2022年3月22日火曜日

御坂・高川山~馬立山~御前山(難易度:★★★☆☆)

今年に入ってから秩父・丹沢と 歩いていたため、今度はもう少し南方を歩いてみようと思い立ち、今回は御坂方面に登りに行ってみました。

3つのピークを繋げます

御坂山塊というと山梨県まで足を伸ばした先にある大月駅界隈。過去には秀麗富嶽十二景シリーズをいくつか登ったことがありますが、そのいずれの山頂においてもガスにより富士山が望めずいささか消化不良感が残ったことを覚えています。

7:50 初狩駅

今回は大月駅から一駅先にある初狩駅がスタート地点になります。非常にノスタルジー感のある駅舎で、個人的には電車ではなく蒸気機関車の駅舎といったほうがイメージにマッチすると思われました。

序盤は看板に沿って歩いて登山口にアクセス。バスに乗らなくてよいので時間等の縛りがなく気ままに歩くことが出来ます。

8:13 登山口

自分の他には2~3組程度のハイカーが歩かれていました。丹沢や奥多摩とは趣の異なる静かな道です。


山頂まではオーソドックスな道が続いており、極端に危険な箇所やエグるような登りもないため歩きに集中できます。途中で男坂と女坂に分かれていましたが、今回は直ぐに上げて行けそうな男坂を進みました。何にでも言えることですが、最初険しく見える道は後半緩やかになり、逆に緩やかな道を選ぶと最後にキツい思いをするものです。

9:10 高川山山頂

暫く登ってゆくと山頂に到着。
本日は良く晴れていて富士山が綺麗に拝めました。まさに秀麗富嶽といった感じで見事。

秀麗富嶽

お昼にはまだ早いため、少し休憩してから次のピークに向けて歩き始めます…、がその際登山道が4つに分かれていて一瞬足を止めて進む先を見定めます。

10:40 リニア見学センター

一旦下山を完了すると目の前にはリニアの高架橋と見学センターの建屋が。今日はリニア車両の走行が予定されていないようであったため見学センターには立ち寄りませんでした。里山感溢れるこの村にも見学者で賑わっていたりするのかな。

早めに開花していたソメイヨシノ

春の陽気で少し暑いな・・・と思っていたら既に桜が開花しているではないですか。(東京ではこの翌日開花宣言がされていたので大分早咲きだったと思う)

11:00 田野倉駅

チェックポイントの田野倉駅…ですが、ルートマップを見返したらあまり立ち寄る必要のない場所だったことに気づく。あれ(ヤマケイオンライン)って高川山と御前山を繋ぐことを前提として書いておらず、田野倉駅起点で両座にアクセスできるように描いているのね。勉強コストは15分のロス。

微妙な道標

進もうとしている一座は馬立山及び御前山なのですが、道標は九鬼山のみが書かれておりルートマップを見直す。(稜線に上がった所の分岐先一方には確かに九鬼山も存在していたのですが…)

12:30 馬立山山頂

木々の間から周りを望めはするものの眺望はイマイチだったか。場所的に山頂というより偽ピーク的な雰囲気があり、どうにも区切り感が掴めなかったのでそのまま先に進むことにしました。

12:42 トラバース

馬立山から御前山へのルートには行き先を正確に見極めつつ進むべきトラバースがいくつか有りまして、(一応ロープなどで示されてはいたのですが)一つずつ丁寧に進まないと良くないな、と感じるポイントが山頂直下から散在しています。久しぶりのGermin(ちゃんとしたGPS)をザックの底から取り出し慎重に進む。バッド・キャンバーですな。

12:50 沢井沢の頭

ここも「菊花山」を道標に記載しておいた方が助かる人が多いかも?と思いました。


菊花山と御前山の分岐ポイント。プラン通り御前山に進む。

13:25 午後の御前山

道中些か油断ならないポイントが幾つかあったこともあり中々の達成感。


遅めのランチを取りつつ一息入れます。この山頂は片側が断崖で切れているため見晴らし良し。景色を拝みつつパンパンに膨らんだカップ麺を啜る。

その後は大月駅に向けて下山を開始。


幾つかあったこの手のトラバース。斜度がキツイこともあり登山道の劣化が早くメンテナンスが追いついていない印象でして、ロープがないとルートをロスる可能性があるレベルだと思われました。雪が張り付いているときに歩いたらそれはそれは大変なんだろう…。


