2020年1月1日水曜日

2020年 明けましておめでとう御座います。

昨年も本当にあっという間に一年が過ぎ去りました。
道楽の登山においては天候に恵まれ難いシーズンではありましたが、当初からの一つの目標だった剱岳を攻略出来たのはとても有り難いことでした。
但しそれは一つの結果であって、別の大きな目標に向けた過程でしかない訳です。本当に大事だったのは自分の可能性を信じ、想い描いたイメージを実現させようと力を尽くせた過程にあるのだと思います。
この事は勿論大切な仕事にも言えます。与えられたミッションと環境。やれる事とやれない事。様々な条件を見極めて進むべき道、バランスを模索し続ける"核"は本年も不変。自分なりに一歩一歩ステップを踏み締めながら更なる高みを目指して行く次第であります。

皆様、どうぞ宜しくお願い致します。
2020.1.1 元日

2019年12月29日日曜日

丹沢・塔ノ岳(難易度:★★☆☆☆)

先日になりますが今年の山行のオマケとして塔ノ岳に遊びに行きました。
本当は前回歩いた高尾方面のトレッキングで登り納めのつもりだったのですが、あまりに勿体ない位の青空が連日広がっていたことから、居ても立っても居られない状態になった次第です。

…というのは建前で、今年の山への出陣回数が合計9回と実に区切りの悪い数字だったので何とかしたかった!山行を振り返った時の番町皿屋敷状態だけは何とか回避です!(笑)

10:00 大倉BS

今回は陽も短いため大倉から塔ノ岳までのピストン。なので朝も超スロースタート。


紅葉も部分的ではありますが色付いているのを確認。やはりバックが青空だと一段と引き立って見えるというものです。

自分の登山スタイルとしては基本的には12月あたりになると山から足が遠ざかってしまうのですが、逆にこの時期は低山のベストシーズンでありましたよ。というか夏と登山客の数があんまり変わらない。殆ど汗もかかずに歩けますので持ち運ぶ水の量も最低限で済むのが良いです。

12:45 雲一つ無い100点満点の山頂

昔は何度遊び行っても真っ白な世界ばかりだった塔ノ岳も、ここ連日の快晴続きで富士山も良い感じにご開帳。そんないい感じの景色を眺めながらThermosで飲むお湯が旨かったんだぜ…。

本日の大倉尾根は先日の降雪や台風の被害は皆無でした。

有難いことに大倉尾根は以前の台風19号の影響が残っていませんでしたが、マイナールートではダメージを受けたままになっている道もあるとのことでした。今年の春に日光白根の中ツ曽根ルート(ここは普通の人は歩いちゃダメです)という超悪路を歩いてからというものの、ルート保全を担当されている方には本当に頭の下がる思いです。

15:45 下山完了

やはり大倉尾根を下ったあとのここのポイントは良い…。夕暮れと微かな焚火の薫りに大いに癒されるので大好きであります。

・・・
そう言えば本日は山頂にてグライダーで空を飛んでいる方がいました。
絵になるなーと思ったので一枚だけパチリ。

蒼穹

2019年11月29日金曜日

奥高尾(高尾山~景信山~高尾山)(難易度:★☆☆☆☆)

今年最後の山歩き

今シーズンは妙に週末の悪天候が目立って歩くチャンスが格段に少なかった上に、致命的な台風にも複数見舞われたことで、今年どころか来年の山歩きさえ怪しいルートがかなりの数発生するという残念な秋を迎えることとなってしまいました。

10月12日前後に直撃したあまりにガチすぎた台風19号

ですが少し前に登った蝶ヶ岳でも消化不良感が残っていたため、”もうどこでも良いから登らせてくれよ、頼むよ…”という思いに引きずられること数週間。
季節は秋から冬に向かっているため陽の出ている時間も限られているし、人の足があまり入っていない里山ルートは台風で消えてしまってしまっている可能性も非常に大きいためリスクが高い…。いろいろ検討はするのですが、兎にも角にも直近の情報が十分に得られ難いのです

こうなると低山であっても極力人の多い場所が良かろう…、ということで高尾方面に向かうこととなったのでした。

実はこの日、昨年以前に何度か歩いていた陣馬山から景信山を経由して高尾山まで縦走するルートを考えていたのですが、肝心のバス(高尾駅~登山口のある陣馬高原下BS)までは未だに台風19号の影響で(通常車両は通行可能ではあるものの)バス便が開通していないとの事でした。

6:30 早朝から高尾駅で途方に暮れる

せっかく早起きしてここまで来た、ということで当初プランにおいては終点として想定していた高尾山口から歩くことに急遽プラン変更。具体的には高尾山から景信山までのピストン。
(現地でのルート変更というのは自分の山登りにおけるポリシー上では基本的にはNGなんですけどね…)

