2021年5月4日火曜日

奥多摩・雲取山(take2)(難易度:★★★☆☆)


以前雲取山を歩いたのはもう6年前になります。その際は鴨沢バス停からピストンしたものの山頂でガスってしまい景色が望めなかったこともあり、いつかは再チャレンジしてみようと考えていました。ですがここ最近は大人気アニメの舞台になっていたとのことで人が多そうであることが予想されたため機会を伺っていました。

9:15 クライムオン

理想的には8:00スタートなのですが、東京からのアクセスだと9:00スタートが最速となります。奥多摩・鴨沢バス停から登り上げるこのルートは往復20kmオーバーで累積標高も1800mを超えるロングコースということもあり、極力日が落ちる前に戻ってくるようにするためにはタイムマネジメントに少々気を使う必要があります。


鴨沢ルートの良いところはこの穏やかな斜度と殆どガレていない歩きやすい道だと思います。自分のペースを作りやすく息が上がるような無茶な登りが無いため、余計なことに気を取られずガッツリ歩けるのです。その分トレランされてる方が多い印象。

11:30 小屋分岐

前回歩いたときは小屋経由で昼食をとった記憶がありますが、今回はいったん山頂を踏んで下山に要する時間を見極めた後にします。鴨沢ルートは基本的には1泊2日なので日帰りピストンを行う場合は時間的なメリハリがとても大事。もしバスの最終便や日没等の要素で下山の時間を確保出来ないと考えた場合は山頂を踏まずに引き返すことも状況に応じて判断する必要があるからです。


道中、崩落したら一発でルートが遮断されそうだなー、と思わせてくれる木橋に遭遇。更にその先を歩いて行くと…

Oh...崩落している

結果的には問題なく通行できたのですが、雨や積雪雪崩などで道はどんどん消えてゆくというのを現在進行形で見れた感じでした。私達が当たり前のように歩く山道も誰かが整備を続けているから。過去に日光湯元から白根山への旧道を辿った時にも同じようなことを強く考えさせられた記憶があります。有難いことです。


鴨沢ルートのボーナスステージと言って良いと思うこの稜線歩き。後半はこのように周囲の視界が開けた感じに移り変わって行きます。風がとても気持ち良い。
この日は基本的に晴れていたのですが、ここを歩き始めた途端に雪がちらつき始めたのはちょっとしたサプライズでした。太陽光が強く差してる中での降雪はまるでダイヤモンドダストのような美しさがありました。

13:30 雲取山山頂


今回も無事頂を踏むことが出来ました。遠方の眺望もバッチリで満足度高し。

17:00 下山

一般的に下山後に使われるであろう鴨沢バス停からのバスは(2021年5月現在)16:03、16:33及び18:40発なので、17:00下山は中途半端なタイミングでした。前回も同じ様に感じたのですが、つくづく17時台のバスが無いことが惜しまれます。
但し今回は近くにいらっしゃった方から「3つ先のバス停(留浦BS)から18:05発がある」との情報を教えて頂いたため、そこから乗車し帰宅の途につきました。雲取山(鴨沢ルート)へのピストンで交通機関を使用される方は覚えておいて損はないと思います。

・・・
今回は至極シンプルな山行でした。本当は三峰側から登って鴨沢に下る等の変化を持たせたかったのですが、現在の世の中の流れ的にあまりリスクのある歩きをプラン出来なかった、という背景があります。来年辺りにはもう少しコロナ禍の状況が改善してると良いのですが。どうなんでしょうね。


2021年4月5日月曜日

奥武蔵・伊豆ヶ岳(鎖)~子ノ権現(難易度:★★★☆☆)

ここ最近「山なんてコロナウイルス関係ないでしょ。なんで登山しないの?ねぇなんで?」と刺されることが多く、流石に自分の中で燻り淀み感が酷かったんですよね。「そもそも公的責任を負わない私的行動範囲においては誰も自発的な自粛なんてしていないし、山なんて環境上大したリスクないじゃん(笑)」と。
言いたいことは判ります。
整理をすると。今オワコン状態となっているのは中規模~大規模プロジェクトでの山行。

・海外という大目標の喪失(登山隊ツアー等の全滅)
・国内の夜行バス、小屋(寝具)の使用制限、又は値段の高騰
・数少ない使用可能な山インフラへのハイカーの密集リスク
・それを避けた場合の人の減少による万が一の事故時におけるリスクの上昇

勿論マイカーが使えれば状況は多少異なるのでしょうが、根本的な解決にはならない上に今の経済状況で支出(固定費)を道楽の為だけに大幅に増やすのはどう考えても誤った判断。だからどうしても移動時間の短い近場を歩くことを余儀なくされてしまう。こんな事は最初から解りきっていたんですけどね。

