2017年6月14日水曜日

奥多摩・御岳山~大岳山~鋸山(難易度:★★☆☆☆)

奥多摩。
思えば山に登り始めたきっかけである高水三山の後、しばらくしてから川苔山に挑戦したものの百尋の滝以降の道が(蜂の巣の影響により...)閉ざされていて登頂を断念し、それ以降はろくに奥多摩メインの山行を行っていない。あ、一応雲取山には登ったか。でもアレは半分は秩父の山。


ということで、今回は奥多摩 から始まり、奥多摩に終わる縦走登山を楽しんできました。
序盤のケーブルカー下のアスファルト道から始まり、お社、ロックガーデンへの道、開けた山頂と整った山道という非常に歩きやすい素晴らしいコースでした。

8:00 御嶽駅からスタートです

ここから御岳山の麓にある登山口、兼ケーブルカーの滝本駅までバスで移動します。

8:20 ケーブル下BS

…最初はここまで歩こうと考えていましたが、バスに乗って移動してよかったと思える距離でした。おそらく歩くと1時間前後は要していたのではなかろうか。
歩くにしても然程恵まれたアクティビティがなかったように思えるので、ここはバスに乗るのが正解。

少し歩くとケーブルカーの立派な鉄橋下に出ます。


9割9部の人が滝本駅に向かいますが、その横を抜けて左手にある登山口に向かいます。
(バスは使いましたがケーブルカーは使いません。一応登りが目的ですので…)

8:26 登り開始

道はアスファルトに覆われていることもあり、森林浴をしつつの散歩といった感じ…なのですが、時々郵便局のスクーターが行ったり来たりしていて、若干こっ恥ずかしい気分です。

こんな感じの道がケーブルカーの駅終点である御岳山駅まで30分ちょっと続く

9:05 御岳山駅付近

これまでに登った後に土産物店が出現するパターンは何度か有りましたが、街が出現するというのは、今までに無かったパターンかもしれません。ううむ。。。

ビジターセンターも完備されています

汗だくになりながらリノリウム床の敷かれた公民館のような施設に入るというのはなんとも奇妙な気分ですね。
それにしても「今日はどこ行く?」という余程のリピーターでも無い限り、「と言うかココに来たんですが...」というツッコミを入れたくなること必至の張り紙が素敵です。

9:30 御嶽神社

あまりに立派な施設なので、山中にいることを忘れさせてくれます。

両神山のオオカミと比べると造形にやる気を感じますね(汗

振り返ると結構な眺望

この後、大岳山山頂まであまり展望が開けていないため、振り返ると貴重な風景だったと思います。
そう言えば御岳山山頂がどこにあるのかが判りませんでした…。なのでこの神社の参拝を以って御岳山登頂としてしまったのですが、実のところはどうだったんだろう…。まぁいいか。

この後は2つ目の山頂である大岳山を目指します

このあたりから少しずつ山道風になってきますが、かなり綺麗に整備されており、且つ高低差が殆ど無いので歩きやすいです。

10:00 天狗岩

鎖場かと思ったら随分と大きな一枚岩が横たわっていました。
登ってみようかと思いましたが、大分並んでいるようでしたので写真を撮りつつ先に進む。

10:20 ロックガーデンに到着

沢沿いの道ではありますが、沢登りという感じではありません。
沢の両岸をスイッチングしつつ進んでゆきます。

10:30 綾広の滝付近

緑に抱かれるような素晴らしい道です。きっと紅葉の季節とか凄いんだろうな。

幾つかの合流地点、分岐点を抜けつつ進んでゆくと・・・

11:20 山頂前の鳥居

この鳥居から20分ほどで山頂に出ます。

11:40 大岳山山頂

実質2つ目のピークですが、御岳山が実質通過地点の様相を呈していたことから、今回は1つ目な感じでした。物凄い沢山の人がいましたが、それらを受け入れることが可能なスペースがあり良い感じです。