6:45 お隣の高尾山口駅

台風19号が過ぎ去ってから数週間が経過したというのに何やら色々と書かれております。

うーむ、6号路はNGか

せっかくなのでまだ歩いたことのなかった稲荷山コースを歩いてみることにしました。

7:00 登山口はケーブルカー駅のすぐ横

稲荷山コースは6号路と並走するルートではあるものの変化が少ないため少々単調。しかしながら朝時間帯においてもそこそこの人出。流石は高尾山といった感じ。
個人的にはとにかくあの悲惨な台風後にトレッキングがまた再開できるという事だけで感謝の気持ち一杯で歩きました。

7:40 3~40分程度歩いたところの東屋

そこからまた黙々と歩いてゆくと…

8:05 高尾山山頂

高尾山って物凄い数の人でごった返している印象があったので、(朝時間帯とは言え)ここまで閑散としているのは正直意外でした。この立派な山頂標も撮り放題でありますな…。

2回目の朝ご飯を少し食べた後は景信山方面へまた歩きます。

9:30 城山

秋ということもあって紅葉も少しですが拝むことが出来ました。もう少し青空が見れれば最高なんですが。

9:20 小仏の信楽焼も台風を乗り越えて健在でした!

立ち止まると少々体が冷えてしまうので足の回転が止まらない感じでしたが、ふと空を見上げると…。

青空

良いよね、こういうの。蝶ヶ岳でも感じましたが、暗かった道を照らす陽の光には身体や精神を良い方向に引っ張ってゆくとても強い力を感じます。自分がトレッキングをする大きな目的の一つと言って良いかと思います。

10:05 景信山

ここでまた簡単な軽食を取りつつの昼寝。陽が暖かい…。zzz
その後は陣馬山まで歩きたかったですが、(行程的にはプラス4h程度で問題なく歩ける距離&時間ではあったものの、)日没時間帯にかかってしまうことから大人しく引き返すこととします。

6号路以外の台風の爪痕

過去に歩いた他のお山では藪の中にルートが隠れていたり、看板が地面に置かれていたりと整備が追い付いていないルートも相当数存在しておりました。高尾の様な超メジャールートはこの様に情報を見えるよう管理者側で配慮してくれてはいるので大安心なのですけどね。実際はどうなんだろうね。

11:45 再び高尾山山頂から富士山

秋冬ってこの様にスコーンと抜けるような青空で、夏にありがちな地表付近の蒸気がないため遠くの富士山も良い感じに拝めます。恐らくは(今年の前半に歩いた)竜ヶ岳界隈はかなり良い感じになっているのではなかろうか。

12:00 薬王院

そうそう、帰りは1号路の途中にある金毘羅台から高尾山口駅方面ではなく、高尾駅に向かうルートに入ってみました。

金毘羅台~高尾駅方面ルート

まぁ歩く時間としては15分から20分といったところなのですが、それまでの1号路の観光用舗装路とは表情をガラリと変えて関東の馴染みある山道に戻ったので個人的にはホッとするものがありました(笑)

12:45 下山完了

このルートを下りきると高尾山口駅と高尾駅の中間地点にある民家の裏側に出てきます。

13:15 高尾駅

高尾駅に到着してからはいつものようにベンチに腰を下ろしてキオスクにて購入した酎ハイを飲みながら暫し呆ける。今年の山行はここまでかな、と。

・・・
今年は登山自体の数はあまりこなせなかったのですが、年齢的に大殺界の1年だったにも関わらず怪我無く無事に歩き通せた事にまずは感謝。

また来年も楽しい山歩きが出来ますように…。

2019年10月6日日曜日

総合音楽再生ソフトROONと音楽の海TIDAL

先日のことですが、オーディオ観賞用で暫く使っていたJRMCから、とうとうROONTIDALに鞍替えすることとしました。


理由としては”音楽鑑賞を続けるにあたって既存のコンテンツの消費の仕方は最早限界だった“というのが正直なところ。要するに自分にとってデータソースをCD(便宜上リッピングデータ)とした鑑賞スタイルは完全終了、という事です。

具体的には今までの聴き方として定着していた以下1~4が、現在主力のサブスクリプションストリーミングに圧倒的に劣るという状況を覆い隠せなくなったんですよね。
  1. 図書館CDレンタル:聴きたいものを借りて返す手間が大きい上に盤面品質が駄目。
  2. ショップでのCDレンタル:主力だったTSUTAYAがレンタルCD事業を縮小。
  3. 中古CDの購入:コストが膨らむので冒険的な聴き方が難しい。
  4. 新CDの購入:3よりもハードル高め。SACD等で余程気になるもののみに限定。
特に2については(ここ最近ですが、)2018年の11月に神保町のジャニスがCDレンタルを終了してしまったこと、及びクラシックやジャズに強かったTSUTAYA代官山店でのCDレンタルがほぼ終了してしまった点によるインパクトとして大きく、止めを刺された感じでした。。。

