2020年2月3日月曜日

伊豆半島・伽藍山~古稀山~達磨山~金冠山(難易度:★☆☆☆☆)

本来であれば1月から2月にかけては都心でも数度の降雪が想定されるはずの厳冬期。なのに余りにも暖かい冬、且つ抜けるような晴天の連続。1000m以下では積雪すらなく寧ろ虫や花粉が無い分シーズン中よりも歩きやすい環境になっているという謎の1,2月。

ならば低山で且つ遠方が臨めることで楽しめるルートを歩いてみようではないか…、と思うに至ったのであります。

今回は伊豆半島を舩原峠から北上して金冠山を目指します

まず、結論から申し上げますと景色は大変素晴らしかったです。最高。ですが伊豆半島は東京から遊びに行こうとすると大分遠いんです。このため始発列車に乗る必要があるのですが、前日になかなか寝付けなかった上に深夜の2時に地震(震度4)に起こされる等ありまして、実はテンションのイマイチ上がらない出発と相成りました。

いつもの通り公共交通機関での移動であるため、新宿からは小田急線にて小田原まで出て、JR東海道線にて三島、その後は伊豆箱根鉄道で修善寺。そこからバスで登山口といった具合。自宅から登山口までは片道約5時間。

8:47 伊豆箱根鉄道の修善寺駅

修善寺って読みが「しゅぜんじ」だったんですね。「しゅうぜんじ」ではありません。うっかり口に出してしまわないように注意。列車の車体もその多くがアニメキャラを全面にあしらったラッピング車だったりと初っ端から油断なりません。沼津恐るべし(笑)

1時間に1本なので、8:30に到着しましたが9:30出発

ここから大曲茶屋BSまで移動します。900円弱也。

10:00 大曲茶屋BS

ここから登山口に道なりに40~50分の歩き。車道沿いの移動なのでササっと進んでゆきます。

10:17 旧道へ入る

ここから右側の旧道に進みます。通行車両の数が格段に減るため歩き易し。

10:47 舩原峠

車道の看板に「仁科峠」との記載があり一瞬「?」となりますが、ここが舩原峠。橋の脇にある階段からスタートとなります。基本的には西伊豆スカイラインに並走するトレッキングルートとなるため、車道歩きと林道歩きが繰り返しになるイメージです。

車道歩きは虚無のココロで前進

この日は予報が快晴だったのですが、現地は曇っており序盤は時折ちょっとした降雪に見舞われました。我慢の歩きというやつです。
因みに情報では1週間前に積もっていたということでしたが、地面には降雪はなくアイゼンを念のために持参しましたが全く使用しませんでした。


進んでゆくと徐々に雲が取れてきたので富士山眺望への期待が膨らみます。

11:30 土肥駐車場

チェックポイントの駐車場。この辺から眺望が一気に開けてきます。
トレイルロードもこれまでの雑木林から良い感じに大変身…!

おお、この夏空よ。本当に1,2月なのかw

と思っていたらおもむろに車道に吐き出され、そこに伽藍山の山頂標があるじゃないですか。

11:48 伽藍山山頂

これまでの登山の中でも途中で林道出合の様なポイントは無数にありましたが、車道脇に立つ山頂標ってのは初めて見ましたね。なかなかの脱力感です(笑)
そこから少し歩くと・・・。

11:52 小土肥駐車場

またもや駐車場ですが、謎の鉄棒有り。何なんだ・・・w
良く判らないなぁ、と悶々と歩いてゆくと!

12:01 富士山現る

いきなり絶景!南アルプスまでバッチリ。
んん~。この突発的な展開は何だろうか。

12:05 古稀山山頂

そしていきなり山頂!
前の山頂から20分経過していないんですけど良いのだろうか…。
ちなみにこの古稀山、どうやら70歳(古稀)を迎えたお年寄りに人気なのだそうですよ。
なんだか唐突に70歳の目標が出来ちゃいました。

稜線歩きの気持ち良さはなかなかのもの

そしてそこから見えるあのピークが達磨山。写真だと富士山よりも主張している感があって微笑ましいですな。

12:30 達磨山山頂

本日は歩いている最中にはあまりハイカーには出会わなかったのですが、ここには戸田峠側から歩かれていたと思われる4~5組くらいのパーティがいました。ここで富士山を愛でながら昼食。

稜線道、駿河湾、沼津市と富士山が良い感じ

こうやって富士山を見つつの稜線歩きは結構な贅沢感があります。
実は達磨山は西伊豆スカイラインの車道から5分程度で山頂に至れるポイントにあるので、登山やトレッキングに心得が無くてもアクセスは容易かと思います。

