2017年6月18日日曜日

谷川連峰・谷川岳(西黒尾根)(take2)(難易度:★★★★☆)

未だに自分は谷川岳の山頂からの景色を天候に阻まれて楽しめていない。
更に過去に西黒尾根に臨んだ際はおっかなびっくりの余裕のない状態で登ったこともあり、山自体をあまり満喫出来ていなかったため、いつかは改めて登りたいと思い続けていました。


今、改めて登ってみて西黒尾根は本当のところどうなの、という事が知りたいという、寧ろ山より自分の感覚の変化を見るのが目的と言って良いかもしれません。

今週末は週間予報が徐々に遷移し、梅雨であるにも関わらず土曜が晴れる天気図となっていました。更に金曜日の仕事を早く上がれることが出来たため、急遽スケジュールを組んでみたのでした。
前回は夜行バス(竹橋からのアルペン号)で現地にアクセスしましたが、正直なところ西黒尾根~天神尾根の周回コースでは(初見であったにも関わらず)時間を持て余したので、電車を使用した日帰りプランを組みました。
今思い返すと、アルペン号は谷川岳単体ではなくて尾根伝いの縦走をスケジュールして利用すると良い感じかもしれないですね。。。

4:51 十条駅発

8:34 土合駅着

土合駅(無人駅)にはSuicaやPASMOが使用できないので、東京から来る際は水上駅で一回改札から出て切符を買う必要があります。
最初このことに気づけず、水上駅で少し慌てることと相成りました。

日本一のもぐら駅

ネットで何回か目にしてましたが、上越線で土合駅から発った場合、登山はここから始まってると言って良いかと思います。どうやら高低差は80m程度のようです。
この階段、5段おきに踊り場が設けられており、見た目ほど登りが辛くありません。
よく考えられているなーと思います。

ここから谷川岳ロープウェイ駅経由で西黒尾根登山口まで歩いていきます。


道中、色々なポイントが有って面白いんですよ。

土合橋


いつものように大量の草葉がひっかかっておらず、倒木もないためどことなく品がある感じです。

慰霊塔

去年は夜行バスだったので気づきませんでしたが、かなり立派な慰霊塔がありました。
慰霊塔はどうやら一ノ倉沢での死者を祀っているようで、掲げられている名前の数が物凄いことになっていました。
(谷川岳の死者というより隣の一ノ倉沢の死者なのでは…、と思いましたが、これも谷川岳のブランドを押し上げている要素のようにも思えました)

少し歩いてゆくと谷川岳ロープウェイが見えてきます。
前回はここまでバスでアクセスできています。

9:10 谷川岳ロープウェイ駅

駅はスルーしつつ登山口を目指して進みます

9:19 西黒尾根登山口

前回は夜明け前後の登り開始だったこともあり随分と不気味な感じでしたが、太陽の光で随分と爽やかな感じです。太陽の力凄いわ…。

9:33 鉄塔

ここまでは登り一辺倒で身体が暖まっていない状態だと少しキツイですが、鉄塔が見えてきた辺りから徐々に身体にエンジンが掛かる感じです。

10:01 第1標識

いつも歩いている西東京(杉が作る針の林)と比較するのもアレですが、やはりブナ林は歩いていて気持ちが良いんですよね。

少しづつ景色が開けてきます

10:45 森林限界突破地点

この地点から周囲の眺望がとても良くなるのですが、天気がとても良いのにあまりヒョイヒョイ登っても勿体無い…と感じ始めました。スケジュール上は標準タイムで2回登れるくらいの余裕を持たせてあるので休憩を兼ねて十分に景色を堪能しつつ、ちょっとずつ進みます。ちょっとずつね。

10:55 鎖場1個目

ここからちょっとずつ鎖場が出てきます。
前登ったときは結構怖かったんですけど、改めて登ると一瞬で終わってしまった。
あの時感じた怖さは一体何だったんだろう。

つくづく山っていうのは自分自身のフィルターで姿を変えてゆくんだな、と思います。
山ってのは一つじゃないんですよね…。俺にとっての山。コレがたった一つだけある。

谷川岳、再見

感動するくらいのピーカンと、カッコイイ山容に思わず見入ってしまいます。
雪渓も結構残ってるなーと思いつつまた少し進みます。

11:00 鎖場2個目

ガシガシ登って行きます。
とにかくあらゆるコンディションが良く、とても楽しいです!