パノラマ写真だと風景をダイナミックに撮れないですね…

簡単なランチを取った後は、今度は鋸山を目指して進みます。

13:10 御前山と鋸山(奥多摩駅)の分岐

体力と時間が許せば奥多摩三山の一つである御前山も登ってみたかったです。。。

13:23 鋸山山頂。千葉県の鋸山とは違いまっせ。

杉林の中にひっそりと建っている山頂道標がなければ気づかなかったかも。
残念ながら展望は開けていませんが、休憩可能なスペースがあるだけでも非常に有り難いです。
(2年前、炎天下の中で武甲山へ縦走した際に"どちらもない。だが虻はおるでよ~"というS気あふるる大持山&子持山をどうしても思い出してしまうのですね)

14:19 数少ない見晴台

足元の岩には鎖が下に延びていましたが、その先の迂回道と合流していたようでした。

14:54 鉄塔場

経験的に、「あ、終盤だ」と感じさせてくれる風景。

15:05 惑わしの看板

山道を抜けると、奥多摩駅もすぐそこだろう、と思いこんでいたのですが、なんと山に登るか、下山しつつも遠回りコースを取るかの2択を迫ってくるじゃないですか。

15:07 登りコースに突入~

いやー、このタイミングでオカワリは内容を問わずキツイんですよね(笑)
(と言っても実際はほとんど登りはなかったので問題なかったんですが)

15:30 下山完了

うっとりするくらい長い階段を降りきると、そこはもう奥多摩駅でありましたよ。

15:40 奥多摩駅到着

ということで奥多摩の縦走登山記録でした。
やはり都心から電車一本で行けるのは大変魅力的です。コース自体も非常に進みやすく、御岳神社近辺だけでもその先のリフトに乗ったりすることで十分楽しめそうでした。
各年代層に応じて様々な楽しみ方が可能な素晴らしい観光スポットだと思いますのでオススメです。

高尾山の次くらいに登ってみると楽しいのではなかろうか。

2017年5月22日月曜日

是非聴いてほしいヴァイオリン曲集(J.S. Bach: Sonatas & Partitas for Violin)について

少し高めの音響機器を手に入れた場合、その購入等に要したコストの正当性を裏付けるため、人の心理として「良い音を手に入れた!」と感じたいものです。
そのような場合、(特にそれがヘッドフォンであった場合は特に)是非聴いて欲しいCDがあります。

Gil Shahamというイスラエルのヴァイオリニストによるバッハの無伴奏ヴァイオリン曲集です。


バッハの無伴奏ヴァイオリンは様々な奏者によるアルバムがかなりの数出回っています。
その中でもこれまで千住さん五嶋さん等をはじめとしていくつかの演奏を聴いて楽しんできたのですが、Gil Shahamは(聴けばわかるかと思いますがレコーディング技術の高さも含めて)完全に凌駕していると感じます。というかヴァイオリンの音にここまで聴き手惹きつける力があるのかとビックリします。

何と表現したらよいのでしょうか、その他大勢の奏者は曲を完全には弾きこなせておらず、そこを独自解釈や、演奏とは関係のない虚飾で埋めている感じでした。が、(素人の耳にも解るレベルで)必要とされる技術を奏者が安々とクリアされており、その上に自身の実力に依る解釈が良い方向にシナジーを生んでいることが判ります。

音に対して身を委ねることにここまで脳が快楽を覚えるのは稀な経験でしたので、非常にオススメです。
(おそらくレンタルショップには無いので、その場合は購入されてくださいな)

視聴はこの辺で。

その他、前に聴いたグールドのピアノも楽しかったし、バッハは本当に最高ですね。

2017年5月14日日曜日

DDC(RUDD14)の導入について

サブシステム側のオーディオ環境構成を少し変更したのでメモ。

これまではパソコンからUSB2本をそれぞれのDACに接続し、ヘッドフォン、スピーカーを駆動していました。


旧システム構成

しかし、この構成の場合、以下3つの問題が有ります。
  1. DAC1000に88.2kHz、176.4kHzの信号を送れない(※)
  2. USB電源線に乗るPCノイズ対策(アイソレーション)が施されていない
  3. ヘッドフォン、スピーカーの駆動先切り替え操作が面倒(プレーヤー側の設定変更が必要)

特に1についてはWindows7時代はhiFace twoというDDCを使用して対応出来ていましたが、Windows10になってからはドライバが上手く対応出来ていないようで、COAXIAL接続での再生(88.2kHz、176.4kHz)が行えていませんでした。
(少し前のWindows10に対するCreatorsUpdateでUSB AudioClass2.0規格に少しだけ対応してくれましたが、これによるhiFace twoのドライバレス駆動が期待されたものの結果はNGだった)