14:00 厄王権現

仏様が鎮座していたので手を合わせ祈る。
己のこと、支えてくれる沢山の人のこと、世界のこと。

14:30 下山

下山後のポイントが大月駅と猿橋駅の中間点であったためどちらに進むべきか迷いましたが、列車内でより座れそうな大月駅に向けて進む。この頃には空が雲で覆われて小雨模様。午後から天気が崩れやすい暖かな季節に足が入ったということですな。

14:50 大月駅

ということで秀麗富嶽十二景の縦走でした。

感じたこととしては稜線が樹林帯となっている低めの里山であってもマイナーな縦走ルートに足を踏み入れるとそこそこの難易度が出てくる、といった「低山あるある」な点でしょう。自分は装備としてGPSを2機種使用しており、その上で紙媒体のマップといった準備ですべての山歩きを行っているため、基礎(不安を感じたら即引き返す、自分を疑う等)を見失わなければ問題なく進めるとは感じていますが、そうではないハイカーは気を引き締めて歩いたほうが良いと思えるルートでした。

菊花山を眺めつつ乾杯!


次はどの山に登ろうか。

2022年3月11日金曜日

丹沢・塔ノ岳~鍋割山(難易度:★★☆☆☆)(take2)

先週の秩父長瀞での歩きが思いの外気持ちの良いものであったため、体の元のリズムを再び掴むためにホームマウンテンを歩いてきました。

前年末の丹沢山行と同じ大倉~塔ノ岳~鍋割山~大倉

2月の丹沢は上の方に雪が少々張り付いているため、ベストシーズンは3月~5月の春であると考えていましたが、ここ最近は降雪もなかったため問題ないだろうと判断。現地に到着すると同じように考える人も多いようで、多くのハイカーで賑わっていました。

8:13 大倉尾根登山口

渋沢駅からバスで大倉に向かう際も道路工事が完了したらしく到着まで少々時間短縮されているようでしたが、登山口付近も新しく道にコンクリートが敷かれていたようです。何気なく歩いている道も保守管理されているんだな、と感じさせてくれます。


大倉尾根は階段が断続的に続く印象ではありますが、迷う要素が皆無でこの季節は歩きに集中でき、もりもり高度を上げて行ける感じがあり個人的には好きな部類です。
階段が厳しくなるのは稜線に上がった後の駒止茶屋以降だと思うのですが、この頃は体にエンジンが掛かっており上りに集中出来ているため不思議なくらい退屈さを感じないのであります。


花立山荘の手前だった筈ですが、眺望がひらけて毎回「登ってきたな」と思いつつ写真を撮ってしまうポイント。

11:15 塔ノ岳山頂

この日はアイゼンを持参し忘れていたため丹沢山方面には行けず、そのまま塔ノ岳山頂にてランチ。


時折雪煙が舞っていたように見えた富士山。今年は登れるようになるのかな?

その後は鍋割山経由で下山しましたが、稜線に多く残った融雪により少々難儀。

13:04 鍋割山山頂

丹沢方面は何度も歩いていることもあり、自分の中では余裕で下山と相成るかと思いがちですが、そこそこの累積標高があって結果的にはガッツリ歩いた感に満たされつつ大倉に帰還できるため、程良い疲れを感じられて満足感が高いです。

長く歩きたければどれだけでも山を繋げられるバリエーション豊かなルートが最高な丹沢。
いつか大山から鍋割山、宮ヶ瀬ダムから丹沢山、といったロングコースも楽しめたら良いな、と考えております。

自分の中でのチャレンジをどこまでも受け止めてくれる感のある丹沢山塊はホームマウンテンとしては最高でありますな。うむ。

秩父・宝登山(難易度:★☆☆☆☆)