13:30 戸田峠

この戸田峠BSからはバスに乗って直接修善寺駅に移動することも出来ます。
ちなみに読みは「へだ」であって「とだ」ではないようです。


バスが14:41である事と、最後のピークである金冠山まで往復40分程度なのでもうちょっと歩いてみます。

金冠山への入り口は戸田峠BSの向かいにあるここ

ひと登りすると…

13:48 金冠山山頂

最後もバッチリ富士山を拝み倒すことが出来ましたよ。
その後はせっかくなので戸田峠BSからもう一つ先のだるま山高原レストハウスBSまで歩いてみることにしました。だるま山高原レストハウスが達磨山のトレッキング拠点らしいですからここまで歩けるとスッキリ感があります。


驚いたのはルートのほぼ全てが芝生にて整えられていたこと。なんだか一歩一歩がフッカフカなんで、(いつも歩いている山道の事情も相まって)思わず「自分にはゴージャス過ぎる…」という言葉が漏れ出てしまう。

14:15 だるま山高原レストハウスBS

静岡サイダー200円也

ここも綺麗に景色が臨める良いスポットでした。

・・・
今回の伊豆半島トレッキング、冬であったにもかかわらず稜線歩きが出来てとても楽しむことが出来ました。車道沿いのルートが多かった点はありましたが、じっくり歩くと景色の良さと相まって記憶に残る歩きが堪能出来ます。お勧めです。

また、ハイカーの他にもロードバイク、ドライブ(ツーリング)との相性もとても良い上に、(今回はバスがなかったので断念しましたが)修善寺駅に直行せずに手前の修善寺温泉を活用すると更にグッドなプランが組める点も魅力があって良いと感じました。

2020年1月1日水曜日

2020年 明けましておめでとう御座います。

昨年も本当にあっという間に一年が過ぎ去りました。
道楽の登山においては天候に恵まれ難いシーズンではありましたが、当初からの一つの目標だった剱岳を攻略出来たのはとても有り難いことでした。
但しそれは一つの結果であって、別の大きな目標に向けた過程でしかない訳です。本当に大事だったのは自分の可能性を信じ、想い描いたイメージを実現させようと力を尽くせた過程にあるのだと思います。
この事は勿論大切な仕事にも言えます。与えられたミッションと環境。やれる事とやれない事。様々な条件を見極めて進むべき道、バランスを模索し続ける"核"は本年も不変。自分なりに一歩一歩ステップを踏み締めながら更なる高みを目指して行く次第であります。

皆様、どうぞ宜しくお願い致します。
2020.1.1 元日

2019年12月29日日曜日

丹沢・塔ノ岳(難易度:★★☆☆☆)

先日になりますが今年の山行のオマケとして塔ノ岳に遊びに行きました。
本当は前回歩いた高尾方面のトレッキングで登り納めのつもりだったのですが、あまりに勿体ない位の青空が連日広がっていたことから、居ても立っても居られない状態になった次第です。

…というのは建前で、今年の山への出陣回数が合計9回と実に区切りの悪い数字だったので何とかしたかった!山行を振り返った時の番町皿屋敷状態だけは何とか回避です!(笑)

10:00 大倉BS

今回は陽も短いため大倉から塔ノ岳までのピストン。なので朝も超スロースタート。


紅葉も部分的ではありますが色付いているのを確認。やはりバックが青空だと一段と引き立って見えるというものです。

自分の登山スタイルとしては基本的には12月あたりになると山から足が遠ざかってしまうのですが、逆にこの時期は低山のベストシーズンでありましたよ。というか夏と登山客の数があんまり変わらない。殆ど汗もかかずに歩けますので持ち運ぶ水の量も最低限で済むのが良いです。

12:45 雲一つ無い100点満点の山頂

昔は何度遊び行っても真っ白な世界ばかりだった塔ノ岳も、ここ連日の快晴続きで富士山も良い感じにご開帳。そんないい感じの景色を眺めながらThermosで飲むお湯が旨かったんだぜ…。

本日の大倉尾根は先日の降雪や台風の被害は皆無でした。

有難いことに大倉尾根は以前の台風19号の影響が残っていませんでしたが、マイナールートではダメージを受けたままになっている道もあるとのことでした。今年の春に日光白根の中ツ曽根ルート(ここは普通の人は歩いちゃダメです)という超悪路を歩いてからというものの、ルート保全を担当されている方には本当に頭の下がる思いです。

15:45 下山完了

やはり大倉尾根を下ったあとのここのポイントは良い…。夕暮れと微かな焚火の薫りに大いに癒されるので大好きであります。

・・・
そう言えば本日は山頂にてグライダーで空を飛んでいる方がいました。
絵になるなーと思ったので一枚だけパチリ。

蒼穹

2019年11月29日金曜日

奥高尾(高尾山~景信山~高尾山)(難易度:★☆☆☆☆)

今年最後の山歩き

今シーズンは妙に週末の悪天候が目立って歩くチャンスが格段に少なかった上に、致命的な台風にも複数見舞われたことで、今年どころか来年の山歩きさえ怪しいルートがかなりの数発生するという残念な秋を迎えることとなってしまいました。

