2017年9月19日火曜日

北アルプス・白馬(白馬岳~小蓮華山~乗鞍岳)(難易度:★★★★☆)

8月は悪天候に遮られてしまい、シーズンであるにも関わらず立てていた計画が全て延期となってしまいました。このまま夏山シーズンが終わってしまうのか・・・。そんな感じで悶々としていたのですが、神様は決して見捨てていなかったようです。


結論から言うと、有り得ないくらいの凄まじい景色が眼前に展開され、「山をやってて本当に良かった!」と迷うこと無くそう言える素晴らしい山行になったのでした。

今回は竹橋パレスサイドビルからの夜行バス「毎日アルペン号」でスタートになります。

パレスサイドビル1Fの受付前。皆本当に良い目をしていてテンションが上がります!

目的地は白馬の猿倉登山口です。
実際出発すると(ある程度想定内ではあるのですが)殆ど睡眠をとることが出来ませんでした。前回利用した際もそうだったのですが、周りに人がいるとリラックス出来ず、なかなか寝付けないんですよね。。。

5:10 猿倉登山口に到着

少しひんやりしていましたが特に着込む必要もない程度の涼しさ。
以前のように手早く朝食を摂りつつ登りの準備を進めます。この辺はもう機械的に動くだけですね。

バス停の目の前にある猿倉荘にて登山届を提出

5:30 猿倉荘横の道から登山道に入ります

日の出時刻を過ぎていることもあり、ヘッデンを使用すること無くオーソドックスな道沿いにまずは白馬尻小屋を目指します。

5:50 目指す白馬岳の稜線を視界に捉える

とにかく天気が良く、素晴らしい山行になることが約束されている感に足が軽くなります。

6:30 白馬尻小屋に到着

ここは売店や喫茶レストランに加え、この先の大雪渓を越えるために必須のアイゼンもレンタルしてくれる登山の拠点です。自分はアイゼンを持参していたので特にサービスは受けず、少し休憩した後に出発。

この季節に本当に雪渓なんてあるんかいな?と思いつつ進むと…

谷の切れ込んだ部分に少しだけ雪渓が見えるのですが、なんだか簡単に迂回出来そうな印象でした。最初は。

6:50 夏に溶け切らない雪というのもあるんだねぇ

徐々に雪渓が登山道に食い込んできます。

7:40 ここからはアイゼンを装備して進んでゆきます

このアイゼン装着ポイント前後は本当に足場が悪くて落石天国でした。結構な人が登ってゆくため人と人の間隔が狭く、登ろうとすると意図せず石を下に落としかねない状況であったため、頭上、足元共に相当神経を使いました。ヘルメット装着を強くお勧めします。

大雪渓は白と青と緑の原色の世界

アイゼンがよく雪に食いついてくれるのと、この快晴にも関わらず天然のクーラーで実に快適な登りを楽しむことが出来ました。しばらく進むと・・・

8:30 大雪渓の終わりが見えてきました

大雪渓は正味1時間程度でした。正直足場の悪いレキ場を登るより雪渓を進むほうが断然楽だったので、もう少し続いてくれても良かったなー。

自分のは6爪の軽アイゼンです

このアイゼンはスキーブーツと同じような装着用アタッチメントがついているおかげで装着が超ラクな便利アイテム。6爪なので携帯性も抜群。かなりのお気に入りです。

大雪渓を振り返るともう雲の上に抜けそうな高度

少し休んだ後に上に目をやると下の写真のような岩場が続いているように見えたので少し身構えましたが、実際は鎖が1本もたれていない普通の道でした。

水量の豊富な山なのか、大雪渓の更に上から水が流れてきます

・・・普通の道、ではあったのですが、2000mを超えた辺りから少し息が切れやすい感じだったので無理せず細かな休憩と補給を取りつつ上げてゆきます。焦らないことが肝心。次のチェックポイントは山荘の前にある避難小屋。

登っても登っても小屋が見えてこない・・・。この辺はなかなかキツかった。

進行方向左にある杓子岳と思われる岩のピークが非常に印象的。青空に向かって突き立てるような感じで格好良いんだよね。

10:20 チェックポイントの避難小屋

ようやく避難小屋に到着。それにしても周りに遮るような木々が無く眺望が開けていて気分が良いです。そしてここまで来ると山荘までラストスパート。

10:49 村営宿舎の直下

今になって振り返ると、この辺からはおそらくこの世の天国だったように思います。

11:37 白馬村営宿舎に到着

到着一番に目に飛び込んできたのは・・・

それはもう、誘惑と言う言葉では語り尽くせない、宇宙の法則が乱れるほどの引力が云々...