冬の寒さが緩みつつありコロナ禍のピークも超えてきていることが確認できたため、低山を手始めにまた歩き始めようと思い立ち、今回は久しぶりの秩父方面に遊びに行ってきました。

長瀞アルプス

今もそうかも知れませんが、登山を始めた頃は「とにかく高い山に登りたい!」というスケベ心が前面に出てきてしまい、山そのものの良さや歩けること自体の有り難さにあまり目を向けられなかったような気がします。

ですがコロナ禍を掻い潜る中での世の中の環境変化下においては、富士山以上の高度を求めて大きく海外に踏み出してゆくことが出来ません。だからこそ歩ける範囲でその良さを見つめ直すことで、改めて「何故自分は歩くのか」その真意を腹落ちさせることが出来そうと感じる今日此頃。

本日は長瀞アルプスと呼ばれるハイキングルートを辿り、梅の花が咲き誇る宝登山にアクセスします。スタートは秩父鉄道の野上駅。


12:42 野上駅

そういえば以前武甲山や両神山に遊びに行った際に少々不便だな、と感じていた秩父鉄道の運賃決済。これまでは現金で紙の切符を購入する必要があったのですが、どうやらひと月後には交通系ICカードでの支払いが可能になるそうです。

ハイキング界隈においても山小屋によっては現金以外の決済が可能になってきたりと、徐々にキャッシュレスな流れに時代を感じます。

12:56 萬福寺

登り始める前に手を合わせたかったのですが、残念ながら工事中。

12:57 登山口

この日は良く晴れていて暖かく、自分の他にもそこそこの数のハイカーが歩かれていました。高高度の山頂を目指してストイックに、という感じはなく、思い思いに楽しく歩いている雰囲気が感じ取れて気持ちの良い空間でした。


秩父の観光資産ということもあってか、道が綺麗に整っておりシゴキのような階段もあまり無く終始とても歩きやすい印象を受けました。

14:17 宝登山山頂

この2月末という季節も良かったのでしょう、この山頂から武甲山にかけての景色と蝋梅の花の香に包まれながらのランチ。

秩父市街とバックの武甲山、両神山の特徴的なシルエット

蝋梅は満開から経過したようでしたが、十分楽しむことが出来ました。


春近し

蝋梅園のある山頂から少し下ったところにはロープウェイ駅。そういえばこの手のお山(筑波山や丹沢の大山、奥多摩の御岳山)はすべてケーブルカーだったのでロープウェイってなんだか珍しいような気がしました。

宝登山山頂駅ではなく宝登山頂駅。うーん。

食べ歩きしつつ付近を散策。


宝登山は桜の名所でもあるようですな。みそポテト美味い。

その後は奥社にお参りをしてから下山。


15:51 下山

下りは登山道というよりグラベルの車道だったのでぼちぼち歩く。

16:13 長瀞駅

今年最初の山行でしたが、やはり目標を立てて計画し、実際に歩いて楽しさを感じたり新しい発見や見聞を広げてゆくというのはとても楽しいものであると再認識。コロナ禍を乗り越えつつある今、シーズンインに向けて少しずつ体を仕上げてゆきたいと思います。

2021年12月14日火曜日

東丹沢・経ヶ岳~仏果山~高取山(難易度:★★☆☆☆)

自分をこれ程までに責め立てるような晴天があって良いものか。

歩かないことへの違和感がこうも酷くては登らざるを得ない。しかしながら翌日の仕事を見据えつつもどこか新しいルートを辿りたい、と思い立ち今回は東丹沢を歩いてみました。

3つのピークを超えて宮ヶ瀬ダムを目指します

東丹沢はよく歩いている塔ノ岳界隈から東方に位置しており、本厚木からバスでアクセスするエリアになります。

6:30 本厚木駅

やはり丹沢の人気エリアの拠点駅は伊勢原、秦野、渋沢界隈だからなのか、本厚木では自分以外ザックを背負っている輩がいなかった…。あまり人気のないルートなんだろうか?