振り返ると笠ヶ岳(と思う)

11:16 ラクダの背とガレ沢の頭

陽が射していますが、然程暑くなく、風が涼しくて物凄く気持ち良いです。
そんなこんなで意図的にペースを落としまくります。山頂は14時位で十分なので…。

岩稜帯の取り付き

無駄な高度感も感じないのでモリモリ登れる岩がとても楽しい。

12:34 氷河の跡と懺悔岩

もう少しでコースが終わってしまうなー…、などと思って登ってゆくと、クロスしないと思いこんでいた雪渓をトラバースすることになりました。

13:15 肩の小屋直下の雪渓

踏み跡がしっかりしてるのでアイゼンは不要でしたが、直射日光をここまで浴びて何故溶けていないのか、と思わせてくれる不思議な風景。
よく見ると天神尾根方面の方が遥かに難易度が高そうに見えます!なんてこったい!

13:19 道標ケルン

13:21 肩の小屋に到着

ここからの眺めは前回まったく拝めなかったので、楽しみしていたのですが…

平標山への稜線がこれでもか!というくらいにクッキリ!

これほど歩きたいと思わせてくれる道が他にあるだろうか。

14:00 休憩しつつ双児峰の両山頂を踏みます

これで前回のガスガス登山のリベンジが出来たかな

道標ケルンも反対側から見ると雪が全く無いです

山頂からの景色を十分に南東した跡、天神尾根経由で下山します

今回はここが一番の難所でした

自分を含めてアイゼンを装備していない登山者は皆ビクビクしながら下ってゆきます。
その刹那、上から数人を巻き込みつつプチ滑落(?)してくる登山者がいるじゃないですか!
…といいつつも秒速20cm程度なんですが、その遅さ故に受け止めようとした下の登山者が存外持ち堪えきれずに巻き込まれたようです。
(結果的には大事には全く至ってなくて良かったんですが、自分より下で難儀していた人は歩くのをやめて尻を雪面に着けてすべり台チックに一目散に逃げきりを図っておりました。それまで遅々とすすまなかったんですが、早っ・・・みたいな。)


雪渓地帯を越えると、溶けた水と共に泥が道沿いに流れてました。
谷川岳の天然水?

15:08 懺悔岩(天神尾根ver)

西黒尾根の懺悔岩よりこちらのほうが懺悔しやすそうですね。

仙ノ倉、平標山への稜線が名残惜しいです

そんなこんなで天神尾根にて高度を下げて行きます

山頂方面を振り返ると、日本庭園風に残る雪が面白かったです

16:03 天神平まで降りきりました

ロープウェイで下まで降ります


降りた後は・・・

家まで我慢するんじゃなかったのか!

コラコラ。

帰りは谷川岳ロープウェイから水上駅までバスで移動します。750円なり。

上越線で高崎まで行き、そこから高崎線で帰宅します。チューハイで少し頭が痛くなりました。

というわけで谷川岳へのリベンジ登山でした。

最初は7月2日に谷川岳の日と言うものがあるらしく、それを狙おうかとも思っておりました。しかし登山客が多くなりすぎて山頂付近が大変なことになりそうなのと、今日のようにコンディションの良い日はそうないように思われたので出向いてみました。

山開き前では有りましたが、結果は大成功だったと思います。

いつかは肩の小屋で一泊しつつ、谷川岳から先にある稜線を目指してみたいものです。
静かな山行が出来そうな(対面にそびえていた)笠ヶ岳も良さそうでした。

電車は移動時間が長いので新幹線で越後湯沢駅まで行けるとスマートかも。

2017年6月14日水曜日

奥多摩・御岳山~大岳山~鋸山(難易度:★★☆☆☆)

奥多摩。
思えば山に登り始めたきっかけである高水三山の後、しばらくしてから川苔山に挑戦したものの百尋の滝以降の道が(蜂の巣の影響により...)閉ざされていて登頂を断念し、それ以降はろくに奥多摩メインの山行を行っていない。あ、一応雲取山には登ったか。でもアレは半分は秩父の山。


ということで、今回は奥多摩 から始まり、奥多摩に終わる縦走登山を楽しんできました。
序盤のケーブルカー下のアスファルト道から始まり、お社、ロックガーデンへの道、開けた山頂と整った山道という非常に歩きやすい素晴らしいコースでした。

8:00 御嶽駅からスタートです

ここから御岳山の麓にある登山口、兼ケーブルカーの滝本駅までバスで移動します。

8:20 ケーブル下BS

…最初はここまで歩こうと考えていましたが、バスに乗って移動してよかったと思える距離でした。おそらく歩くと1時間前後は要していたのではなかろうか。
歩くにしても然程恵まれたアクティビティがなかったように思えるので、ここはバスに乗るのが正解。

少し歩くとケーブルカーの立派な鉄橋下に出ます。


9割9部の人が滝本駅に向かいますが、その横を抜けて左手にある登山口に向かいます。
(バスは使いましたがケーブルカーは使いません。一応登りが目的ですので…)