朝が早かったのでここで昼食をとってしまうことにしました。

オッサンの至福でございます

食べ終わった後、(たった1本だけであるにも関わらず)アルコールが随分と回って物凄く良い気分になり、同時に身体が泥のようにズブズブに。少し上にある本日の終着点である白馬山荘に行くべきか少しだけ真剣に思案(笑)

ホロ酔いの良い気分のまま最後の登り。天国への階段を登っているようです!かつてない状態での登山にテンションが良くわからないことに!

それにしても遠目から見ても随分と大きな建物です。「山荘」の名は伊達ではありません。

12:40 白馬山荘に到着

受付にてチェックインを済ませたあと、取り敢えずザックを寝床にデポる。
その後、夕食の17時まで特にやることもないので、取り敢えず宿舎内をウロウロします。



館内は至極清潔であり、且つレストランが併設されており、ビールもラーメンも何でも揃っている天国っぷり。自分の中では間違いなく最高ランクの位置付け。

白馬山荘の歴史などの展示室もありました。実は昭和30年代に全焼していたらしい。

その後、折角なので目と鼻の先にある白馬岳の頂上に登ってしまうことにしました。

道中、高山動物などもちょくちょく出会います(雷鳥??)

白馬山荘の建築を手掛けた松沢貞逸の記念碑とのこと

15:07 白馬岳山頂

翌日も白馬大池に向かう際に山頂を通りますが、取り敢えず保険が出来た感じでしょうか。そう言えば後から知りましたが、この山頂の石の塊はヘリではなく明治時代前後の人が背負って大雪渓を超えてここまで持ってきたらしいです。無茶するよね。。。

兎にも角にも景色が良すぎて「美しい」という言葉では表現しきれませんでした。

遠くの雲海と杓子岳、更に奥には唐松岳から伸びる八方尾根が見えます

その後、夕食を取った後は少しだけ晩酌をした後に就寝。

白馬山荘は睡眠スペースが畳一畳分確保されていたため、なんと寝返りがうてます!最高ぅ!

今回はアイマスクと耳栓の完全防備での睡眠と相成り、熟睡することが出来ました。

明日は予報通り晴れると良いのだけれど…

翌朝・・・。

少しガスっていますが問題なさそう。有り難いことです。

立山連峰の剱岳も綺麗に見えます

5時の朝食を済ませた後、タイムスケジュール上では十分余裕を持たせていたため、ゆっくり準備。6時過ぎに山荘を出発しました。

白馬岳山頂again

山頂はガスがかかっていたので前日に登頂しておいて正解でした。
ですが少しずつ晴れて行き、その後は稜線上の凄いものをいくつも見ることが出来たのです。

進行方向の稜線が視界を回復し、稜線をクッキリ捉えることが出来るようになりました


そして一番印象的だったのがとても珍しいブロッケン現象を見ることが出来た点!

ブロッケン現象

雲がスクリーンになって自分の姿が浮かび上がったのですが、影の周りに虹のような後光が射しておりました。凄いねぇ。

白馬岳山頂を振り返ると、先程のガスが嘘のように晴れていました。また来るぜ…

しばらく感動しながら雲に向かって手を振り続けておったのですが、あまりのんびりしてスケジュールが狂うと駄目なので、そこそこにして稜線伝いに進んでゆきます。

進むコースは右上に伸びる稜線

富山県、長野県、新潟県の県境になるチェックポイントに到着。

7:30 三国境

更に稜線伝いに進みます。そろそろ白馬岳と杓子岳の風景も見納めということで、また振り返る。


小蓮華山への僅かな登り返しがありましたが、基本的には下り基調の道であるため、かなりイージーな印象。

去年登った八ヶ岳の硫黄岳への道を思い出しながら進む

道なりにボチボチ歩いてゆくと小蓮華山の山頂に到着します。

8:24 小蓮華山の山頂に到着

そしてここからの景色も絶景でした。

稜線とその先のチェックポイントである白馬大池までの展望

白馬大池への道も快適そのもの。道中、これまた凄いものが。

雲が稜線をジャンプ台にして天に登って行くじゃないですか・・・!

いや~本当に白馬って凄いエリアだなー、と余韻に浸りながら進むと白馬大池が見えてきます。

10:00 白馬大池に到着。厳冬期は天空のスケート場になりそう。

大池の周りにはちょっとした御花畑や売店があったので昼食をとりつつ休憩

その後、白馬大池から30分も歩かないうちに次のピークに到着しました。

11:10 乗鞍岳山頂

地図上では(何となく)ゴール地点である栂池自然園駅まで距離的に短そうだったので、あとは大したことないかなー…的な淡い期待を抱いていました。ここまでは。

しかし・・・、ここからの下りがキツイことキツイこと。4,5時間歩いた後の急坂下りは堪えます。うーむ!