7:20 半僧坊BS

40~50分程度で登山口近くのバス停に到着。ここから来た道を少し引き返す形でスタートポイントにアクセス。

7:30 登山口

14:00には下山を完了するルートでありながら3つのピークを踏んで大きな人工建造物に辿り着くコースというスケジュールですが、高取山前後は熊出没ポイントがあるとの情報があったため、ザックの奥に仕舞い込んでいた熊ベルを(いつ以来だろう…?)装備。

とても静かなスタート。

スタートしてから15分ほどの沢沿いは陰気の漂うルートなのですが、以降は持ち直して良く整備された土がフカフカな道に変化。この日は陽の射し方が絶妙で、山全体から包容感を感じることができました。



道に難しいところは一切ありません

そこから少し登ってゆくと1つ目のピークに到着。



8:59 経ヶ岳

山頂には自分以外にアマチュア無線に興じる好々爺が一人。聞き耳を立てると別のピークのお仲間と通信されているようでした。山頂からカメラに興じる人は多いですが、こういう趣向に興じるのも有りなのかもしれません。

ピークから少し下ると道の真ん中に鎮座するご立派様が…。

経石

ルートの両側が切れているのに微妙なバランスで居座っているのですが、どういった地形変動でここまで持ち上がってきたのか全くの謎。

そこから一旦車道まで下げます。

9:20 半原越、からのラウンド2.

太陽が出てくれて気温も少しだけ上がってくれたこともあり、この頃には大分体が徐々に温まってきました。

リッチランド看板の先に目をやると崖w

今回のルートの中で最も不可解な道標。無くても良いのでは?

10:00 革籠石山

事前に地図を見た際にはこのピークは確認してませんでしたが、ピークはピーク。実は今回のルートは4座縦走だったようです。4座縦走…、響きだけは一人前でありますよ。



大山と丹沢表尾根から蛭ヶ岳の山座同定

一番左手のピークが大山、そこから二ノ塔、三ノ塔、行者ヶ岳、新大日、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳、と表尾根と丹沢主脈を一望できるポイントが有りました。大山ってサクッと登れるイメージだったのですが、こうしてみるとなかなか立派な山容。大昔の信仰の対象ってのも解る気がする。

悠久の時を超えて行く山々と、そこから身を捩るように変わらないもの(山、神仏、教義)に縋り朽ちる人間の姿がどうにも対照的。

山頂直下の鎖場

手がかりというより目印的な鎖場。無くても問題なく登れます。

10:59 仏果山山頂

地蔵に手を合わせつつ飯を食う。

ふと目を前にやると随分と立派な展望台があるじゃないですか。

まぁ、登るよね

展望良し。宮ヶ瀬湖と厚木市街が一望。

そこから次のピークである高取山を目指してまた歩いていきます。

紅葉は終わってしまっていましたが、落ち葉をサクサク踏みながら進むことにえらく癒やされる中年オッサンの正午。

12:15 高取山山頂

こちらにも先程と同様の展望台が有りました。まぁ(2回目は、、、)登らなくて良いか。

そして小休止後にぼちぼち進むと…


ほほぅ…、コレは良いではないか。

今回のルートで最も眺望の良かったご褒美ポイントがこの鉄塔下のベンチ。空が青く抜け、宮ヶ瀬湖が一望出来て水面を走るボートの波紋がとても綺麗。



13:15 下山完了

もう3年近く前になりますが、剱岳の帰りに見た黒部ダムを思い出しました。それにしても最近の時間経過の速さには頭を抱えてしまいます。


家族連れに揉まれながらインクラインというケーブルカー(300円也)に乗ってダム下に移動。そこから1時間ほど歩いて半原バス停に到着。


14:30 半原BS

・・・

最近は自分の中での新しいルート開拓をやれていなかったので、初めての道を歩く楽しさを再認識した感じです。ゴールに圧倒的な何かがあるってのもポイント高かったように思います。低山と、侮るなかれ立派な名山、仏果山。

今年は年末年始まで仕事の予定があるので、次歩けるのは年明け後になると思います。コロナの状況が国内に限っては大分落ち着いてきているので来年はもう少し攻めて行けると良いのですがどうなんだろう。