とは言え正直なところ大目標を毟られることによりここまでモチベーションが下がるとは思わなかったです。世の中が一体どこに向かっていて、皆が何を考えていて、この先をどのように見据えるべきなのか。そういった行動の土台が今は失われていますから。

・・・
必死にテレワークをやって、土日も家に籠っていたからだと思うのですが、年明け辺りからしばらくの間メンタル面で不調が続いてしまいました。
そして季節は春。こんな状況でも桜は見事に咲いていて、街には「マスク」をした人が溢れていたんですよね。

普通に家族連れが公園で団欒しているのを見て思いました。
嗚呼、こう、節操ない感じに自分に心地よくやれれば良いのかな、と。きっと理屈じゃないんだろう。そして、自分は今までこうやって損してきたことが沢山あるんだろう。


だから、少しだけ歩いてみることにしたのです。

8:00 正丸駅

以前、芦ヶ久保駅から伊豆ヶ岳を経由してここまで歩いたことがあったので、その時の記憶を頼りに歩き始めます。今回は正丸峠を経由して伊豆ヶ岳に登り、子ノ権現を経由して吾野駅に至るというコース。

8:25 登山口分岐

ここから左に折れると伊豆ヶ岳に直接アプローチできますが、前回歩いていたこともあり今回は右の道なりに進み正丸峠経由で登ってみます。

花盛りの道中

もう少し整っているかなぁと思いましたが、ルートが少しだけ不鮮明と思われる部分があったので、適宜ルートファインディングして辿ってゆきます。尾根に出るまでこういう感じなのでササっと進む。

奥武蔵らしい道

尾根まで登りきると正丸峠でしたが見どころがあまりなかったような。周りを散策しなかったですが、観光資源的なポイントでもないのかもしれないですな。うーむ。

9:00 正丸峠

但し以降は道が視認しやすいのでのんびりトレッキング出来ます。このルート、「関東ふれあいの道」を謳うのだから、尾根に這い上がるまでもこれくらいがスタンダードだと嬉しいんですけどねぇ。


ボチボチ進むと2つのチェックポイント。予定より大分早め。


ここまで来ると伊豆ヶ岳は目と鼻の先…、ですがその前にチャレンジしておきたかった鎖場があります。

手にグリップ、頭にメットを装備して進ム

ロープが張られているので普通のハイキングをされてる方は絶対に入らない方が良いでしょう。そこまで高度な装備や経験は必要ないかもしれませんが、最低限の準備が無いと滑落リスクが跳ね上がります。

40m弱の壁

鎖を掴んでる最中はさすがに写真撮影出来なかったので登り切ってからの一枚。とてもスリルのある午前中になりました。


鎖場出口の看板にもあるように、わざわざ壁をよじ登らなくても普通に歩けるルートが別に用意されています。なので基本的には入るべきではありません。

10:30 伊豆ヶ岳山頂

そのあともいくつかのチェックポイントを超えて行きます。5つ目?


この手のピークはどれも木々に遮られて眺望良好とはいえないのですが、今回はどれもベンチがいい感じに整備されているのは有難いです。確か武甲山方面の馬蹄縦走コースにはあまり整備されていなかった様に記憶しています。


解せない…。猛烈に足場が不安定なところにあの重量級建造物。台風一発で土砂崩れ、となりはしないだろうか。

「うん知ってる」と言いたくなる謎の道標

どうやらトレッキングでは使用しない林業用の道を指示してる様に見受けられました。


チェックポイントの天目指峠。「あまめざすとうげ」と読むことが判明。
ここを超えて少し進むとようやく今回の最終チェックポイントである子ノ権現に到着。登山の最終到着地に神社や寺などがあると(自分的に)ちょっと良い感じなのですよ…。

13:00 春真っ盛りの子ノ権現

最近、お線香の香りにやたらと癒されるのは気のせいだろうか。

14:30 吾野駅

そのあとは一番搾りをキメて池袋まで夢の中ですよ…。


・・・
今回は季節を感じる良い山歩きでした。奥武蔵は若い人にはあまり人気のないエリアだと思っていましたが、歩いている人が多かったのは意外でした。
今後も皆が気兼ねすることなく歩けると良いのですが。
どうなるのでしょうね。この先。

 

2020年12月30日水曜日

ゲーミングPCの更改と4K環境の構築

少し前になりますが、4Kゲーミング環境を構築したのでそのメモを残しておこうと思います。

きっかけはPlayStation5が近々発売されるとのことで、「世の中、本格的に4K環境がスタンダードになるのだな」と思うところがあったんです。但し正直なところPlayStation5自体には然程魅力を感じることもなかったんですよね。理由としてはPlayStation4でちゃんと遊んだソフトも僅か2~3本前後程度だったことや、ハードウェアが変わるとまだまだ使える周辺機器の買い直しが必要になってしまい面倒臭いという点が挙げられます。更にはPCパーツ界隈を鑑みるとPlayStation5のグラフィック性能を以ってしても前世代相当でしかなく、「そもそも納得できるグラフィックで4Kで遊べるのかが疑わしい(≒アプコンor劣化4Kまたは30fps程度)」という点もありました。昔、PlayStation3も同じように「HD画質(1080p)で遊べる!」と謳っていましたが、結局多くの作品が720pだったことがどうしても頭を過るんですよね…。

