2016年6月5日日曜日

奥武蔵・二子山~焼山~武川岳~伊豆ヶ岳(難易度:★★★☆☆)

昨年、名郷BSから武甲山を目指した際に踏めておらず、心に引っかかっていた山が武川岳。

あの時は夏のど真ん中で気温湿度の高さと虻対策が十分ではなく、消耗戦を強いられてしまったことからシーズンの早い時期に足を向けておきたいと考えていました。

ということで今回は武川岳を中心として奥武蔵の山々を縦走してみることにしました。


秩父から南下し、武川岳を中心にぐるっと回りこむように飯能方面を目指します

まずは池袋から西武線に乗り、飯能を経由して芦ヶ久保駅に向かいます。

予想通り周りはハイカーだらけ。
以前、奥多摩方面に訪れた際は比較的若年層が多かったような気がするのですが、秩父方面は何故か妙に年配層のハイカーが多く渋い印象を受けました。東京方面から電車一本で行ける手軽さは変わらないんですけどね~。


8:40 芦ヶ久保駅


駅から線路沿いの坂を下りたポイント

川は越えずに表示板を左折し、線路の下を潜るといきなり登山道が始まります。
登山口は駅から目の鼻の先で、バスや徒歩での長い移動がないのはポイント高いと思いました。


8:50 登り開始

林間の穏やかな道が続きます。今回はコース自体が駅to駅の低山縦走ですので、あまり無茶な登攀や時間に追い立てられることが無く気分的にとっても楽です。


9:08 兵ノ沢

表示板は上が現在地で、下が次のポイントを指示しているようです。

・・・が、


こんな感じの表示板も。

個人的には上側の板が現在地なのか、または次のポイントを指示しているのかがパッと見では分かり難い印象でした。矢印の有り無しで判断出来るっちゃ出来るんですけどねぇ。


山頂前はロープ地帯の急登が暫く続きます

ロープ地帯はそこそこの斜度(50度前後)でしたが、写真では全く伝わりませんねコリャ。


9:59 二子山(雌岳)山頂

二子山は双耳峰であるため、もう一つのピークである雄岳も踏みに行った・・・のですが、雌岳から雄岳の間は道の分岐が多い割に肝心なポイントで表示板が無かったり・・・と、ルートを間違いやすいので少し注意が必要です。

(どうやら芦ヶ久保駅から進んだ場合、雌岳山頂を踏まず、直接雄岳山頂を目指す巻き道がある(?)ようです)


10:11 二子山(雄岳)山頂

取り敢えず1座目は大きな問題なく到着。
休憩できそうな広めのスペースが山頂からちょっとだけ下ったところにあり、そこから武甲山の威容と秩父市街を眺めることが出来ました。


相変わらず山頂直下からの削岩跡が生々しく厳つい印象を与えてくれます


今回の山行ルートでは数少なかったパノラマ写真を撮れるポイント

昨年、武甲山山頂から秩父市街地を眺めてそれなりに満足していたのですが、やはり武甲山と市街地の風景をセットで眺めると、より秩父らしい感じがしますね。

ここから2座目・焼山へのルートに入っていくのですが、道を一度誤り、廃道(?)らしき誤ったルートに入り込んでしまいました。


・・・先には何かが有るらしい

焼山の表示板の指し示す方向に沿って真っすぐ進むと、途中までは一般ルートの様に人の踏み跡が続いていたんですが、歩いていて道の様子がおかしく違和感を覚えたため、いったん引き返すこととしました。

改めて休憩ポイントに戻り冷静に確認すると、正しいルートへの「入口」が表示板の目と鼻の先に藪で軽く覆われているじゃないですか。要するに表示板はルート入り口を指示しているだけで、ルートの「方角」を指示していないことが判明。

まぁ15分程度のロスではあったんですが、基本である地図とコンパスの確認を怠るとダメという、良い教訓になったかな・・・。


そのあとはルートが明快であり問題なく進めます


11:18 岩を這い上った直ぐ後が焼山山頂

振り返ると通ってきた二子山の稜線が見えます。


名前が示す通り、ラクダの瘤の様な特徴的な双耳峰


焼山山頂は今回登った山の中で一番周景色が良かったかな

次に3座目の武川岳を目指すため、また高度を下げて行きます。


焼山から下げて行くと県営林作業道に出ます。一旦登山道を出てしまう格好となるため、縦走感が薄まる感じです・・・。

ここを左折して少し上ると改めて武川岳に向けたルートに入ります。


この先に登山道有り


緩やかな登りをじっくり登っていきます・・・


12:03 あまりに存在感の薄い蔦岩山山頂(偶然気付けた)


12:22 武川岳山頂

二子山~焼山のルートに立っていた表示板もこれくらい堂々と掲げてくれると良いんだけどな~。


ご丁寧にベンチが拵えられており、公園のような雰囲気

部分的にではありますが、遠景が望めたので昼食をとりつつ大休止。


軽く昼寝した後、最後の伊豆ヶ岳(山伏峠方面)を目指します。


杉林の檻を潜りつつ高度を下げる


13:42 車道とのクロスポイント

今回の4座目である伊豆ヶ岳が見えてきました。あの山の向こうがゴール地点ですね。


14:07 山伏峠

ようやく武川岳を下り切りました・・・。

だがしかし!


