(西武池袋線)池袋と3つの路線を乗り継いで帰宅、という流れです。

帰りの車内で天気が急変し、雷混じりスコールが襲ってきたのですが、あと1時間駅に到着するのが遅かったらちょっと危なかったかもしれない・・・。山の天気は舐めないほうが良い、というのはよく言われますが、まさにその通りでありますね。

それと帰宅後のビールの旨さたるや、神が宿っていたかと思わせるものがありましたよ、と言うことも書き留めておこう。