え?あの下に見えるのが天狗原ですか?地図上では目と鼻の先にあるはずなのにぃぃー…みたいな。

11:59 天狗原に到着

湿原及び木道は修復中のようでした

ここまで来たらもう栂池は目と鼻の先でしょううう!木道とか作られちゃってるし!
湿原ということは基本的にロープウェイからのアクセスも良いはずだから・・・とか何の根拠もないまま思っていた自分に追い打ちをかける、更なる下りが・・・!

あの小さな屋根が栂池自然園駅かぃぃぃ~!

この絶望的な遠さを目の当たりにして、先程通過した乗鞍岳がチョロいと思っていたのを改めることにしました。これ、登って来ると絶対シンドイね(笑)
しかし、まぁ進むしか無いわけです。

屋根が近づいてくると生きる希望が湧いてくるようでした

12:50 下山完了

時間的には白馬大池から僅かなように思われるかもしれませんが、なかなか堪える下りでした。これからはもう少し慎重に地図を見ることにしよう。反省。

勝利の一番搾り

後はロープウェイとゴンドラで麓に下るだけ。

下山後の余韻に浸りつつ、そう言えばここ最近スキーに行ってないなー、とボンヤリ思う

・・・

というわけで今回の山行は本当に最高でした。
8月は天候が最悪であったこともあって、今シーズンはもう半分諦めていたこともあり、北アルプスエリアに訪れることが出来て幸運だったと思います。
昨年、赤岳に登った際に良い結果が得られた際も9月上旬だったかと思いますので、梅雨明けとかのシーズン入り口と比較すると狙い目なのかもしれませんねー。

白馬岳には再度訪れよう。うむ。

2017年9月6日水曜日

寝室オーディオ環境の構築について

自分にとってのオーディオの楽しみというのは、機器等に傾倒した音質向上による(一過性の)営みよりも寧ろ、いつ、どこで、どのように、何を聴くかによって得られる「タイミング」による満足度の方がより大きな影響を受けるものだったりします。

特に寝室において眠りにつくまでの十数分程度の時間は一日の中でも一番気持ちの落ち着く時間帯。なので実は音楽を楽しむには恰好のタイミングだったりするわけですね。

布団の中に持ち込んでいるスマートフォンやタブレット(いわゆる寝モバ)で聴くのもよいのですが、やはり贔屓目に見ても音が良くなかったりします。
(音量を相当絞りますので、これで十分という考え方も勿論アリだと思います)

今年は幸い改めて夏休みを取ることが出来、一定の時間を確保することが出来たため…
「寝室に放置されていた使われていないオーディオ機器でシステムを構築してみようではないか。あまりお金をかけずに!」
…と思い立ったわけです。

当初はAppleTV中心で組もうと思っていましたが…

寝室にて音を出すにあたり、寝落ちすること及び自動ON,自動OFFの実現を前提とし、無駄な電気代をかけないのシステムを組み上げるのが目標です。具体的には下記に示す連動プロセスの実現を目指すことになります。

■開始プロセス (操作者は曲を再生するだけ)
 手動操作(タブレットにてアプリケーションを操作)
 →連動して自動起動(音楽プレーヤー(DAP))
  →連動して自動起動(DAC、アンプ)

■終了プロセス (基本的に操作者はなにもしなくて良い)
 プレイリストの終了、または手動操作による停止
 →連動して自動シャットダウン(音楽プレーヤー(DAP))
  →連動して自動シャットダウン(DAC、アンプ)

家電に詳しい方が読まれていたらHDMI CEC」っぽいことをシステムで組みたいんだね、と気づいてくれるかもしれません。要するにここ数年で発売されているAV機器には広く浸透している機器連動機能(メーカー毎に"~リンク"等の名前で呼ばれているもの)なのですが、およそ二十年前の古いAVアンプにそんな便利機能は当然実装されている筈もなく。

ちなみに手元にある機器は以下になります。
  • タブレット(ASUS NEXUS7)
  • AppleTV(第2世代)
  • 電源連動TAP(サンワサプライ TAP-RE37MN)
  • USB連動TAP(サンワサプライ TAP-RE8UN)
  • AVアンプ(YAMAHA DSP-AX2400)
  • スピーカー(DENON SC-T555SA)
  • テレビ(東芝 REGZA)
…どれもかなりの古参ばかりですが、頑張ればなんとかなりそうな気がしませんか?!