間髪入れず登りが始まります(笑) ラウンド4。


山伏峠から入ると伊豆ヶ岳の山頂は目と鼻の先

そして・・・


13:47 伊豆ヶ岳の山頂

OK~!問題なく登りきることが出来、じんわりと充実感が沸いてきますね。
今回の奥武蔵4縦走もあとは下山を残すだけ。


正丸駅まで残り4キロちょっと

だが、その先には鎖場が待ち受けているはず・・・!
・・・と思ったら、


鎖場は色々と具合が悪い状態らしい・・・

ということで結局鎖場は使わず、巻き道を進みました。


おう、五輪山だそうで・・・。ネーミングと看板の傾き具合(やる気のなさ)が妙にタイムリーで少し脱力感w


登山道を進んでゆくとこの手の中途半端な階段をよく見かけます。ステップごとに雨土砂が堆積して形成されるには後どれくらいの時間がかかるのだろう・・・。とはいえ足が引っかかりそうでちょっと進みにくいんだよね・・・。


15:58 下山完了

毎度のことですが、下山後のアスファルト道は光輝いて見えますね。


16:23 正丸駅到着

運よく池袋までの快速急行に乗れたため、18:00には池袋に到着出来ました。
今回は高低差は大きくなかったのですが、移動距離が15キロと今の自分には少し長めでした。夏場だと体力をかなり削られそう。

ですがコース的にも休憩ポイントがポツポツと存在しており、二子山から焼山間に向けてのルート誤りさえ気を付ければとても良い縦走路だと思います。

がっつり歩きたいときはお勧め!です。

2016年5月22日日曜日

奥秩父・乾徳山(難易度:★★★☆☆)

五月晴れが続いていたため、先週に引き続き山梨県の甲府にほど近い塩山駅を起点として乾徳山に登ってきました。

山頂に至るまでに、「森」「草原」「岩・鎖」という3つの表情を見せてくれる人気の高いコースであるとの話を聞き、是非とも登ってみたかった山の一つです。

行程は登山口~山頂間のピストン

今回は日帰りで登山計画を練っていたのですが、どうにも東京から公共交通機関を使用した場合、日帰りでは時間が足りないということが分かりました。
というのも、塩山駅と乾徳山登山口の間を結ぶバス便がボトルネックとなってしまうのです。


具体的には塩山駅発の始発バスに乗り、乾徳山登山口に9:02に到着し、終バスの16:08に乗る場合、登山開始から下山完了までの猶予タイムは7時間06分となります。
ところが上の地図に示されている通り、お昼休憩を30分入れると7時間50分を要することとなり、計画上、バスで駅との間を往復するのは無理、ということが分かります。

正直なところ、急ぎ足の登山は雲取山の日帰り登山で懲りていたことと、時間に追われて十分に楽しめないようでは本末転倒感が強くなるのでなるべく避けたいと考えました。

そこで、帰りはタクシーの利用を覚悟のうえでプランを練ることとしました。
終バスに間に合えばラッキーという感じですね。

7:45 新宿から電車を乗り継ぎ塩山駅に到着

西沢渓谷行きの始発バスは1台増発され、合計2台でした。バスの運転手が予め並んでいる客数をカウントしてバスの増便要否をその場で判断してくれていました。

9:02 乾徳山登山口バス停に到着

ここから実際の登山口まで30分弱歩きます。
大した距離ではないとは言え、もう少し登山口の近くにバス停を設置してくれればなぁ、と思っちゃいます。10分程度歩くと道が荒れていたため無理だと理解はしてるんですけどね。