ジャニス1号店が2018年11月に閉店

CDレンタル業が2019年の5月でほぼ終了

ですが気に入った曲を掘ってゆくとやっぱり聴きたくなる作品なんてものは無尽蔵に出てきてしまうわけですよ。都度中古CDを調達するのですが、その度に1枚あたり2000円前後が飛んで行ってしまう。。。クラシックを聴き始めるとボックスセットの10000円前後の作品などはザラで、1年に1~2度であれば目をつぶれますが、残念ながら(?)そうは行かないんです。

そもそも極力出て行くお金をセーブする為の聴き方として今のスタイルを維持していたのに、正にその「今」を考える場合、それは本当に適切か?を考えると、もう「NO」という答えしか出てこないんですね。

すると自然に選択肢として出てくるのはサブスクリプション型のストリーミングサービスの導入、なのですが、今現在日本ではCD音質(16bit 44100Hz以上)を担保して自分の環境(DMR,DMC等)に適用可能なサービス自体が存在しません。周知のとおり展開されているのは非可逆圧縮のMP3やAACのストリーミングサービスのみ。

自分としてはオーディオ機器を時間と金を使って揃えているわけでして、そこで聴くデータが非可逆圧縮のMP3やAACなんてことはあって良い筈が無い訳です。状況を鑑みるに、コンテンツを売る既得利権者が新たな技術どころかスタイルを世に提示する力も無いのに20年以上も旧態依然の事業の形を頑なに変えようとしない姿勢の問題、怠慢として受け取れてしまうんですよね。本音としてはオーディオマニアなんて眼中にはなく、マスニーズにしか目が向いてないので“スマートフォン向けにコンテンツ提供出来ていれば良い”位にしか考えていないのでしょう。ですがもう少しハードウェア屋と仲良くしても良いんじゃないの?と個人的には思ってしまう。


実はこの様な事を数年前から考え続けていたこともあり、ネットワークオーディオの新しい潮流として登場していたROONとTIDALを使用したスタイルには非常に注目していました。

ROONの素晴らしいところはやはりサービス側が有している莫大なメタデータ。
自分が何かの曲を聴こうとして、その都度発生していたオーバーヘッド(CDのリッピング&タグ付けのライブラリ管理)を一括で提供し、それらの情報を渡り歩けるようにしてくれる点に集約されるでしょう。
例えば、アルバム作成に関わったメンバーの他の作品などへの横串を刺したデータ・サーフィンがシステムとして提供される点です。これまでのようにアーティストの名前をGOOGLEやAMAZONにコピペしてアルバムを探す、みたいなダサさがありません。大昔のスタイルとは一線を画すIT環境を正しく味方に付けたネットワークオーディオの真骨頂、という訳ですね。


このROONの思想に対し、CD音質(16bit 44100Hz以上)を最低限保証した上で数千万曲を提供してくれるTIDALは相性が非常に良く、新しい曲を求めてネットで探したり、ショップに出向いたり、リッピング、ライブラリ管理などの無駄な時間を完全にカットすることが可能になります。音楽視聴の効率化という観点では(現時点では)これ以上のものは無いと思います。


・・・
最終的な構成としては、先日調達していたデータをレンダリングしてくれるエンジンであるJPlayも(シングル構成ではありますが、)ROONにて普通に使用することが出来ていることから、以下の環境に落ち着きました。

ROON Core[Windows10]~(VC-231G)-(VC-231G)~ROON Bridge[Windows10&JPlay]~DDC(RUDD14)~AVC-A1HD~OPTICON8
※本当はROON BridgeにはMACminiを充てたかったのですが、JPlayがWindows専用であったことから断念…。

・・・
現段階ではこれ以上オーディオ環境を弄る気が無いので、数年は戦えそう、と思う…のですが、どうなんでしょう?もしこの辺に詳しい方がいらっしゃった場合、私に対してこう言われるわれるかもしれません。「どうせ1年経たない内にまた色々と買い足し始めるんじゃないの。MQAをフルデコードしたいでしょ?」と。

放っておいてください(笑)

昔、44.1kHzを176.4kHzにアップサンプリングして頑張っていた時代を遠い目で思い出します…。

2019年9月22日日曜日

北アルプス・蝶ヶ岳(難易度:★★★☆☆)

先日の夏休みは北アルプスの蝶ヶ岳に遊びに行ってきました。
前回の剱岳にて岩登りを十分堪能出来ていたので、今回は少し優しい感じの1座をテントを担いでじっくりゆっくり登ってみたいと考えた次第です。
また、5月に本栖湖畔から登った竜ヶ岳で見た富士山の立派な山容に「山に登って山を見る」というプランが思いの外楽しいということに気付いたこともあり、今回は穂高連峰を綺麗に俯瞰出来るという蝶ヶ岳に登ってみることにしたのでした。

