登山を始めたのはもう5年位前の話なのですが、当時はネットの情報をかき集め、紙に印刷した地図を持参して近場の山をトレッキングしておりました。山中でのアドリブによる判断を極力なくす…という点では、事前のしっかりした計画を立てる意識付けの面からもプラスであったとは思うのです。
しかし悲しいかな、当時所有していたプリンターは一般家庭用のインクジェットタイプ。実際に歩いてみると、体からの発汗で地図が無惨な位に滲むんですよね。仕方なくザックに入れて歩いてみてもちょくちょく確認しながら進むことが当たり前の世界、いちいちザックを下ろして荷を解いて、というのが異様に煩わしいわけです。
(紙地図は今でも最後の手段として常備はしているわけですが...)
そんな困った状況に一石を投じてくれたのがスマートフォン用のアプリケーション。
これ、凄いんですよ。
地図画像データを事前にキャッシュしておけるので、山中ではGPS信号をキャッチ出来ればほぼ完璧なナビ環境の元でトレッキングが出来ちゃうんです。
実際に歩いてみると、音声による定期的な歩行距離や高度のアナウンスが可能で(一人で登っていることもあり)なかなか励みになります。そして何よりも他の専用GPS機器よりずっと画面が見やすいんですよね。見やすさってナビアプリのかなり重要な要素であることは間違いないし、触ってみるとコレさえあれば他は要らないような感じさえします。
旅行中のカメラもGPSも緊急用のライトも暇つぶしの道具にもなり得るので何より荷物が減ってくれるのも有り難い。コレは本当に重要。個人的には今でも日本国内ならこのアプリケーションを使い続けたい気持ちがあります。
ですが、一台で完結できる、ということは逆にそれが使えない状態に陥った場合、楽しさや計画面、安全面の屋台骨がへし折れるという事でもあります。結論としてはスマートフォン用のアプリに頼ることを止めて、専用のGPS機器を購入しました。
原因はバッテリーの問題です。
これはアプリの問題ではない様に思われることと、自分の所有する機器固有の問題なのかもしれませんので勿論一般論ではありません。
ZenFone 3 Deluxe(ZS570KL)
事象としてはGPSを使用した状態でトレッキングを続けていると、バッテリーが2,3割程度しか消費していない状態であるにも関わらず突如として「0%」となってしまい、本体が強制的にシャットダウンされてしまう、というものです。こうなると位置情報は勿論のこと、カメラも使えないので道中の記録が一切出来ません。モバイルバッテリーも試してみたのですが、使用時間から見たバッテリー消費速度は抑えられたものの、取り出した際にケーブルが外れると同様のシャットダウン事象が発生してしまうので駄目でした。
最初はWifiの電波探索云々でバッテリー消費が異常に早くなっているのかもとか、他のアプリケーションが通信エラーを繰り返しているかも等、想定されることが幾つもあったのですが、改善の糸口が掴めなかったため原因は判明出来ませんでした。
ただし使い始めてから2,3年が経過しているので、単純にバッテリー老朽化という点も否めない感はありました。仮にコレが根本原因だとするならば。「GPS精度の良いそこそこ高い価格の機器を買っても2年程度で使えなくなる」ということなので、残念ながらスマートフォンからGPS位置情報を得るという使い方自体がお話にならない、という結論になります。登山を楽しむ上での生命線とも言える位置情報ですから、そもそも使えなくなるなんてことはあってはならないし、万が一バッテリーがダメになっても当たり前のように直ぐに復旧出来ることが前提になっていないと無意味な訳です。
今回購入したGerminのGPSは画面の視認性や機能性ではGeoGraphicaに大きく劣りますが、乾電池で動きますので、「位置情報を確実に得る」という点での運用性では比にならない位の安心感があります。ここがこの専用機器の価値と言って良いでしょう。
次週末あたりからボチボチ登り始めようと思いますので、いろいろ試してみようと思います。