実は敷居が高かった4K環境

TVゲームの本質は「コミュニケーションツール」だと考えています。ですので一人でいることに安定性を見出してしまう自分にとって、先細りするだけのコンテンツには最早投資する価値はないと結論付けていました。しかしコロナ騒動で思うように出歩けない現状を踏まえ、もう少し前向きに捉えて積極的に時間を楽しい記憶に変えていかないといけない(というか正直もたない)と考えるに至りました。考え、というより寧ろ山行を毟られた自身の焦りという言葉が適切か…。

最初はPC環境のグラフィック機能を「ちょっとだけ」アップグレード出来れば良いな、位に考えていたんです。所有しているゲーミングPCも3年ほど前に組んだものですし、パーツ交換で十分に現世代のゲームを遊べるレベルに持ってゆけるんじゃないかと。ですが蓋を開けてみるとそうは問屋が卸さない訳ですね。

まず、折角お金を出すのだから結果に納得感(4K環境で十分に遊べるレベル)が欲しいと思い、グラフィック機能のアップグレードを考えました。調べてゆくと、4K環境でそれなりの画質を求めた場合、RTX3070(または2080Ti)がギリギリといった感じで、余裕を見るならRTX3080が必要であると。

高価格パーツにも拘らず品薄感があるRTX3080

RTX3070やRTX3080といったハイエンドクラスになると、相棒となるCPUもそれなりのものが必要になるようで、Intelでは第9世代~第10世代のCore i5、又はCore i7が最低レベルで必要、更には少なくともこれまで使っていた第6世代のCore i5ではボトルネックとなってしまい十分なグラフィック性能が引き出せないということも判ってきました。
であるならば併せてCPUも買いえれば良いのかな、と調べてゆくと、現行(第10世代)のCPUは規格の異なる第6世代マザーボードのソケットに装着することすら出来ず、対処としてはCPUもマザーボードも買い替えが必要であること、及び更にRTX3070やRTX3080クラスは消費電力も大きいようで、それまで使用してきた電源(600W)が使えないということも判りました。もうね、どれだけコストパフォーマンスが悪いんだって話ですよ…。

随分と高価だったRTX3080

要するにPCで4K環境で遊びたいならば、ゲーミングPCに対する「一からの組み直しが必須」という結論に至った訳です。PC環境なんてその時の最新世代の物を頑張って調達しても第一線として張れるのは良くて3年程度。そんなものに20万円相当のコストをかける意味が本当にあるのだろうか??当然こう考えるんです。

ですがタイミング悪く支払える価格帯の4KTVをポチってしまったんですよね。(いやぁ、ストレスや仕事疲れって本当に色んな判断を鈍らせてくれるよな、と思う)すると財布の紐が緩んだ後は芋づる式でしたね…。


結局以下のようなスペックとなりました。
  • CPU:Intel Core i7 10700F
  • メモリ:64GB (G.SKILL F4-3200C16D-32GTZRX)
  • グラフィックカード:GG-RTX3080-E10GB/TP (GeForce RTX 3080 10GB)
  • マザーボード:ASUS ROG STRIX Z490-A GAMING (Z490 1200 ATX)
  • 電源:Corsair RM850-2019- 850W
ストレージのM.2だけは何とか使いまわしていますが、これに4KTVを新しく購入したので、当初の目的と照らし合わせた場合、総額はちょっと計算したくないレベルに…。このため「楽しく遊べる環境基盤が出来たかな」とは思いつつも、逆に「これで本当に良かったのだろうか…」とか後ろ向きな思いが出てきてしまう点はどうしても否めません。

配線は適当ですが起動するとピカピカ光って実に愉快

主記憶メモリなんてものはシステムを安定稼働させることが唯一無二の役割であって、そもそも七色に光る必要性なんて全く無いのです。が、パーツ選定時においては廃熱による暖房機能に加えてクリスマスイルミネーション機能も有する愉快なゲーミングPCなんて独り身の自分には随分と洒落が効いてるじゃない…、とか、64GBという無駄な大きさも2枚構成より4枚構成の方が空きスロットが全て埋まってくれるしより綺麗かな…、みたいな適当な理由で話を進めていたことを振り返るに、もう少し慎重に(というか必要性を念頭に)パーツを吟味すべきであったと思われます。