というわけで試行錯誤してみました。

連動実験1
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →AppleTVをスリープから自動起動
 →電源連動TAPにてAppleTVの使用電流量上昇を検知
 →AVアンプが自動起動
 →音が出る

 ★結果:失敗
  …原因はAppleTVの消費電力量があまりにも小さすぎて、電源連動TAPにて検知できませんでした。というか音楽再生や動画再生で2W~3Wってありえないでしょ!(汗)
もはやAppleTVがスリープモードを搭載している意味が判らない・・・。

次に、AppleTVの本体に存在していた謎のUSBポートにて連動を試みました。

連動実験2
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →AppleTVをスリープから自動起動
 →USB連動TAPにてAppleTVのUSBポートにおける使用電流量上昇を検知
 →AVアンプが自動起動
 →音が出る

 ★結果:失敗
  …原因はAppleTVのUSBポートはホストではなくクライアント側であったため、USB連動TAPに検知させるための電流を流してくれませんでした…。昔、AppleTVをハックしてUSBポートに外付けディスクやキーボード等を接続していたギークがいたと記憶していたんですけどね。アレは何だったんだろう…。

これらの失敗から、要するに(手動でも自動でも良いから)連動TAPに検知させることが出来るだけの電力を使う機器が立ち上がらないと駄目という点に立ち返る必要がありましたので、今度は手元にあったREGZAの消費電力差を活用し、連動TAPを制御することにしました。

連動実験3
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →AppleTVをスリープから自動起動
 REGZAを手動で起動
 →電源連動TAPにてREGZAの使用電流量上昇を検知
 →AVアンプが自動起動
 →音が出る

 ★結果:微妙
  …まぁ、目指していたシステムの30%程度が実現できた感じでしょうか。
   ですが、微妙な点が満載です。
   ・テレビを手動でONにするという面倒臭さ
   ・再生が終了してから30分もAVアンプが起動しっぱなし
    (AppleTVのスリープ(曲終了の15分後)をトリガーとした、REGZA側での連動スリープ(無信号状態の15分後)で合計30分)
   ・テレビ画面のバックライトが明るすぎて非常に煩わしい(寝室オーディオとしてはどうなのよ…と)

もうこれならAVアンプを手動で起動してからスリープタイマーでもかけておいたほうが、余程実用的ではないか?という本末転倒感がありましたので、こいつもボツです。

…もう少し発展させるとどうなるだろう。また色々考えます。
要するにテレビを手動でONにするのではなく、HDMIから映像信号を流したときに自動起動してくれる機器があれば良いわけだ。そのような機器と言えば・・・。
おお、PCモニターがあるではないか!

連動実験4
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →AppleTVをスリープから自動起動
 →PCモニターが反応して点灯
 →電源連動TAPにてPCモニターの使用電流量上昇を検知
 →AVアンプが自動起動
 →音が出る

 ★結果:微妙
  …やはりこれから寝るためのリラックス状態を作り出すためにオーディオを利用しようとしているのに、目的を阻害するような煌々と照らしてくれるPCモニターは連動云々の前にナンセンスとしか言いようがないものでした。そもそも寝るときくらいはモニターの傍から離れたいってものです。なのでこれもボツ。

さて、ここまで来るとちょっと意地になってきます(笑)

最終的には連動TAPの制御をテレビやPCモニターではなく、(居間のメインオーディオシステムと同様に)MACminiの消費電力で行おうではないか、ということにしました。

2台目となるMACmini2011を購入

購入したセコハンのMACminiですが、本来はメモリが2GBしか搭載されていなかったはず。・・・だったのですが、送られてきたものには何故か8GBが搭載されていました。おそらく前オーナーによるものなのでしょう。これを考慮すると実質2万円台でMACが購入出来た計算になります。随分安くなったもんだね。
(これにより当初のコンセプトであった「お金をかけずに…」という趣旨から大分逸脱してしまいました…)

連動実験5
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →MACminiをスリープから自動起動
 →電源連動TAPにてMACminiの使用電流量上昇を検知
 →AVアンプが自動起動
 →音が出る

 ★結果:成功
  …結果的には成功しました。但し一工夫する必要がありました。というもMACminiをスリープから復帰させる際、タブレットからネットワークを介したWake On Lanの機能を色々と試したのですが、そのままでは復帰後のプレーヤー(JRMC)が正常に起動してくれません。少し調べるとどうやらMACがスリープから解除された際には以下の2種があるとのことでした。