自分の場合、CDからリッピングした音源(44.1kHz)をプレーヤー側(JRMC)で2倍、または4倍の周波数にアップサンプリングしたものを聴き比べて遊ぶこともあり、対応してもらえないといまいち楽しめなかったりします。(そもそもアップサンプリングによる音質的なメリットは本当はあまり無いんですけどね・・・)

「COAXIAL接続でDACに接続できれば良い」ということであるため、試みの一つとして下のようなアタッチメントをPC側に仕込み、マザーボード上のS/PDIFピンから信号を引っ張って来たりもしました。が、思うような結果を得ることが出来ませんでした。


そんなことを考えながらネットで情報を漁っているとRUDD14というDDCの情報に行き着きました。こいつはRASTEME社という(大変惜しいことに)今は存在しない日本のガレージメーカーの製品。自分もUDAC32Rを所有しており、動作の安定性と音質面においては満足感の高い製品であったことからとても良い印象をもっています。

RUDD14の良いところは、自分が問題と考えていた上述の1~3を全てクリアすることが出来る、というグッドな仕様であったところです。特に3に関連し、AES/EBUとCOAXIALへの同時デジタル出力が可能という点が素晴らしい。設定の切り替え自体が不要。

そして今回、運良く手に入れることが出来たため、以下のような構成と相成りました。

新システム構成

AES/EBUのバランスケーブルにはYAMAHAのYBC03を選択しました。
バランスケーブルは位相反転による信号ノイズのキャンセリングが可能な優れものです。マイクとかでも使用されているケーブルですね。


それにしても(大昔は色々とお世話になったが)YAMAHAの製品なんて購入したのは本当に久しぶり。オーディオ界では中堅以降の製品シェアが著しく低いメーカーですしね。
(15年くらい前にエントリー型のAVアンプを買ったのが最後だったと思う)

・・・

ただ音が聴ければ良い、ということであればPCにヘッドフォンを挿すだけなんですが、難儀な趣味を持ってしまったものだ…とつくづく思うのでありました。

<追記>
RUDD14もUDAC32RもWindows10の標準ドライバ(USB Audio Class2.0)でなんとか動作はします。ただし(5分に一度程度の頻度ですが)ノイズが一瞬乗ったりすることも有り、都度不快感が際立ってしまいますので添付のドライバをWindows7互換モードでのインストールを強くお勧めします。こちらは(当たり前ですが)ノイズが乗ったりすることは無く精神的に安定します。

2017年5月7日日曜日

奥日光・男体山(難易度:★★★☆☆)

これまでのトレッキング登山においては、使用している交通手段が何故か西武線小田急線中央線京王線に限定されていました。
東武線を使って出かけたことがないことに思い至ったため、今回は新たに東京から北に位置する日光(男体山)を目指してみることにしました。色々と情報を漁っているとどうやら5月5日は男体山の開山祭を催されているようですし面白そうです。


そもそも日光に対するイメージって小学生の頃のバス遠足や、家族で週末に車で遊びに行くという、どことなく「日常感」が漂っており、求めている「非日常感」があまり感じられなかったんですよね。
しかし実際に現地に訪れて一日過ごしてみると(訪れる時期を工夫すれば)なかなか楽しめるエリアであることがわかりました。

8:20 東武日光駅

朝の5時前に自宅を出発してからおよそ3時間半。時間的には前回の秩父・三峰口までに要する時間とほぼ同じ感じです。
そして駅前のターミナルからバスに乗り込み奥日光方面(中禅寺湖方面)を目指したのですが、出発すると猛烈な渋滞に巻き込まれてしまいました。
具体的にはバス内に立ったまま閉じ込められた状態で1時間経過しても、一つ目の停留所に到着しないレベルの渋滞。

9:30 自分を含めた乗客が諦めてバスを降り歩くことと相成りました

どうやら日光東照宮の改修が完了した直後のゴールデンウィーク、というタイミングであるため、かなりの数の観光客が集中してしまったらしい。東京から日帰りが出来る複合観光地域(神社、温泉、湖、湿原、山、滝…)ということをもう少し考慮すべきだったかと少し後悔しつつ、折角なので行けるところまで行ってみることにしました。中禅寺湖まではバスで40分~50分程度。歩ける距離ではないことから、最悪東照宮観光ENDかな、くらいの気持ちです。