XMPですがメモリのオーバークロックなんて初めて設定したよ…

それで一体何のゲームで遊んでいるのよ、という話ですが、Twitterでも何度かつぶやいている通りDirtRally2.0であります。
 
ランエボ、カッコええなぁ

このタイトルは自分がこれまで触れてきたレーシングゲームの中で(あまり好きな表現ではないのですが、)神ゲーの域に達しており、どれ程理不尽な失敗をしても挙動のリアルさが背景にあるため(実車は勿論運転したことはありませんが)不思議と納得感が有り、そこから何度も挑戦すると「上達」というフィードバックを十二分に享受することが可能な稀有な一本だと思うのです。

4WD、FF、FR、RRのカテゴリにはそれぞれ異なる世界の楽しさがあります

因みにRTX3080を以ってしても4K最高設定だと60fpsをキープ出来ませんでした。観客の描画と夜間照明の描画が随分と足を引っ張るようです。(それを差し引いても十分過ぎるくらい美しいグラフィックで描けてはいるのですが。)ですので出来ることなら後付けのアップデートでも構わないのでDirtRally2.0にもDLSSを適用して貰いたいものです。

2020年11月3日火曜日

丹沢・塔ノ岳~丹沢山 (take2)(難易度:★★☆☆☆)

今年の夏季登山シーズンはコロナ禍という残念な状況により全く出歩けず仕舞いでした。
こればかりは仕方ない面もあるのですが、一体何処に線を引いて行動の幅を広げていったらよいのか判断が難しく、活動を開始するための確かな「根拠」が欲しかった、というのが正直なところです。ところが周りを見渡すと運が良かったのか何なのかは判りませんが、我が国では破滅的な感染拡大とはならなかったこともあり、なし崩し的な自粛解除や、政府の苦し紛れのGoToキャンペーン開始等、「自分だけじゃないから」「ちょっとだけだから」と言った、根拠を他に求めたかの様な人々のあやふやな帰納法的判断が徐々に加速されていったのでありました。

こういう在り方は遥か昔から脈々と未来永劫受け継がれて行くDNAなのてしょう。今更ではありますが改めて思います。正常性のバイアスというのは凄いな、と。そして目の当たりにする一連の情報は今の自分には良し悪しとして跳ねることはなく、ただ納得感に昇華されて入ってくる。そんな昨今。

7:30 塔ノ岳登山口

今回も丹沢です。前回は2月に歩きましたが、あの時はあまりに天気が良く、富士山の眺望が素晴らしすぎたため、「良くないフラグが立っているのでは…?」と呟いたものですが、まさかこんな事になるとは夢にも思いませんでしたね。

渋沢駅から大倉までのバスは驚く程の密でしたので個人的にはおっかなびっくり。ですが、マスクさえしていれば社会悪とはならない様で、いまいち腹落ちしない部分が残ります。でもまぁ、そのようなモノなんでしょうね。


8:30 駒止茶屋

やはりこの時期は低山ハイクが捗ります。本当に気持ちの良い気候です。
暫くトレッキングのブランクがあったので足が回るか心配でしたが問題が無かったのが個人的には嬉しかったです。

10:30 塔ノ岳山頂でのランチ

カレーメシよりカレーうどん派。相変わらず進歩のない山飯だ…。
“カレーさえあれば取り敢えず満足出来る”という自身のハードルの低さもぶっちゃけ山登りを手間なく楽しむ上でのプラス要素なんだと思う。

丹沢の稜線は今日も美しかった

登山者の99%がノーマスク、という塔ノ岳までの行程においては人が多過ぎる感があったのですが、丹沢山までは大分落ち着いた雰囲気になります。片道1:30の行程。眺望も大変良くてアクセスも良いのでお気に入りの稜線。

紅葉はボチボチといった感じ

この日は序盤は良く晴れていたのですが、昼以降から雲が多くなってきた感じです。

富士山も見えたり隠れたりを繰り返しており、今後のトレッキング登山の行く先を暗示しているかの様にも思えてしまいました。本当に、この先どうなってしまうんだろう…。

ちなみに個人的には海外や小屋泊が望めなくなってしまったとしても歩き続けたいという思いが強いです。どん底から這い上がるきっかけを掴むことのできた自分の大事な一部ですからね。頻度は下がってしまったとしても大切にしたい。

11:45 丹沢山

2月にここに来てから約半年、トレッキングが止まってしまっていましたので、まるでセーブポイントに舞い戻ってきたかの様。この感覚を得るのが今回の目的の一つ。

もっと沢山の風景を己の眼に焼き付けたい

今、他のトレッカーはどういう想いで歩いているのだろう。そんな他愛ないことを考えながら無事下山。

そうそう、これを忘れてはいけないですよね。


新宿までのキメラの翼