8:26 登り開始

道はアスファルトに覆われていることもあり、森林浴をしつつの散歩といった感じ…なのですが、時々郵便局のスクーターが行ったり来たりしていて、若干こっ恥ずかしい気分です。

こんな感じの道がケーブルカーの駅終点である御岳山駅まで30分ちょっと続く

9:05 御岳山駅付近

これまでに登った後に土産物店が出現するパターンは何度か有りましたが、街が出現するというのは、今までに無かったパターンかもしれません。ううむ。。。

ビジターセンターも完備されています

汗だくになりながらリノリウム床の敷かれた公民館のような施設に入るというのはなんとも奇妙な気分ですね。
それにしても「今日はどこ行く?」という余程のリピーターでも無い限り、「と言うかココに来たんですが...」というツッコミを入れたくなること必至の張り紙が素敵です。

9:30 御嶽神社

あまりに立派な施設なので、山中にいることを忘れさせてくれます。

両神山のオオカミと比べると造形にやる気を感じますね(汗

振り返ると結構な眺望

この後、大岳山山頂まであまり展望が開けていないため、振り返ると貴重な風景だったと思います。
そう言えば御岳山山頂がどこにあるのかが判りませんでした…。なのでこの神社の参拝を以って御岳山登頂としてしまったのですが、実のところはどうだったんだろう…。まぁいいか。

この後は2つ目の山頂である大岳山を目指します

このあたりから少しずつ山道風になってきますが、かなり綺麗に整備されており、且つ高低差が殆ど無いので歩きやすいです。

10:00 天狗岩

鎖場かと思ったら随分と大きな一枚岩が横たわっていました。
登ってみようかと思いましたが、大分並んでいるようでしたので写真を撮りつつ先に進む。

10:20 ロックガーデンに到着

沢沿いの道ではありますが、沢登りという感じではありません。
沢の両岸をスイッチングしつつ進んでゆきます。

10:30 綾広の滝付近

緑に抱かれるような素晴らしい道です。きっと紅葉の季節とか凄いんだろうな。

幾つかの合流地点、分岐点を抜けつつ進んでゆくと・・・

11:20 山頂前の鳥居

この鳥居から20分ほどで山頂に出ます。

11:40 大岳山山頂

実質2つ目のピークですが、御岳山が実質通過地点の様相を呈していたことから、今回は1つ目な感じでした。物凄い沢山の人がいましたが、それらを受け入れることが可能なスペースがあり良い感じです。

パノラマ写真だと風景をダイナミックに撮れないですね…

簡単なランチを取った後は、今度は鋸山を目指して進みます。

13:10 御前山と鋸山(奥多摩駅)の分岐

体力と時間が許せば奥多摩三山の一つである御前山も登ってみたかったです。。。

13:23 鋸山山頂。千葉県の鋸山とは違いまっせ。

杉林の中にひっそりと建っている山頂道標がなければ気づかなかったかも。
残念ながら展望は開けていませんが、休憩可能なスペースがあるだけでも非常に有り難いです。
(2年前、炎天下の中で武甲山へ縦走した際に"どちらもない。だが虻はおるでよ~"というS気あふるる大持山&子持山をどうしても思い出してしまうのですね)

14:19 数少ない見晴台

足元の岩には鎖が下に延びていましたが、その先の迂回道と合流していたようでした。

14:54 鉄塔場

経験的に、「あ、終盤だ」と感じさせてくれる風景。

15:05 惑わしの看板

山道を抜けると、奥多摩駅もすぐそこだろう、と思いこんでいたのですが、なんと山に登るか、下山しつつも遠回りコースを取るかの2択を迫ってくるじゃないですか。

15:07 登りコースに突入~

いやー、このタイミングでオカワリは内容を問わずキツイんですよね(笑)
(と言っても実際はほとんど登りはなかったので問題なかったんですが)

15:30 下山完了

うっとりするくらい長い階段を降りきると、そこはもう奥多摩駅でありましたよ。

15:40 奥多摩駅到着

ということで奥多摩の縦走登山記録でした。
やはり都心から電車一本で行けるのは大変魅力的です。コース自体も非常に進みやすく、御岳神社近辺だけでもその先のリフトに乗ったりすることで十分楽しめそうでした。
各年代層に応じて様々な楽しみ方が可能な素晴らしい観光スポットだと思いますのでオススメです。

高尾山の次くらいに登ってみると楽しいのではなかろうか。

2017年5月22日月曜日

是非聴いてほしいヴァイオリン曲集(J.S. Bach: Sonatas & Partitas for Violin)について

少し高めの音響機器を手に入れた場合、その購入等に要したコストの正当性を裏付けるため、人の心理として「良い音を手に入れた!」と感じたいものです。
そのような場合、(特にそれがヘッドフォンであった場合は特に)是非聴いて欲しいCDがあります。