15分程歩くと、東照宮方面(右)と中禅寺湖方面(左)の分岐に差し掛かりました。
どうやら目指している中禅寺湖方面には車列が形成されていないようです・・・、ということは改めてバスに乗ったほうが遥かに現地到着の実現性が上がってくれそうです。

10時過ぎにバス(中禅寺温泉行き)に乗車

本当は湯元温泉行きに乗れたほうがベストだったのですが、中禅寺温泉から登山口のある二荒山神社までは15分程度の湖畔沿いの歩き程度であることが判っていたため乗り込みました。

10:40 中禅寺湖

10:55 二荒山神社

想定時刻から1時間遅れですがなんとか現地に到着しました。
仕込んでいた登山計画上では何とか吸収出来そうです。

登山口前の事務所で登拝料500円を支払いつつ、登山届提出(記帳)及びお守りGET

どうやら男体山自体が二荒山神社の御神体、ということらしい。

11:00 本日開いたばかりの門をくぐりつつ登り開始


門をくぐった直後から1合目までは階段。登山道の階段は相変わらず苦手です…。

1合目付近では開山祭の儀式が執り行われていました

1合目から3合目までは樹林帯が続きます。難しい道は皆無ですが、単調な登りが断続的に続くので身体が温まるまでは少しシンドイですね。

3合目から4合目までは一旦登山道を出てアスファルト道を30分弱

アスファルト道に飽き始めたところで4合目の鳥居に到着。

12:00 4合目から再び登山道に突入

1時間ちょっとで全体の4割を登ったんだから楽勝かー?みたいな感じでしたが、実はここからが男体山登山の本番。一応高低差が1200メートルを有しているということもあり、そこそこの急登道が断続的に続きます。

登りつつ振り返ると中禅寺湖と山々の景色が見事

この鳥居ポイント以降、残雪地帯

登れないことはないですが、グリップの効く土が覆われ、尖った岩がむき出しになっているため下山時の難易度が上がっている感じでした。慎重に進みます…。

13:40 8合目の避難小屋

8合目以降は本格的な残雪地帯に入っていきます。

アイゼンを仕込んで来るべきだったかなぁ

結構滑りやすい状態ではあるのですが、ここまで雪で覆われていると尖った岩が隠されるため、逆に安全度が上がっています。
何故か写真だと傾斜がゆるく見えてしまいますが、下山途中でに尻もちをついてる方が多数がいらっしゃいました。

14:14 残雪地帯と火山岩地帯の境目

森林限界を超えると陽を遮るものがなくなるためだからでしょう、雪が完全に溶け切っています。路面環境の変遷が激しくて驚かされます。

14:25 目指す山頂を視界に捉えます

14:30 山頂(奥社)に到着

下界と比較すると気温は10度位低いです。

目に引くものが多くありますが、この、(どう見ても)おにぎりのインパクトたるや。深い意味が…あるに違いないです。三つ峠山の達磨岩っぽいですが、丸い部分に特に梵字は刻まされていませんでした。きっと心を研ぎ澄まして見ると「梅」とかの文字が浮かび上がるに違いない。

空にそびえる白刀の刃

RPGとかだと勇者が岩に刺さる聖剣を引き抜いたりしちゃいますが、こいつは刃が上。危なくて握れない。責任者は何処か。

パノラマ写真。若干ガスが出てきたため戦場ヶ原方面が望めず。

謎のオブジェクトに囲まれつつランチを食した後に下山開始。

15:00 下山開始

下界は青空が広がっているという谷川岳と同じパターンでした

急坂で慎重な下りを要求されたため、3合目から1合目の下りが地味にキツかったです(笑)

17:30 下山完了

湖とこのなだらかな稜線。男体山が火山であることを思い出させてくれます。

そういえばここ最近ですがこの男体山は活火山に認定されたそうです。
噴火の予兆はないとのことですが、御嶽山の1件もあるので登る方は頭の片隅に入れておいても良いかもしれないですね。

とは言え、神社から開始し、樹林、アスファルト、岩、雪、火山と眺望の良い山頂等、表情豊かな顔を見せてくれた今回の山行はとても充実し満足度が高かったです。