川沿いに歩き、登山口を目指します

標識通りの道なりに進んでゆくのですが、雨の強い日などは土砂崩れや落石の危険性があるかも・・・という感じの道でした。

9:30 乾徳山登山口に到着

道は基本的にガレています

序盤だけは若干急な登りですが、その後はオーソドックスな登りが続きます。
黙々と1時間ほど登ってゆくと・・・

10:00 銀晶水~駒留

湧水はこの先に進んだ錦晶水というチェックポイントに有り。

そういえば2本ほど車が通れそうな幅を有する廃道とクロスしましたが、地図にないこの道はどこに通じていたのだろう・・・。

道中、ケルンをよく見かけます。崩れると危なそうですが、一体何の意味があるんだろう・・・。
そんなことを考えつつさらに登ってゆくと、国師ヶ原手前の雑木林に入っていきます。

ここは斜度は全くありません。但し個人的には道がかなり不鮮明に感じましたので、道迷いを避けるために慎重に進むことをお勧めします。

そして林を抜けると乾徳山の頂上をとらえるポイントに出ます。

その山容たるや、どう見ても甘食です。ミルクと一緒にどうぞw

10:50 国師ヶ原

ここから頂上に至るまでの道が二つに分かれています。
左は高原ヒュッテを経由し、右は扇平(草原)を経由するルート。
見た感じですと随分近くに感じるんですけど頂上までは1~2時間程度らしいです。

そしてここから頂上までは乾徳山の醍醐味が濃縮された行程に突入します!

11:11 扇平

更に登ってゆくと周りの木々が少ない場所に出ました。これまでの道が基本的に木々の間を通過してきたこともあり、先週の大菩薩嶺ほどではないにしろ、風が気持ちよく空がとても高く感じます。
ここで休憩している団体さんが結構いましたが、自分は先を目指します。

(別に急ぐ必要はないのですが、どうにもバスの時刻が気になり窮屈でイケません・・・)


徐々に道が岩場へと変容し、乾徳山頂上までのラストスパートとなります。

1回目の鎖場

ここは軽めの1本が終わった後、続けざまに2本の鎖が下がっています。
その内、向かって左の1本は斜度が80度~90度で落ちても地面がありますが、足場が少なくちょっとだけ難易度が高め。右の1本は斜度が70度~80度で落ちると地面がありませんが、足をかけるポイントが豊富で難易度は低めです。
・・・といっても2,3メートル程度なんですけどね。

自分を含め、皆右の鎖を選択していました。

登りきると高度感はそこそこありました

道中見かけた他のハイカーが全力で仕込んだネタであろう、この支枝の頼りなさたるや(笑)

乾徳山の終盤は「岩の殿堂」などと言われてるだけのことはあり、腕の力でよじ登っていくシーンが多いですね。スリリングな登りが続いた後は頂上直下の・・・

紹介写真でよく見る長い鎖場!

前の鎖場と比較しても一目見て落ちても死なないことが分かるため、安心感が沸いてきます。
但し少し滑りやすいです。このため岩の割れ目に足を引っかけつつも、基本的には腕の力で登って行く必要があります。

そして・・・

12:24 乾徳山山頂

なかなかの達成感です!

但しここにはあまりスペースはなく、後ろから他の登山者が多く登ってきていたため、あまりゆっくり出来ませんでした。

山頂から少し先にもピークっぽいところが有ったのでそこも踏んできました。

因みに山頂直下の長い鎖は無理に登らずとも巻き道が用意されています。

リボンを目印に進みます

梯子がかかっており登り客がいないようでしたので、自分は下山時に使用しました。

山頂から少し下ったところで昼食をとった後、下山開始

下山時は鎖場で登り客を待つための渋滞が少なからず発生します。
ですがゆっくり確実に・・・。

下山途中、国師ヶ原付近で野生の鹿に遭遇

丹沢でも1度もお目にかかれなかったので、ちょっと嬉しい気分になりシャッターを切りました。
但し、フラッと鹿の方に近づいた際、ルートを外しそうになりました。

往路でも感じましたが、国師ヶ原と錦晶水間の雑木林は迷い易いので、もう少し目印を増やしたほうが良いと感じます。

 
15:24 下山完了

結局のところ乾徳山登山口の終バスには余裕で間に合いました。

ですが、少々急ぎ足での登り下りになった点は否めません。終バスがもう1時間程後ろ(17時台)の便があればゆったりとした山行が可能なんだけどなー、と思うのは自分だけだろうか。

・・・

ということで乾徳山でした。
難易度的には東京からの日帰りが時間的に厳しい点を考慮すると星4つに近い3、という感じでしょうか。

コース的にも終盤のみとはいえトレッキングポールを突けず這って進むシーンが少なからずある岩が特徴的な山です。実は無装備で登ってゆく人もそこそこいるのですが、装備はしっかり整えてから臨むべき類の山でした。

(自分は頭、膝、肘にガードを入れ、グリップのある手袋という重装備でしたが、やはり安心感が段違いです)