  • 一般的なWake : フル起動状態(キーボードやマウスを触った際のWake。画面(ディスプレイ)が点灯してくれる)
  • DarkWake : バックグラウンド起動状態(WakeOnLanによるWake。画面(ディスプレイ)は点灯してくれない)

どうやらJRMCではDarkWakeによるバックグラウンド起動状態では曲を流すことが出来ない模様。従ってWakeOnLanの為のマジックパケットをネットワークに流した際に一般的なWakeを実行できるよう設定変更をする必要がありました。

答えとしては、MACの起動設定を変更してあげることで、WakeOnLanでも一般的なWakeが可能になります。(どうやらOS(Lion)にて実装されたリモート起動向けの機能らしいです)
具体的には以下のファイルを編集する必要があります。

/Library/Preferences/SystemConfiguration/com.apple.Boot.plist

ただし、上記のファイルは普通にSUDOしても編集後に保存させてくれません。どうやらSystem Integrity Protecton (SIP)という機能により、重要なファイルの書き換えをガードしているようです。(OS(El Capitan)にて実装されたプロテクション機能らしい)
従って、一時的にSystem Integrity Protecton (SIP)を切る必要がありました。

手順をまとめると下記の通り。
  1. リカバリーモードで起動 → MACを「Commandキー + R」を押しながら再起動
  2. リカバリーモードでターミナルの起動 → 画面上部のメニュー「ユーティリティ」から「ターミナル」を選択
  3. SIPの解除コマンドを投入 → 「csrutil disable
  4. 通常モードで再起動
  5. MACの起動設定をviにて編集・保存 → 「sudo vi /Library/Preferences/SystemConfiguration/com.apple.Boot.plist
    (※)編集内容は後述の通り。
  6. リカバリーモードで起動 → MACを「Commandキー + R」を押しながら再起動
  7. リカバリーモードでターミナルの起動 → 画面上部のメニュー「ユーティリティ」から「ターミナル」を選択
  8. SIPの解除コマンドを投入 → 「csrutil enable
  9. 通常モードで再起動

(※)「com.apple.Boot.plist」の編集内容(赤字部分を追記)

【編集前】
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
<key>Kernel Flags</key>
<string></string>
</dict>
</plist>

【編集後】
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
<key>Kernel Flags</key>
<string>darkwake=0</string>
</dict>
</plist>

上記の設定を踏まえた、最終的な構成は以下になります。


こんな感じになりましたとさ。

・・・

さて、色々有りましたがこれでほぼ理想環境を実現出来ました。
実際に使用してみても各機器が小気味よく連動するので、寝室用のオーディオとしてはかなり使えそうなシステムに仕上がったように思います。

今回の構築における特筆すべき「核」となった点は、MACのスリープ状態~スリープ復帰による消費電力差が電源連動TAPでギリギリ拾えるものであったため、曲の終了、及び停止してから1分後には全機器の電源OFFが実現出来た点でしょう。

スリープ設定が1分刻みで設定可能(AppleTVは最短でも15分なのでこの点もアドバンテージ)

とは言え全く問題がないわけではありません。
例えばMACの仕様による挙動として1時間47分毎に実行されるメンテナンススクリプトによる勝手なスリープ解除などです。このメンテナンススクリプトはどうやら他のノードに対して自身の存在を知らしめるために実行されるものらしく、ネットワーク設定によるWakeOnLan機能を有効にすると、一瞬ではありますがDarkWakeが実行(=アンプと連動タップのリレースイッチがカチカチ煩い)されてしまうんですよね。

なお、MACのスリープは以下がよくまとまっていましたので同様のことに悩まれている方は参考にされるとよいかと思います。
http://d.hatena.ne.jp/zariganitosh/20110706/about_sleep

・・・

ちなみに冒頭で話したHDMI CEC機能をフル活用出来た場合の理想環境ですが、起動もシャットダウンもAppleTVのスリープ機能で全て制御できるため、以下のように実にシンプルになります。今回のようにテレビも連動TAPも不要ですが、第4世代以降のAppleTVと、HDMI CECに対応した比較的新しいAVアンプ(レシーバー)が必要になります。



理想環境
 タブレットにてアプリケーションを操作
 →AppleTV(第4世代以降)をスリープから自動起動
 →HDMI CEC連動によりAVアンプをスリープから自動起動
 →音が出る

お金が潤沢な方は是非試してみると良いと思います。

それにしても、システム家電って本当に面倒くさい楽しいですねぇ。