上高地BTから蝶ヶ岳へのルート

蝶ヶ岳へ至るルートは幾つかあるようなのですが、去年の槍ヶ岳と同様、帰りに温泉にも入れる上高地からのアクセスを使用。

5:20 新宿から上高地へバス移動

明朝、明けきらない上高地に到着した際は残念ながらの雨のち曇り。ですが、レインウェアの装備で十分に歩けるようでしたので、登山届を提出したあとは予定通り徳澤方面に歩き始めます。

6:40 明神

上高地に限らないのでしょうが、山岳地帯は天候や時刻で本当に色々な表情を見せてくれて面白いですよね。あのキラキラとした陽の光と沢山の観光客で溢れかえっていた場所と同じとは思えない程です(笑)

7:30 徳澤から登山道に入っていきます

所々で大分雨に降られてしまったのですが、翌日の予報が快晴という後ろ盾もありそのまま歩き続けます。蝶ヶ岳への道は事前に聞いていた通り、槍・穂に向かう人の数と比較すると大幅に少なく静かな登りを楽しむことが可能です。


登山道はとてもよく整備されており、僅かな段差でもこのような特徴的な梯子が20程度組まれているため、行程の中では張り付いて上げて行くシーンが皆無でした。鎖や岩場といった難しいポイントも特にないので登りに集中出来ます。


雨の山中にて我慢の登りを続けていると念願の青空が。樹林の霧の中を音もなく真っ直ぐな太陽光が差し降りてくるシーンには流れの変化、と言いますか、体中にエネルギーが漲ってくるような不思議な感覚を覚えました。太陽の力はやはり偉大。

11:36 チェックポイントの長塀山

この長塀山はマップ上ではルートのおよそ2/3に位置していますが、実際は登りの殆どを終えているため、あとは山頂まで緩やかな道程となります。

12:30 山頂直下

道中で休憩していると山頂から下山してくる一組の欧米風の背の高い男女の海外登山者が。満面の笑顔で

“ten minutes !”

と励ましてもらっちゃいました。とても嬉しかったので慣れない英語で

“Thank you ! have a good journey !”

こんな感じで返す。すると手を振ってくれた。
それにしても海外登山者ってなんであんなに格好良いんだろう…。というか纏っているオーラが違うな~って感じることが多いです。海外から来て2000m~3000m級の山をノーガイドで歩くのだから、そのバイタリティにはあやかりたいものがありますよ。

12:40 蝶ヶ岳山頂

テント装備(というか水&食糧)の詰まったザックの重さでヘロヘロになりながらようやく到着!道中大分休憩を入れたのですが、それでもまぁ、ほぼコースタイム通りだったので上々かな。


山頂直下には蝶ヶ岳ヒュッテ。ここでテント泊の手続きを済ませちゃいます。


その後は特にやることも無いので昼食をとったりブロッケンで遊んだり昼寝したりしてました。

午後は大体晴れてくれていました


常念岳方面にも歩いて行ける素晴らしい稜線が続いていますが、水が致命的に足りない(1.5リットル弱)ことと、余計な荷物で今の自分にはリスクがあると判断したため今回は見送る事としました。

そして翌日・・・

360度雲海

目覚め前の幽玄なオーラを纏う穂高連峰の雄姿

5:33 有難いことにご来光も手を合わせて拝むことが出来ました

やはりこれを見ると上界に来たなーって感じになりますよね。
うむ。良いものです。

・・・
その後は朝食を取り、テントを撤収してから(常念、燕方面に向かいたい気持ちをグッと堪えて)下山に取り掛かります。

8:57 下山完了

下りは水や食料をほぼ消費しているため実に身体が軽快。荷物量が半分になって快晴という条件であればそうなるわな。

11:00 散策路を歩いて小梨の湯に到着

小梨の湯は上高地近辺のキャンプ場に隣接しています。この日は11:30から営業開始ということで大分ゆっくり歩いたのですが、30分ほど早く到着してしまいました。

流れ、というやつです

この日は本当に良い天気でスケジュールを1日後ろ倒しにするべきでありました

・・・
今回の山行においては、従来のザックが40リットルであったのに対し、80リットルの20kg前後の重さとなると現在の体力ではいつものパフォーマンスのまま長時間(5~6h以上)登り続けることが少々厳しいということを身体で知った感じです。加えてパッキングにおいての改善すべき点も大いにあったので今後の山歩きに生かせれば、と思ったのでした。

帰りのバスの車窓にて短い夏山シーズンの終わりを感じた