Gil Shahamというイスラエルのヴァイオリニストによるバッハの無伴奏ヴァイオリン曲集です。


バッハの無伴奏ヴァイオリンは様々な奏者によるアルバムがかなりの数出回っています。
その中でもこれまで千住さん五嶋さん等をはじめとしていくつかの演奏を聴いて楽しんできたのですが、Gil Shahamは(聴けばわかるかと思いますがレコーディング技術の高さも含めて)完全に凌駕していると感じます。というかヴァイオリンの音にここまで聴き手惹きつける力があるのかとビックリします。

何と表現したらよいのでしょうか、その他大勢の奏者は曲を完全には弾きこなせておらず、そこを独自解釈や、演奏とは関係のない虚飾で埋めている感じでした。が、(素人の耳にも解るレベルで)必要とされる技術を奏者が安々とクリアされており、その上に自身の実力に依る解釈が良い方向にシナジーを生んでいることが判ります。

音に対して身を委ねることにここまで脳が快楽を覚えるのは稀な経験でしたので、非常にオススメです。
(おそらくレンタルショップには無いので、その場合は購入されてくださいな)

視聴はこの辺で。

その他、前に聴いたグールドのピアノも楽しかったし、バッハは本当に最高ですね。

2017年5月14日日曜日

DDC(RUDD14)の導入について

サブシステム側のオーディオ環境構成を少し変更したのでメモ。

これまではパソコンからUSB2本をそれぞれのDACに接続し、ヘッドフォン、スピーカーを駆動していました。


旧システム構成

しかし、この構成の場合、以下3つの問題が有ります。
  1. DAC1000に88.2kHz、176.4kHzの信号を送れない(※)
  2. USB電源線に乗るPCノイズ対策(アイソレーション)が施されていない
  3. ヘッドフォン、スピーカーの駆動先切り替え操作が面倒(プレーヤー側の設定変更が必要)

特に1についてはWindows7時代はhiFace twoというDDCを使用して対応出来ていましたが、Windows10になってからはドライバが上手く対応出来ていないようで、COAXIAL接続での再生(88.2kHz、176.4kHz)が行えていませんでした。
(少し前のWindows10に対するCreatorsUpdateでUSB AudioClass2.0規格に少しだけ対応してくれましたが、これによるhiFace twoのドライバレス駆動が期待されたものの結果はNGだった)

自分の場合、CDからリッピングした音源(44.1kHz)をプレーヤー側(JRMC)で2倍、または4倍の周波数にアップサンプリングしたものを聴き比べて遊ぶこともあり、対応してもらえないといまいち楽しめなかったりします。(そもそもアップサンプリングによる音質的なメリットは本当はあまり無いんですけどね・・・)

「COAXIAL接続でDACに接続できれば良い」ということであるため、試みの一つとして下のようなアタッチメントをPC側に仕込み、マザーボード上のS/PDIFピンから信号を引っ張って来たりもしました。が、思うような結果を得ることが出来ませんでした。


そんなことを考えながらネットで情報を漁っているとRUDD14というDDCの情報に行き着きました。こいつはRASTEME社という(大変惜しいことに)今は存在しない日本のガレージメーカーの製品。自分もUDAC32Rを所有しており、動作の安定性と音質面においては満足感の高い製品であったことからとても良い印象をもっています。

RUDD14の良いところは、自分が問題と考えていた上述の1~3を全てクリアすることが出来る、というグッドな仕様であったところです。特に3に関連し、AES/EBUとCOAXIALへの同時デジタル出力が可能という点が素晴らしい。設定の切り替え自体が不要。

そして今回、運良く手に入れることが出来たため、以下のような構成と相成りました。

新システム構成

AES/EBUのバランスケーブルにはYAMAHAのYBC03を選択しました。
バランスケーブルは位相反転による信号ノイズのキャンセリングが可能な優れものです。マイクとかでも使用されているケーブルですね。


それにしても(大昔は色々とお世話になったが)YAMAHAの製品なんて購入したのは本当に久しぶり。オーディオ界では中堅以降の製品シェアが著しく低いメーカーですしね。
(15年くらい前にエントリー型のAVアンプを買ったのが最後だったと思う)

・・・

ただ音が聴ければ良い、ということであればPCにヘッドフォンを挿すだけなんですが、難儀な趣味を持ってしまったものだ…とつくづく思うのでありました。

<追記>
RUDD14もUDAC32RもWindows10の標準ドライバ(USB Audio Class2.0)でなんとか動作はします。ただし(5分に一度程度の頻度ですが)ノイズが一瞬乗ったりすることも有り、都度不快感が際立ってしまいますので添付のドライバをWindows7互換モードでのインストールを強くお勧めします。こちらは(当たり前ですが)ノイズが乗ったりすることは無く精神的に安定します。