10月12日前後に直撃したあまりにガチすぎた台風19号

ですが少し前に登った蝶ヶ岳でも消化不良感が残っていたため、”もうどこでも良いから登らせてくれよ、頼むよ…”という思いに引きずられること数週間。
季節は秋から冬に向かっているため陽の出ている時間も限られているし、人の足があまり入っていない里山ルートは台風で消えてしまってしまっている可能性も非常に大きいためリスクが高い…。いろいろ検討はするのですが、兎にも角にも直近の情報が十分に得られ難いのです

こうなると低山であっても極力人の多い場所が良かろう…、ということで高尾方面に向かうこととなったのでした。

実はこの日、昨年以前に何度か歩いていた陣馬山から景信山を経由して高尾山まで縦走するルートを考えていたのですが、肝心のバス(高尾駅~登山口のある陣馬高原下BS)までは未だに台風19号の影響で(通常車両は通行可能ではあるものの)バス便が開通していないとの事でした。

6:30 早朝から高尾駅で途方に暮れる

せっかく早起きしてここまで来た、ということで当初プランにおいては終点として想定していた高尾山口から歩くことに急遽プラン変更。具体的には高尾山から景信山までのピストン。
(現地でのルート変更というのは自分の山登りにおけるポリシー上では基本的にはNGなんですけどね…)

6:45 お隣の高尾山口駅

台風19号が過ぎ去ってから数週間が経過したというのに何やら色々と書かれております。

うーむ、6号路はNGか

せっかくなのでまだ歩いたことのなかった稲荷山コースを歩いてみることにしました。

7:00 登山口はケーブルカー駅のすぐ横

稲荷山コースは6号路と並走するルートではあるものの変化が少ないため少々単調。しかしながら朝時間帯においてもそこそこの人出。流石は高尾山といった感じ。
個人的にはとにかくあの悲惨な台風後にトレッキングがまた再開できるという事だけで感謝の気持ち一杯で歩きました。

7:40 3~40分程度歩いたところの東屋

そこからまた黙々と歩いてゆくと…

8:05 高尾山山頂

高尾山って物凄い数の人でごった返している印象があったので、(朝時間帯とは言え)ここまで閑散としているのは正直意外でした。この立派な山頂標も撮り放題でありますな…。

2回目の朝ご飯を少し食べた後は景信山方面へまた歩きます。

9:30 城山

秋ということもあって紅葉も少しですが拝むことが出来ました。もう少し青空が見れれば最高なんですが。

9:20 小仏の信楽焼も台風を乗り越えて健在でした!

立ち止まると少々体が冷えてしまうので足の回転が止まらない感じでしたが、ふと空を見上げると…。

青空

良いよね、こういうの。蝶ヶ岳でも感じましたが、暗かった道を照らす陽の光には身体や精神を良い方向に引っ張ってゆくとても強い力を感じます。自分がトレッキングをする大きな目的の一つと言って良いかと思います。

10:05 景信山

ここでまた簡単な軽食を取りつつの昼寝。陽が暖かい…。zzz
その後は陣馬山まで歩きたかったですが、(行程的にはプラス4h程度で問題なく歩ける距離&時間ではあったものの、)日没時間帯にかかってしまうことから大人しく引き返すこととします。

6号路以外の台風の爪痕

過去に歩いた他のお山では藪の中にルートが隠れていたり、看板が地面に置かれていたりと整備が追い付いていないルートも相当数存在しておりました。高尾の様な超メジャールートはこの様に情報を見えるよう管理者側で配慮してくれてはいるので大安心なのですけどね。実際はどうなんだろうね。

11:45 再び高尾山山頂から富士山

秋冬ってこの様にスコーンと抜けるような青空で、夏にありがちな地表付近の蒸気がないため遠くの富士山も良い感じに拝めます。恐らくは(今年の前半に歩いた)竜ヶ岳界隈はかなり良い感じになっているのではなかろうか。

12:00 薬王院

そうそう、帰りは1号路の途中にある金毘羅台から高尾山口駅方面ではなく、高尾駅に向かうルートに入ってみました。

金毘羅台~高尾駅方面ルート

まぁ歩く時間としては15分から20分といったところなのですが、それまでの1号路の観光用舗装路とは表情をガラリと変えて関東の馴染みある山道に戻ったので個人的にはホッとするものがありました(笑)

12:45 下山完了

このルートを下りきると高尾山口駅と高尾駅の中間地点にある民家の裏側に出てきます。

13:15 高尾駅

高尾駅に到着してからはいつものようにベンチに腰を下ろしてキオスクにて購入した酎ハイを飲みながら暫し呆ける。今年の山行はここまでかな、と。

・・・
今年は登山自体の数はあまりこなせなかったのですが、年齢的に大殺界の1年だったにも関わらず怪我無く無事に歩き通せた事にまずは感謝。

また来年も楽しい山歩きが出来ますように…。